【硬式野球】優勝目前で勝利逃す…残された可能性を胸に第3戦へ

硬式野球
苦しい展開で下を向いた常廣。

東都大学野球 秋季1部リーグ 対駒大 第2回戦 10月19日 於・明治神宮野球場

◆結果◆
青学大 000 000 020  |2
駒 大 000 000 012x
|3

出場選手
1 中 中島大輔 龍谷大平安
2 右 山中稜真 木更津総合
3 遊 山田拓也 東海大相模
4 三 佐々木泰 県岐阜商業
5 指 小田康一郎 中京
6 一 片山昂星 東海大菅生
7 二 藤原夏暉 大阪桐蔭→手塚悠 常総学院
8 左 山本英錬 今治西→松本龍哉 盛岡大附→中野波来 大阪桐蔭
9 捕 佐藤英雄 日大三

P  下村海翔 九州国際大付→常廣羽也斗 大分舞鶴


勝てば16年ぶりのリーグ制覇となるこの試合。劇的な逆転勝ちから一夜明け、試合前には青学ナインにも熱気が感じられた。また3試合ぶりに主将の山田拓也(東海大相模)がスタメン復帰。優勝への布陣は整った。

この日のマウンドには今リーグ大車輪の活躍を見せた下村海翔(九州国際大附)。試合前には緊張した表情も浮かべていた。

先発の下村。9回途中まで8安打を許すも2失点の力投だった

初回の青学大の攻撃は、前日逆転3ランホームランを放った山中稜真(木更津総合)が勢いそのままレフトへのツーベースヒットで出塁し、続く山田がフォアボールを選ぶも後続が倒れ先制とはならなかった。

先発下村も初回、3番の与倉に2アウトからヒットを許すも4番大森を打ち取りしっかりと0で抑えた。その後は両者睨み合いが続き、7回まで無得点で試合は進んでいった。下村も再三ランナーを出すも要所を締め相手に得点を与えない。

1死3塁のピンチも本来タッチアウトに。互いに1点が遠い試合だった

このような試合展開では、僅かなミスが致命傷になる。そんな中で迎えた8回、この回先頭の佐藤英雄(日大三)がデッドボールで出塁すると、計3つの暴投で青学大が先制する。

まさかの形で先制のホームを踏んだ佐藤

思わぬ形で均衡が破れることとなった。さらに頼れる主将山田のタイムリーツーベースで追加点を奪う。

追加点となるタイムリーを放った山田。

このまま2点のリードを守り切りたい青学大だったが、残り2イニングで試練が訪れる。8回裏にヒットで出塁したランナーが内野ゴロの間に生還し、1点差に。9回表は1死満塁のチャンスを作るも2者連続三振で得点を奪えず、最終9回裏へ。優勝まであとアウト3つ。9回のマウンドにも下村は上がった。先頭を何としてでも抑えたいところだったが、いきなり先頭バッターの出塁を許してしまう。さらにエラーも絡み1アウト2,3塁の大ピンチを迎え、下村は降板。

下村は足を引きずりながら降板した

ここで幾度となくチームを救ってきた常廣羽也斗(大分舞鶴)がマウンドへ上がった。しかし、ワイルドピッチで同点とされ、最後はエンドランで3塁ランナーが生還しまさかの逆転サヨナラ負け。あと2アウトのところからまさかの敗戦となった。

苦しい展開で下を向いた常廣。

惜しくも自力優勝はなくなったが、優勝の可能性がなくなったわけではない。次戦青学大が駒大に勝ち、國學大が亜細亜大に敗れると中大との優勝決定戦を迎えることとなる。そういった意味でも次戦の駒大戦を何としてでも勝利で終えなければいけない。16年ぶりの悲願の優勝へ。残された可能性を信じ、最後まで戦い抜いてもらいたい。

(記事=童野翔也、写真=川﨑史緒、渋谷聡志、遠藤匠真、童野翔也)


監督・選手コメント◆

安藤寧則監督

-逆転負けをして、どこが誤算だったか

いえ、誤算はないです。選手たちはよくやってくれているので。

-最終回、先頭から常廣という考えはなかったのか

(下村の)状態を見て、頭からというのはなかったです。

-常廣の状態が悪いというわけではなかった?

ええ、そういうことではないです。

-昨日は5点差を逆転し、今日は逆転されてしまった

そうですね、簡単にはいかないと思っていたんですけど…選手達には良い体験になってほしいし、また他力の部分もあるんでしょうけど、しっかり次の最終戦をやり切りたいという風に思っています。

-選手の硬さなどはあった?

まあ、そんなことはないと思うんですけど。逆に、いい感じで攻められていたし、というのはあったので。ただミスも序盤にあって、ただその裏しっかりゼロに守り切ったりとかして、流れを互いにやらないというところでやっていたので。硬いというよりは、逆にいい攻めが今日に関してはできていたとは思うんですね。

-1点目は暴投が続いて入ったが、その経緯についてどう思うか

互いにプレッシャーを感じながらやっていますので、はい。

-昨日はよい形で一勝して、優勝に王手がかかった。その後に選手に何か話したか

戻って話したのは「あと一勝」というところで。2部からスタートしたチーム、今の4年生は入学したときは2部だったので。そこからあと一勝で2部の時も泣いて、1部昇格してからもあと一勝というところで泣いて(21年秋、僅差で優勝を逃した)、今年の春なんかはあと一勝(すれば入替戦出場回避)という逆の意味で最下位決定戦になって。そこで、まあ苦しいというか、勝利をつかみ取ることが出来ていなかったので、一日一日その思いを持ってやってきたというところで、一緒に明日その一勝をつかみ取りに行こうなという話を(昨日)しました。

-今季試合終盤では常廣の役割が大きかった。今日はああいった形になったが、シーズン通しての常廣に対する評価は

苦しいところでも、春特に経験したり、あとケガに泣いたりだとか色々なことを今までしている中で、その経験・体験を生かして力を発揮してくれているかなという風に思います。ただ今日は結果としてああなってしまったんで、また一回り大きく、もうそれを繋げていくしかないので、でまあこれが東都の厳しさだし、だからこそ選手はこの環境に育てられて飛躍していくんだと思うので、ここをまあ最後つかみ取れるのか、乗り越えられるのかは選手一人ひとりにゆだねられていくと思うので。そういう意味では常廣個人を考えれば、プラスにしていきたいし、よく頑張ってくれていると思います。

-優勝に向け、今までやってきたことを続けるといった形になるのか

そうですね、それを我慢強く続けられるかどうかだと思うので、はい。

-エーアン投手にわずか1安打と抑えられてしまった

4回表の攻撃で4,5,6番が三者凡退に終わってしまった。そこは振らなきゃ、打たなきゃっていう感じに見えたところがあったので、そこだけですかね。同じ三人で終わっても内容が違ったので。そこを除いては結果として1安打でしたけど、内容としてはいいように思っていたので、特に気になっていなかったです。

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