【水泳部】野田佑風堂々の3連覇!闘志を燃やした関東大会

水泳
互いをたたえ合う二人(左・野田、右・内藤)

第97回関東学生選手権水泳競技大会 8月1日~4日 於・東京アクアティクスセンター

◆結果◆
ー8月1日ー
女子400m個人メドレー 第2位 佐藤梨央
女子200m背泳ぎ    7位入賞 澤響花
女子100m自由形    第2位 鈴木莉緒

ー8月2日ー
女子200mバタフライ    第1位 野田佑風
女子4×100mフリーリレー 7位入賞
鈴木莉緒・内藤花音・澤響花・高田深晴
男子4×100mフリーリレー 出場
隈部飛鵬・熊谷修吾・満園瑛・渡辺健士

ー8月3日ー
女子200m個人メドレー     第3位 佐藤梨央
男子200m個人メドレー     8位入賞 熊谷修吾
女子4×100mメドレーリレー 5位入賞
澤響花・佐藤梨央・野田佑風・鈴木莉緒
男子4×100mメドレーリレー 出場
渡辺健士・稲澤駿斗・熊谷修吾・満園瑛

ー8月4日ー
女子50m自由形      第3位 鈴木莉緒
女子100mバタフライ    第1位 野田佑風  8位入賞 内藤花音
女子4×200mフリーリレー 第6位
高田深晴・鈴木莉緒・佐藤梨央・内藤花音
男子4×200mフリーリレー 出場
熊谷修吾・満園瑛・加藤大智・隈部飛鵬


8月1日~4日に東京アクアティクスセンターにて関東学生選手権水泳競技大会(通称カンカレ)が開催された。期待の新人1年生が加わって臨んだ今回のカンカレ。上級生も3連覇を狙う選手がいる中で、青学大水泳部として上位を狙う争いを展開した。そして、部員が一丸となった結果、6名の選手、リレー3種目の合計12個の種目で入賞を果たした。

<8月1日>
初日から決勝進出者が続出した。佐藤梨央(教・3)は400m個人メドレーにおいて3連覇をかけた試合だった。佐藤は泳ぎにおいて後半の伸びが強い選手だ。決勝では惜しくも優勝を逃してしまったが、2位という好成績をおさめた。重圧のかかった試合について佐藤は「あくまで日本学生選手権水泳競技大会(通称インカレ)の前哨戦という感覚で臨んでいたため、正直なところあまりプレッシャーは感じていませんでした」と振り返る。予選を組の1着で通過していた佐藤だったが、決勝で泳ぐときには過去の功績や未来の結果を気にしていなかったのだとか。自分なりのレースを展開しようとする佐藤の姿勢には強い意志が見えた。それは彼女の後半の追い上げとレース終盤の粘り強さにも表れている。佐藤に今後の展望について尋ねると「3連覇を達成することができなかったのは残念ですが、それ以上に、チーム全員が一丸となって戦い抜いたことに誇りを感じています。勝つことだけがすべてではなく、全員が全力を出し切り、成長する過程を大切にしたいと思っています。この結果を次に繋げ、またインカレに向かって進んでいきたいです」と語った。佐藤の思いが詰まった来年のラストチャンスには目が離せない。

女子200m背泳ぎでは初めてカンカレに挑む澤響花(営・1)が登場した。澤は高校のインターハイでは100m背泳ぎで4位の入賞を果たすなど、実力のある選手だ。しかし、実はカンカレの1週間ほど前に新型コロナウイルスに感染しており、試合に向けた最終調整は万全ではなかった。「自己ベスト更新を狙いつつ、楽しむことを目標としていました」と澤は話す。持ち味である水中キックを生かした力強い泳ぎで7位に入賞した。今回の試合に対して澤は次のように話す。「1番の印象は楽しいが強い試合でした。正直結果としては全く納得のいくものではなかったです。しかしそんな中でも楽しいと思えたのは、レース前に多くの先輩とハイタッチを交わしたり、背中を押されたことだと思います。応援してくれてる人が側にいるということを改めて感じた試合でもありました。インカレでは自分でも納得できるタイムや順位、そして何よりも楽しかったと言える試合にしたいです!」

続く女子100m自由形では前半のスピードに強みを持つ鈴木莉緒(教・1)が登場した。鈴木も高校最後のインターハイでは同種目において表彰台に上る等、実力を兼ね備えた選手だ。大学生になって初めての大きな試合だったが、優勝することを目標にしていたという。そんな中、強みを生かしたレースを展開し見事、2位という結果をおさめた。しかし、鈴木はベストタイムが出なかったことを悔しがり、次の舞台へ目を向けていた。「残りの期間で修正したい課題をいくつか見つけることができました。まずはインカレで活躍し、日本選手権でもいい結果を残し、世界で戦うことが出来るような選手になりたいです。水泳部内では、全ての種目で結果を残して、頼られる存在になりたいです」

佐藤の圧巻の泳ぎ

表彰台に登る佐藤

<8月2日>
2日目は女子200ⅿバタフライで野田佑風(営・3)が余裕の泳ぎで組1着で決勝進出を決めた。決勝では、予選を大きく上回る好タイムを叩き出し優勝、そしてベスト更新、さらには昨年に続く大会新記録という素晴らしい結果で大会3連覇を飾った。2日目終盤に行われた4×100ⅿリレーにおいて女子はカンカレ初出場となる1年生のみで編成された。それぞれが力強い泳ぎを見せ、チームベスト更新、6位入賞を果たした。

野田は「決勝前は心臓が飛び出るほど緊張していたが、水中に入ってからは自分のペースで、周りの早さに惑わされないように優勝することだけを考えて泳ぎました」と話す。また、今後の展望については水泳部全体としての闘いだと語る。「この3年目が1番青山学院大学水泳部らしさを見せられると思うのでインカレではさらなる成長を見せられるようにメンバー皆で頑張りたいです」。

女子4×100ⅿフリーリレーの命運は1年生に任されたと言っても過言ではない。全員が1年生という中で、内藤花音(営・1)は「とても楽しくもあり、頼もしかったです。入場前も入場している時も、ずっと喋っていたので、リラックスした状態でレースができました」と不安よりも安心感の方が大きかったのだとか。高田深晴(法・1)は更なる高みについて「息継ぎや前半のラップ刻みなどに意識して頑張りたい」と話してくれた。青学大に誕生した頼もしいルーキーたちがどこまで記録を伸ばしてくれるのか楽しみだ。続く男子で、渡辺健士(法・1)はベストタイムが出たときの泳ぎを見返して当時と同じレースプランで挑もうと考えていたそう。熊谷修吾(営・2)はスプリント力において100m自由形があまり得意ではないと話す。「苦手ということで周りに迷惑をかけないようにと思いながら泳ぎました。他大学の選手に負けず劣らずなスプリント力を身につけて、戦えるようにしていきたいです」とチーム競技ではあるものの、個人としての向き合い方を語ってくれた。

奮闘する青学大男子リレー

青学大を応援する人々

<8月3日>
3日目は初日に結果を残していた佐藤がまたしても女子200m個人メドレーにおいて3位で表彰台に登った。また、男子においても昨年に引き続き、熊谷が男子200m個人メドレーにおいて決勝に進出し、8位入賞を果たした。この日最後のリレー種目にいて、男女ともに4×100mメドレーリレーに出場し、女子において、澤・佐藤・野田・鈴木の4名が強みを生かした泳ぎを見せ、5位入賞という快挙を成し遂げた。

男子個人種目において唯一、決勝に進出した熊谷だったが大会前にケガや病気が続き、十分に練習ができていない状態だった。練習が十分にできておらず、コンディションも不調だったものの、積み上げてきたものを信じて臨んだことで最後まで諦めずに戦うことができたと語る。熊谷の泳ぎの強みは安定感を保ち、周りに惑わされずに自分の力を発揮しきることだ。今回の経験から熊谷は次の試合に向けて次のように話す。「練習ができていないことを言い訳にしていてはいつまで経っても勝てないということも身に染みて実感したので、誰にも負けない努力をし、水泳人生の最大の目標であるインカレにおいて個人で決勝進出を達成できるようにしていきたいです」。そう話す熊谷が完全回復した姿に期待が高まるばかりだ。

この日は4×100mメドレーリレーが行われた。男子において、2年生で初めて長水路のリレーに出場した稲澤駿斗(教・2)は前後半の泳ぎのバランスを意識して1つでも上の順位になり、青学大に貢献できることを目標にしていたと話す。同じく2年の満園瑛(マ・2)も個人で予選落ちしてしまった悔しさをぶつける泳ぎを見せた。今後の青学大男子リレーとして、団体出場権獲得を目指して練習に励んでいくそうだ。女子においては個人種目の悔しさを晴らすべく、澤が奮闘した。「このリレーでは少しでもタイムをあげようと、先輩たちの力もお借りして頑張ろういう気持ちで泳ぎました」。そんな1年生と一緒にチームを組んだ野田は「1年生とは初めて組む試合だったのですが、とても頼りがいのあるメンバーで自信を持って取り組むことができました」と語る。学年関係なく、お互いを高め合うことで士気を高めている青学大。お互いの長所を生かせるメドレーリレーで青学大はどこまで頂点を上り詰めるのだろうか。

平泳ぎをする熊谷

<8月4日>
4日間続くカンカレもラストを迎えた最終日。女子50m自由形において、またしても鈴木が力を発揮し、3位表彰台に登った。また、女子100mバタフライにおいても野田が引き続きバタフライの女王として輝いた。さらに、同種目において青学大にはもう1人、1年生ながら内藤が8位入賞を果たした。最終種目、男女ともに4×200mフリーリレーに出場した。女子において6位入賞を果たし、今大会女子全リレー種目で入賞を成し遂げ、青学大の快進撃に注目が集まる。

1年生として初めて挑んだ大舞台に内藤は高校の頃とは違った、学校で戦うことを意識した大会になったと話す。今大会で活躍した野田と挑んだ試合について尋ねると「うらんさんは、私の憧れの選手です。そんな先輩と一緒に自己ベストを更新して、表彰台に乗りたいという気持ちで泳ぎましたが、私の力不足でした。予選も決勝もとても緊張していたのですが、うらんさんが笑顔で頑張ろうね、と声をかけてくださったおかげで緊張がほぐれました」と野田からいい刺激を受けたという。この経験から「私も、誰かから憧れられるような選手になりたい」と競技に取り組む、熱い思いを見せてくれた。

4×200mフリーリレーにおいて、鈴木は今回の結果を踏まえたうえで「インカレではリレー種目で決勝に残ることが目標です。決勝ではインカレの舞台を十分に楽しみたいです。また、リレーを組むことが上級生や同期との絆を深めるきっかけになればいいなと思います」と目標を掲げた。唯一3年生として出場した佐藤は次のように語る。「今年のリレーが特に強くなった理由の一つは速い1年生たくさん入学してくれたおかげだと思っています。彼女らは入学してすぐに即戦力となりチーム全体を引き上げてくれました。1年生のフレッシュさがチーム内に良い影響をもたらしてくれていて、私もその刺激を受けてより一層努力するようになりました。私たちが上位に食い込むことができたのは間違なく1年生のおかげです。後輩みんな成長がさらに強いチームを築いていくための大きな力となっていると感じています」。3年生と1年生の最強タッグで挑むリレー種目は今後も切磋琢磨し、勢いを増していくだろう。男子においては1年生ながら強みのキックで活躍した隈部飛鵬(総・1)は「先輩たちとインカレへ繋げる貴重なレースでした。大学は高校までと違うこともあるので技術力をしっかり上げて先輩たちを結果で引っ張れるような選手になりたいです」と話した。これから部活内で大きな背中を見せていく1年生の姿にも目が離せない。

1位に輝いた野田

互いをたたえ合う二人(左・野田、右・内藤)

決勝に出場した女子リレーメンバー(左から高田・鈴木・佐藤・内藤)

(記事:四俣蒼夕・関健太郎・中村杏美、写真:四俣蒼夕・関健太郎・中村杏美・小松優奈・藤本紘輝)

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