【硬式野球】特別企画!泉口友汰選手インタビュー

硬式野球

青山スポーツでは、昨年12月に青学大野球部OBである泉口友汰(22年済卒=現読売ジャイアンツ)選手にインタビュー取材を行わせていただきました。そのときの様子を記事にしてお届けします!


 

今でこそ”戦国東都”と称される東都大学野球リーグで1部の王者として君臨する青学大。だが、1部に昇格したのは2020年の秋。しばらくの間は2部を主戦場としていた。泉口は3年間を2部で過ごし、大学ラストイヤーにようやく神宮球場のグラウンドでプレーすることができた。「やっぱり大学野球といったら神宮球場っていうところもあると思いますので。なんとか1部に上がって、と思ってましたし、初めて立ったときはすごく嬉しかったですね。」最後の最後に勝ち取った1部でプレーできる権利。2部での戦いが長かった青学大ナインにとって、この喜びは筆舌に尽くしがたいものだっただろう。「春のリーグ戦の一発目の試合っていうのは、やっと来れた、やっと神宮で試合できるなっていう思いとか、すごい高揚感みたいなのがありながら。サヨナラで勝つことができたんですけど、その試合はすごく印象に残ってますね。」久しぶりの神宮球場での試合となった開幕戦は、泉口の犠飛が決勝点となりサヨナラ勝ちを収めた。チームとしても、泉口個人としても記憶にも記録にも残る勝利となった。

劇的なサヨナラ勝利を収めた青学大

泉口の感じた1部、2部の違いは何か。「1部だと優勝したら上の大会がありますし、2部でも入れ替え戦とかあるんですけど、やっぱり全国大会には2部だと出れないので。そもそもそういう違いがありますし、お客さんの数であったり、球場がそもそも違うので。やっぱり1部でやりたいなあと思ってましたね。」1部優勝校は連盟の代表として全国大会へ出場することができるが、2部から4部の優勝校は入れ替え戦の出場にとどまる。さらに、1部の大学は基本的に神宮球場で試合を行うが、2部から4部の大学は入れ替え戦以外で神宮球場で公式戦を行うことは基本的にはない。これらは泉口にとって1部と2部の大きな違いだった。「ただ、東都リーグはほんとにレベルが高くて。2部と1部の実力の差っていうのはそこまでないのかなと当時から思っていましたし、今でもそうだと思います。なので、3年の秋で1部上がって、4年の春秋やるときは自分たちが勝つことでより東都リーグのレベルの高さっていうのを示していけるんじゃないのかなあっていうのは当時すごく思ってましたね。」現在でも入れ替わりが激しい東都リーグ。そのレベルの高さは泉口の卒業から数年が経った現在でも変わらない。

2部でプレーする泉口

4年生のときにキャプテンを務めた泉口。最初にキャプテンの打診があったときはどのような心境だったのだろうか。「自分がやるのが一番チーム的にはいいのかなっていうふうに3年生の途中ぐらいから思っていたので。下級生の頃から試合に出させていただいてますし、自分が引っ張っていくっていう形がチームとしては一番良いのかなと思ってはいたので。二つ返事でやらしていただきますって言った記憶はありますね。」キャプテンとしてチームを束ねた泉口。大変だったことを問われると、「あんまりなくて。そもそも青学自体そんなに人数が多い大学じゃないので。他校と比べても多分少ない方だと思いますし、みんな下級生の頃から自主性っていうところを大切に練習していたと思うので、ほんとに自分がああだこうだ言うような感じは全くなくて。一人一人が色々考えてやってくれていたので。キャプテンですけど、やりやすかったなっていう思い出はあります。」と、答えてくれた。少数精鋭且つ自主性を重んじる青学大ならではといえるのではないだろうか。

泉口は大学卒業後、社会人の強豪・NTT西日本に進んだ。高卒、大卒でのプロ入りは考えなかったのだろうか。「強豪校と言われるような学校で野球をやらせていただいたのもあって、高校のときにはロッテの藤原(恭大)であったり、中日の根尾(昂)であったり、ジャイアンツにも横川(凱)がいますけど、ほんとにすごい選手が多くて。ある程度どういう選手がプロになっていくかっていうのは肌で感じていたので、自分を客観的に見たときに、すぐにプロに行けるっていう感じではないなと思ったので。大学に進んで、大学から社会人に進んで、っていうビションを自分の中である程度描いてたっていうのはあったので。そこがまあ一番の理由かなとは思います。」高校時代、泉口の一学年下の代は甲子園春夏連覇を果たしたのちに高卒でプロ入りを果たした選手を4人輩出した、まさに黄金世代と呼ぶことができる学年。高卒でプロの世界に飛び込んだ選手たちの力を間近で見ていた泉口は、自分には大学、社会人を経由してプロ野球選手になるという道が合っていると考え、進学を決意した。

高校・大学・社会人を経て、2023年に読売ジャイアンツからドラフト4位指名を受けた泉口。ルーキーイヤーから一軍で試合に出場し、2年目となる今季は自身初となるゴールデン・グラブ賞、ベストナイン賞のダブル受賞を果たした。出場試合数は昨季と比べると2倍近く増加し、飛躍の1年となった。守備力、打力ともに折り紙つきだ。大学時代はどちらの方が得意だったのだろうか。「今でもやっぱり守備っすかね。ずっと。」と一言。「バッティングって打てないことの方が多いんで。3割打ってすごいって言われる世界なんで、7回は失敗するじゃないですか。あんまり面白くないっすよね。失敗の方が多いんで。て、なるとやっぱり守備の方が。もちろんエラーもしますけど、それを減らして、確実にアウトを取っていくっていうところを目指すっていうところではやっぱり、守備の方が僕は好きですね。」と話してくれた。泉口の高い守備力はいつ培われたのだろうか。「大学のとき、すごく守備のことを自分で考えて、上手くなるためにはっていうことでたくさんノックを受けた覚えはあります。」青学大は全体練習よりも、自分で考えて行う自主練習の時間が長くなっている。泉口も「自分に何が足りないのか」を考えて練習に励んでいたという。このような練習の積み重ねで、泉口の守備力は磨かれていった。

内野手陣の中では、2学年下の後輩・手塚悠(24年社卒=現パナソニック)とかなり練習を重ねたそう。「手塚は同じショートでしたし、めちゃくちゃ一緒に練習した思い出があります。」学年に関係なく一緒に練習することができる。青学大の大きな魅力ではないだろうか。「上下関係とかあんまりなくて。下からでも何かあれば意見を言えるような雰囲気のチームだったので。もう、ほんとそれが一番の青学の良さだと思ってます。」

泉口が4年生の春に、凄まじい成績を残したルーキーがいる。佐々木泰(25年コ卒=現広島東洋カープ)だ。「入ってすぐ1年生で、しかも1部の舞台ですごい結果を残していたので、確実にプロに行くんじゃないかなあと思って。1年生ながらすごく頼もしいなと思って見てました。」泉口の目から見ても青学大の選手たちはかなりレベルが高いと感じたそう。「中島(大輔・24年総卒=現東北楽天ゴールデンイーグルス)であったり、佐々木であったり、西川(史礁・25年法卒=現千葉ロッテマリーンズ)もそうですけど、プロに行ってない選手でもほんとに技術の高い選手が多くて。」プロ入りを果たした選手はもちろん、社会人に進み、活躍している選手もかなり多くいる青学大。そのレベルの高さが伺える。

青学大で過ごした4年間で成長したことは何か。「今自分に何が足りないのかっていうところを考えるようになれたっていうのはほんとに、青学で成長できたと思います。今年ある程度結果を残すことができたんですけど、去年の結果を踏まえて、何が足りなかったのか、自分を客観視して、考えて、去年のオフやったので。それがこう繋がっているので。」自分で考えることや自主性を重んじる青学大の練習方針が、プロ野球選手となった今も泉口の中に刻まれている。泉口が今季素晴らしい成績を残した一因となった。

現在、青学大に在学中の選手たちは、泉口とは在学時期が被っていない。だが、時折青学大に挨拶に行くことがあり、卒業してからも青学大の試合は観ているそう。「観ますね。結構僕観る方だと思います。母校愛が強いんで。青学だけじゃなくて、高校も大学も社会人も結構観て、応援することが多いですね。野球が好きなんで。」と笑顔で話してくれた。試合を観た中で印象に残った選手については、渡部海(コ3=智辯和歌山)の名前を挙げた。「1年からずっと出て、ベストナインも常連のように取ってますし。やっぱり1年生で、キャッチャーで、年上の先輩を引っ張ってリードするっていうところもすごいですし。渡部くんの代なんかもうね、優勝しかしたことないってことだよね?考えられないような成績だと思いますし、渡部くんのキャッチャーとして引っ張っていく能力があるっていうところも優勝に繋がっていると僕は思いますし。もうそういうのもね、青学の良さでもあり、下の学年でも遠慮なく先輩を引っ張るっていうこともできる大学だと思うので、良いなと思いますね。」と渡部を絶賛。1年生の頃から試合に出場し、高校、大学で多くの優勝を経験し、来季からキャプテンを務める渡部。同じく青学大でキャプテンを経験した泉口も注目している。

新主将の渡部

先日行われた青学会には錚々たる面々が参加。あまり野球の話などはせず、プライベートの話などをして過ごしたそう。参加メンバーの中には、来季からプロの世界に飛び込む中西聖輝(コ4=智辯和歌山)、小田康一郎(史4=中京)の姿もあった。小田とは、小田が高校生のときに青学の練習に参加していたときに話したことがあったという泉口。来季からは同一リーグでプレーする2人の競演が待たれる。

直近3年間で7人のプロ野球選手を輩出した青学大。対戦してみたい選手は誰かを問われると、「もうみんな。みんなっすね。後輩になりますし、みんなと対戦する機会があると思うので。みんなと対戦して、切磋琢磨しながら青学野球部を盛り上げていけたらなと思ってます。」と話してくれた。直接対決のある投手陣は全員泉口と同じセ・リーグの球団に所属。来季は青学大勢の直接対決が沢山見られることに期待したい。

リーグ7連覇を目指す後輩たちには「6季連続優勝してて、僕らにはわからないようなプレッシャーとかも多分ね。4年生が卒業して、来年また大変な年になると思いますし。簡単に頑張れっていう言葉で終わらしていいのかっていうところはあるんですけど、すごく良い経験は必ずできると思うので。今後の野球人生もそうですし、人生に繋がるような1年になると思うので。OBはみんな応援してると思うので、思い切りやって欲しいなと思います。」とエールを送った。今季リーグ6連覇を果たした青学大硬式野球部と、キャリアハイの成績を残し、飛躍の1年を送った泉口友汰。両者ともに来季も素晴らしいプレーを見せてくれるだろう。

(記事=田原夏野、写真=石岡亮、遠藤匠真、田原夏野)

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