東都大学野球 春季1部リーグ 対東洋大 第3回戦 4月25日 於・明治神宮野球場
◆結果◆
青学大 000 001 000|1
東洋大 000 000 000|0
◆出場選手◆
1 二 藤原夏暉 大阪桐蔭
2 中 中田達也 星稜
3 一 小田康一郎 中京
4 指 松本龍哉 盛岡大附 → 打指 田中幹大 武田
5 捕 渡部海 智辯和歌山
6 三 初谷健心 関東第一
7 左 大神浩郎 福岡大大濠
8 遊 山口翔梧 龍谷大平安
9 右 青山達史 智辯和歌山 → 打左 南野倫平 龍谷大平安
P 中西聖輝 智辯和歌山
2試合の激闘を終え、東洋大との対戦成績が1勝1敗となった青学大。勝負は3戦目までもつれ込んだ。両チームともに投手陣が奮闘。5回までスコアボードには0のみが刻まれた。6回に山口翔梧(営2=龍谷大平安)がこの試合チーム初ヒットとなるツーベースヒットを放ち、藤原夏暉(法4=大阪桐蔭)のタイムリーヒットで先制。これが決勝点となった。投げては中西聖輝(コ4=智辯和歌山)が無四球完封。手に汗握る接戦を制し、青学大は2カード連続で勝ち点を獲得した。
3戦目のマウンドを託されたのは中西聖輝。1戦目は5回を投げ切れず、悔しい降板となった中西。東洋大戦で二度目の登板となる今日の試合では、テンポ良く相手打者を打ち取り、三塁を踏ませない好投を見せた。
両チームともに先発投手を攻略することができず、膠着状態が続いた。青学大は5回表に渡部海(コ3=智辯和歌山)が四球で出塁するまで1人のランナーも出すことができず、完全に抑え込まれていた。
試合が動いたのは6回表。今春、全試合でスタメンとして起用されている山口がツーベースヒットを放ち、得点圏にランナーを置くチャンスを作った。

ツーベースヒットを放った山口
青山達史(コ2=智辯和歌山)には代打が出され、南野倫平(総3=龍谷大平安)が打席に立つ。南野は送りバントを成功させ、一死三塁で打席を迎えたのはキャプテンの藤原。

送りバントを成功させる南野
藤原は相手投手のストレートを捉え、センターへタイムリーヒットを放った。スコアボードにようやく「1」が刻まれた。6回表の打席について「翔梧がしっかり流れ変えて1本出してくれたので、そこは先輩としてしっかり返してやらないといけないなという風に思って打席に入りました。」と話した藤原。二遊間を守る二人が、勝利に大きく貢献した。

決勝打となるタイムリーヒットを放った藤原
5回までヒットが1本も出なかった青学大。 そのことについて藤原は「特に焦りっていうのは自分自身感じてなかったんですけど。しっかり、内容自体は悪くない打席がみんな多かったので、そこに焦りは全然感じてなかったですし、どっかで絶対爆発するだろうなっていうのを信じてやってました。」と話した。
藤原の打席について中西は、「キャッチボールしながら見てたんですけど、もう三塁で夏暉が回ってきたら、どうにかして点取ってくれるだろうっていう安心感というか。僕ん中では、あー、もう点入ったなぐらいの感覚で準備ができたので。(藤原は)頼もしいバッターで。嬉しい1点でした。」と話した。エースからの信頼の厚いキャプテンが、見事に試合を決めた。
6回以降は1人の出塁も許さず、圧巻のピッチングを見せた中西。自身のピッチングについては「序盤はコントロールも球威も、調子自体もそこまで良くはなくて。なんとか野手に支えてもらいながら、のらりくらり耐えれた。で、そっから5回以降は自分の中で投げ方的なものを修正することができたので、まとまったピッチングで最後まで行けたかなと思います。」と振り返った。
延長13回に及ぶ激闘、1点差の試合を制し、2カード連続で勝ち点を獲得した青学大。2戦目は惜しくも敗れ、安藤監督はその試合後に選手たちに「もう積み重ねてきたこと、それをちょっとやろうよっていうとこで、出そうぜっていうので。やっぱり勝ち方とかそういった野球のコツっていうのは伝えてきたつもりですので、そこはもうしっかり、乗っかってやってほしいっていうのがあったし、彼らもそれを一生懸命やってきてくれたのがあるんで。あとはもう結果はどっちに転ぶかっていうとこなので。」と話したという。安藤監督が伝えた通り、選手たちは今までに培ってきたものを活かして勝利を掴み取った。
30日には延期になった日大戦が、5月10、11日には現在無敗で首位を独走する亜大との試合が待ち受けている青学大。五季連続のリーグ優勝に向けて、負けられない戦いだ。「全員戦力」となって、優勝に向けて戦う青学大ナインの勇姿に惹きつけられること間違いなしだ。
(記事=田原夏野、写真=田原夏野・比留間詩桜・山城瑛亮・高木一郎)
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