【硬式野球】四冠への挑戦。打線爆発で快勝スタート!

硬式野球

第54回明治神宮野球大会 準々決勝 対日本文理大 11月18日 於・明治神宮球場

◆結果◆
青学大    110  100   230 |8

日本文理大  001 000 102 |4

出場選手
1 中 中島大輔 龍谷大平安
2 三 佐々木泰 県岐阜商
3 一 小田康一郎 中京
4 左 西川史礁 龍谷大平安
5 遊 初谷健心 関東一
6 捕 渡部海 智辯和歌山
7 二 藤原夏暉 大阪桐蔭
8 右 中野波来 大阪桐蔭
9 投 下村海翔 九国大付


ついに幕を開けた第54回明治神宮野球大会。青学大は東都大学野球リーグの春秋連覇を達成し、6月には全日本大学野球選手権を制覇。この明治神宮野球大会で優勝すると大学野球四冠を達成することとなる。過去に四冠を達成した大学はわずか4校で、青学大として初の四冠を目指している。17日に予定されていたこの準々決勝は大雨の影響で延期となり、3連戦の日程に変更となるアクシデントも試合前に起きていた。スタンドには多くの観客が訪れ、応援団が用意したメガホンがスタンドの各所で揺れていた。青学大の先攻で始まった重要な初戦。青学大の1番バッターはリーグ戦と変わらず主将の中島大輔(総4)。ファーストスイングでいきなりセンターの頭を越えるツーベースヒットを放つ。初戦という独特な雰囲気で心なしか硬くなっているチームを鼓舞するような一打だった。そして続く佐々木泰(コ3)がセンター前に弾き返し、打者2人でいきなり先制。試合の序盤から流れを引き寄せる攻撃だった。

ツーベースヒットを放つ中島

タイムリーを放つ佐々木

そして重要な初戦の先発マウンドを託されたのは、先日のドラフト会議で阪神タイガースから1位指名を受けた下村海翔(コ4)である。下村は安定感とゲームメイク能力に優れた投手であり、安藤寧則監督は秋季リーグや全日本大学野球選手権の開幕マウンドを任せるほどである。しかしそんな下村でも初戦とドラフト1位の重圧は大きかった。リーグ戦では少ない四球をいきなり先頭バッターに与えてしまう。しかし次の打者の打席で盗塁を試みたランナーをキャッチャーの渡部海(コ1)が刺殺。女房役が下村を助け、無失点で初回を立ち上がった。

続く2回表、先頭の渡部が四球で出塁し続く藤原夏暉(法2)が意表をつくセーフティバントを決め1,2塁のチャンスを作る。その後2アウトとなり打席には中島。ボール先行となった5球目に放った当たりがピッチャー強襲となり、ボールはレフトへ。その間にランナーが還り2点目を追加した。

タイムリーを放つ中島

さらに4回表、1アウトから中野波来(法4)がヒットで出塁。続く下村が普段リーグ戦では立つことのない慣れない打席で確実に送りバントを決めチャンスを作る。さらに続く中島のヒットで1,3塁とすると打席には初回タイムリーを放った佐々木。放った当たりはサードに飛ぶも、全力疾走と気合いのヘッドスライディングで判定はセーフ。その間にランナーが還り1点を追加した。積み重ねたことを謙虚に奢ることなく全てのプレーを全力で行うという安藤監督のモットーが体現されたプレーであった。

サード強襲の内野安打を放つ佐々木

その後試合が進み7回表、先頭の小田康一郎(史2)がヒットで出塁すると打席には4番の西川史礁(法3)。西川は秋季リーグでは開幕カードでホームランを放つも、その後は苦しみ思うような成績を残すことができなかった。そんな西川はトレーニングを見直し下半身を鍛え直した。その成果が出た打席であった。4球目を体が仰反るようなフルスイングで捉えた当たりはレフトスタンドへ。貴重なツーランホームランとなった。1塁ベースを回ったあとの雄叫びは、長いトンネルから抜け出した証にも見えた。

ヒットを放つ小田

ホームランを放つ西川

先発の下村は内容に対して自分では満足できておらず、調子が良かったとは言えない状態だったものの7回途中まで2失点の好投。安藤監督が評価する「まとめる力」が発揮されたマウンドだった。下村のあとを継いだ児玉悠紀(コ3)は1回1/3を無失点に抑え、リリーフを繋いだ。

好投を見せた児玉

打線は8回表、相手のエラーと四球で満塁のチャンスを作ると、打席には代打の中田達也(社2)。ボールを冷静に見極め四球を選び押し出しで1点を追加。さらに続く渡部があわやホームランというツーベースヒットを放ち2点を追加した。

タイムリーを放つ渡部

9回裏には松井大輔(コ4)が登板。2アウトまで行き着くも、そこから連打を浴び2点を献上する。さらにピンチが続くところで松井から鈴木泰成(社1)にスイッチ。不運な当たりで満塁のピンチを招くも、後続を断ち切りゲームセット。4点差での勝利となった。

リリーフで登板した松井

リリーフで登板した鈴木

試合の序盤は少しチームに硬さが見えたものの、自慢の打撃陣が爆発し大量得点での勝利となった。続く準決勝の相手は富士大。全日本選手権でも対戦し勝利を収めたが、油断ができない相手だ。安藤監督も「春に悔しい思いをして、よりレベルアップをして挑んでくる」と警戒している。富士大は東北三連盟の代表決定戦を下剋上で制してきた粘り強いチームである。そんな強敵をどのようにして青学大が攻略するのかが注目だ。準決勝は19日(日)の第3試合、13時半プレイボール予定である。

(記事=遠藤匠真、写真=家永萌愛・遠藤匠真・川﨑史緒・童野翔也)

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