第37回出雲全日本大学選抜駅伝競走 10月13日 於・出雲大社〜出雲ドーム
◆結果◆
第7位 記録 2:10:52
◆区間エントリー◆
1区 小河原陽琉(総2=八千代松陰)23:46 区間6位
2区 折田壮太(コ2=須磨学園)16:56 区間10位
3区 飯田翔大(社2=出水中央)25:17 区間10位
4区 神邑亮佑(社1=八千代松陰)17:44 区間8位
5区 塩出翔太(教4=世羅)17:54 区間賞
6区 黒田朝日(地4=玉野光南)29:15 区間賞
夏日となった出雲の地で今年で37回目を数える出雲駅伝が行われた。青学大は7位入賞。1区で差を広げられそこからなかなか思うようなレース運びを見せることができず、7位という結果に終わった。一方で出雲ラストランとなった5区の塩出、6区の黒田は区間賞の走りで4年生としての意地を見せた。
1区を務めたのは小河原。箱根駅伝で当時ルーキーながら連覇のゴールテープを切った小河原が、今季の三大駅伝の開幕戦でトップバッターを担った。前半から集団のままレースは進んでいき、終盤他大学の選手がスパートを見せ小河原はなんとかそこに喰らいつき、トップと18秒差の6位で襷を繋ぐ。

スタート直後の小河原
出雲駅伝最短区間である2区には当日変更で折田が出場。6位で襷を受け取った折田は上位に食い込むべく、懸命な走りを見せたが上位浮上とはいかず、逆に離されてしまいトップと54秒差の11位で飯田に想いを託す。折田にとってはほろ苦い出雲路デビューとなった。

前を追いかける折田
3区には飯田が配置された。3月に開催されたエキスポ駅伝で好走を見せた飯田は、三大駅伝初出走ながらエース区間である3区を任された。序盤から積極的にレースを展開し、一時は順位を10位まで押し上げた。その後も粘りの走りを見せ、他大学の選手を懸命に追い上げ、トップと2分3秒差で襷をつないだ。

エース区間を走り抜いた飯田
4区を務めたのは青学大で唯一の1年生ランナーである神邑。先日行われた絆記録会では5000mの自己ベストを大きく更新する走りを見せ、今大会では4区に大抜擢された。11位で襷を渡された神邑は果敢な走りを見せ、追い上げを図る。懸命な追い上げで10位との差を12秒詰め、トップとの差は2分22秒で襷を繋いだ。

ルーキーながら堂々たる走りを披露した神邑
5区を任されたのは4年生の塩出。トラックシーズンで自己ベストを更新し、チームの信頼を得ている男が、最初で最後の出雲路に挑んだ。前を行く選手との距離を一歩ずつ詰め、冷静かつ力強い走りで順位を押し上げていく。ラストスパートではその表情に4年生の意地がにじみ、17分54秒の区間賞を獲得。4年生としての責任と意地を見せ、最終6区、同学年の黒田に託すように力強く襷を渡した。

区間賞の走りを見せた塩出
迎えた最終区、アンカーの大役を担ったのは黒田朝日。塩出から襷をもらった時点で約20秒先を3校の選手が走っていた。狙った獲物は逃さないと言わんばかりに一校一校着実に捕らえ、順位を押し上げていく。「黒田なら」という観客の期待に確実に応え、超えていく。「俺が青学を勝たせる」を体現する走りで29分15秒をマークし、見事区間賞を獲得した。

区間賞の走りで順位を3つ押し上げゴールした黒田
今大会は黒田以外が出雲駅伝初出走というチャレンジングなオーダーで挑んだ青学大。原監督は伸びしろのある選手たちが大化けするのを期待し「ばけばけ大作戦」と銘打った。今回は大化けとは行かなかったが、神邑は他校の有力選手に負けない力強い走りを見せていた。他にも今回出走していない選手の中にもメンバー入りを渇望していた選手も多くいたはずだ。事実、出雲駅伝の補員となっていた榅山一颯(コ1)は本日行われた「もうひとつの出雲駅伝」と呼ばれる第4回出雲市陸協記録会で13:55.93を記録し、組トップでフィニッシュ。全日本駅伝へのメンバー入りのアピールに成功した。また今回は4年生の活躍も光り、最終学年としてのプライドが感じられた。大化けするのは何も下級生だけではない。今大会はむしろ4年生が更に”大化け”した大会だったのかもしれない。

7位入賞、区間賞獲得、共に登壇した左から黒田・塩出
表彰台は逃した青学大。それでも、今後より一層”ばける”ための一歩を踏み出したはずだ。約3週間後には全日本大学駅伝が行われる。今大会のように経験者が引っ張るか、新戦力が存在感を示すか、はたまたその両方か。青学大陸上競技部長距離ブロックの王者の挑戦はここからだ。
(記事、写真=成田紗耶加・久保颯一朗・竹田集・成田菜桜・黒川祈・東島蒼空)
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