いよいよ1月2日、3日と東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)を迎える。2年ぶりの栄光に向け、1年間主務として青学大を支えた野川寛太(教4)にお話を伺った。青山スポーツ箱根号に掲載出来なかったお話を大公開!主務の知られざる仕事や、4年生とのエモエピソードまで!
*この取材は12月上旬にzoomにて行いました。
・出雲駅伝、全日本大学駅伝を終えて感じたことは
ー強いチームだなという結果だったと思います。その中でも出雲駅伝では後ろの順位からラスト追い上げての2位ということで、底力というか、チームの追い上げる力、勝負強さを感じられたレースでした。全日本はラスト勝負で負けてしまったので、それこそ優勝争いできるチームだけど、まだラストで勝ち切るということができなかったので、箱根駅伝では優勝できるように今取り組んでいる最中で、そこに向けてチームがすごく良い状態で今向かっているかなというふうに感じます。
・ゴール後選手たちになにか声をかけたか。
ー僕よりも選手自分自身の方が次に何をしないといけないかをわかっているので、とりあえずはお疲れ様という言葉をかけました。全日本で負けた飯田(貴之、総4)には「大丈夫だよ」という言葉しかかけていません。
・駅伝当日の主務の仕事は
ー当日朝イチでエントリー変更を出しに行き、1区の付き添いをした後に監督と車で各区間を回ります。全日本の時は志貴(勇斗、教2)が「朝練習したいです。」と前日に伝えてきたので、2〜3時起きで一緒に練習を見ました。スタートしちゃうと後ろで見守っているだけなので、基本的には何かするということはないのですが、もともと持っている各大学の選手のデータだったり、直近のレースの結果だったりをまとめて持っているので、監督が〜大学の〜区走っている奴はどういうタイム持っているんだとたまに聞いてくるので、そういう時にパッと言えるようにはしています。
・野川さんが主務になった経緯は
ー元々マネージャーになったタイミングは大学3年生。その時に一緒にマネージャーになった宮内(明人、法4)と2人で1年間やっていて、4年に上がるタイミングで2人でどうしよう、となって、僕はそもそもチャランポランですし、仕事もできない感じの人だったので、やれると思ってなかったんですけど、同学年の女子マネージャーや選手、去年の主務の鶴貝さん(彪雅、21年法卒)が「経験だしやった方がいいんじゃない。」と言ってくれて、最終的には言われてやるより自分でやりますと言った方が、覚悟につながるかなと思い、「やります」と言いました。
・野川さん的注目選手は
ー僕は実を言うと全員に期待していて、16人に選ばれた選手も、選ばれなかった選手も来年走ってくれるのかなとすごい期待していつも見ているので、すごい難しいですね(笑)
1年生は若林宏樹(地1)かな。出雲走って、全日本は本当に直前まで走る予定がなくて、それこそ3年生の西久保(遼、コ3)が体調不良になったので、直前で急遽走ることになったんですけれども、二つの大会ともあまりいい結果ではなかったので、箱根駅伝ではしっかりとリベンジしてくれたらなと思います。練習の段階ではすごい4年生かなと思うくらいの余裕があるので、走れるのになあと思いながら見ています。
2年生は、、、王道がいいですか?それともマニアックな方ですか?(笑)
王道で行くと、チームのエースとして期待されている佐藤一世(総2)かな。全日本終わって足に不安があって練習を抜けたりはしていたんですけれども、この前千葉県の富津合宿でちゃんと上の層の選手達と練習をしていたので、箱根では間違いなく区間賞争いをしてチームに勢いをつけてくれる選手かなと思います。マニアックな選手でいくと、池田知史(地2)ですかね。彼はこの前の日体大記録会でも13分49で走りましたけど、それこそマネージャー候補の選手だったので、すごい頑張っているなと言う印象ですね、あとは僕と同じ高校なので、できることなら箱根を走って欲しいなと言う期待を込めて名前をあげます。
3年生はいっぱいいます。王道で行くなら近藤幸太郎(営3)かな。あまり出さないですけど、僕結構地元愛がすごくて、愛知県の選手ばっか名前あげちゃうんですけど、彼も高校の時に一緒に練習したりとかしてて、高校生の時はそれほどトップ選手ではなかったですが、その時から練習に対する考え方だったりとか、陸上に真剣に取り組んでいる姿を近くで見ていたので、今年特に活躍しだしたけど、当たり前かなと言うふうに僕はずっと思っていたので、箱根駅伝では化け物じみたタイム出してる駒澤大学の田澤選手にも勝てる走りをしてくれるんじゃないかなと思います。マニアックな選手は、横田俊吾(教3)とかですかね。卓球の(笑)彼は出雲駅伝のアンカーで素晴らしい走りをしてくれたんですけれども、出雲終わってからなかなか状態が上がらなくて。すごい走り方面白いですけどメンタル面結構弱いので、「本当にどうしよう、、、タイムが出ないです、、、」みたいな話をよくしていたんですけれども、ここにきてすごい調子が上がってきています。そこまでスピードに自信はないので、復路で長い距離を淡々と1人で走れる選手。とても期待しています。
4年生は1番難しいなあ、、、メディア受けするなら飯田貴之かなと(笑)全日本はアンカーで最後負けちゃって本人はすごい悔しい思いをしましたが、本来であれば勝てるレースだったと思います。今年1年間はすごい主将として責任を負いながら一つ一つの練習だったり試合だったりに出て取り組んでいたので、彼が最後箱根駅伝で報われてくれたらいいなと僕は思いますね。箱根は確か今年出走すると4回目になると思うんですけど、一回も区間賞をとっていないと言っていたので、今年はぜひ区間賞をとって欲しいなと思います。
・同期をひと言で表すと
ー戦友というか、大学4年間の中で意見を言い合った仲でもあるので、本当に素晴らしい仲間です。こういうのなんて言えばいいんですかね、、友達、、は違うな。友達以上恋人未満みたいな感じですかね(笑)
・同期との印象深い思い出は
ー僕は結構レースに行くことが多いので、それこそ今年1年間行われたレースはほぼほぼ見てるんですけど、そのすべてのレース一つ一つに思い入れがあって。それこそこの前の日体大記録会でいうと、16人メンバーに入っていない能島翼(営4)とか渡邊大地(社4)がベストを出してくれて、最後4年生としての意地みたいなものを感じられて、そういうふうに4年生が頑張ってくれると、下級生も頑張らないと、と思ってくれてチーム全体で頑張ろうという雰囲気になるので、素晴らしいなと思いますね。
マネージャーになってからの2年間でいうなら、僕が1番最初にマネージャーになった時ですかね。選手からマネージャーになる時に、学年でミーティングするんですけど、そこで「マネージャーになります」というふうに伝えた時、同期の仲間から「お前の分まで頑張る」と言葉をかけてくれたので、そういう言葉があったからこそここまでやって来れたのかなと思います。
・箱根で優勝したら同期でやりたいこと
ー僕はこの1年間ほとんどお酒とか飲んでいないので、優勝したら社会の迷惑にならない程度にみんなで大騒ぎできればな、と思います。
(記事・聞き手=山口美海)
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