【ラグビー】女子選手・矢崎桜子の挑戦し続けた4年間 卒業を前に語る想い

ラグビー

今回青山スポーツでは現AGR唯一の女子プレイヤーである矢崎桜子(比4=関東学院六浦)選手にインタビューを行い、この春の卒業を前に4年間を振り返っていただきました。
AGRの練習に参加する傍ら、女子ラグビーの社会人チームである横河武蔵野Artemi-Starsの一員としてもプレーし、女子セブンズ日本代表のキャプテンを務めた「HSBC SVNS 2026 ドバイ大会」では男子セブンズ・女子セブンズを通じて史上初の3位入賞を果たすなど幅広く活躍を見せてきた矢崎。これまで歩んできた道のりとその想いを熱く語ってくれました。


 

AGRの一員として過ごした4年間を振り返り、どのような心境でいますか

矢崎:挑戦し続けた4年間でした。
自分より大きく、速く、強い選手たちの中に飛び込むことは、簡単な決断ではありませんでした。周りは男子選手で、ラグビー面でもできることに大きく差があるし、「自分がここにいていいのかな」と迷う日もありました。
それでも、あの環境に身を置いたからこそ、成長することができたと感じています。
逃げずに向き合い続けた時間は、間違いなく私の土台になっています。

大学のラグビー部に所属し、プレーを続けるという選択をした理由は

矢崎:世界と戦うためには、海外の大柄でスキルの高い選手たちを想定した環境が必要だと考えました。自分よりもフィジカルもスピードも上回る選手たちと日々トレーニングを積むことこそが、成長への一番の近道だと感じていたからです。
そこで出会ったのがAGRでした。女子選手の受け入れ実績があり、男子トップレベルの環境で本気でラグビーと向き合える。この環境に身を置けば、必ず自分は強くなれる。そう確信し、入部を決意しました。

女子ラグビー部のある大学ではなく、他大でも女子選手を受け入れているチームがある中でもAGRを選んだ決め手は

矢崎:実際に練習を見学した際、選手同士の距離の近さや、真剣さの中にある明るい雰囲気に強く惹かれました。「ここでラグビーがしたい」と直感的に思ったのを今でも覚えています。強くなれる環境であることはもちろんですが、心から信頼できる仲間と切磋琢磨できる場所であると感じたことが、AGRを選んだ一番の理由です。

2025アジアシリーズ中国大会では女子セブンズ日本代表の優勝に貢献した
提供:青学大ラグビー部

AGRの練習にはどのような形で参加していましたか

矢崎:普段はハンドリング、フィットネス、軽めのコンタクト練習まで男子選手と同じメニューに参加していました。
インディビジュアルの時間には、仲間に協力してもらいながら1対1のステップ練習など、7人制で求められる個人スキルの向上に取り組んでいました。

仲の良かった、あるいは影響を受けたAGRの選手はいますか

矢崎:特定の一人というよりも、日々本気でラグビーに向き合う選手全員から影響を受けました。
印象に残っているのは、怪我をしても腐らずリハビリに取り組み続けていた選手の姿です。グラウンドに立てない時間も、誰よりも声を出し、誰よりもチームのために動いていました。その姿を見たとき、「強さはプレーだけではない」と気づかされました。

AGRの選手たちは矢崎選手にとってどんな存在ですか

矢崎:戦友のような存在です。
遠征先や合宿中でも、AGRの試合結果や活躍を見るたびに胸が熱くなります。「自分も負けていられない」「もっと強くなりたい」と自然と思わせてくれる存在です。
彼らが全力で戦う姿は、私の大きな刺激であり、成長の原動力でした。

AGR同期との集合写真
提供:青学大ラグビー部

日本代表チームの合宿は年間約200日にも及ぶと聞いていますが、クラブチーム、AGRでの活動との両立という点ではどのような苦労がありましたか

矢崎:一番難しかったのは「気持ちの切り替え」でした。
日本代表では世界基準でのプレーが求められ、AGRやクラブチームではチームの一員としての役割があります。それぞれで求められる責任や立場が異なる中で、自分の在り方を常に考え続ける必要がありました。合宿で長期間不在にすることへの申し訳なさや、戻ってきた時の立ち位置の難しさを感じることもありました。
それでも、この環境を選んだのは自分自身です。
だからこそ、どちらにも本気で向き合うと覚悟を決め、限られた時間を最大限に使う意識を徹底してきました。

さまざまな苦労の中で支えとなった存在は

両親の存在です。
5歳でラグビーを始めてから今日まで、どんな時も一番近くで支えてくれました。結果が出ない時も、怪我で苦しい時も、変わらず味方でいてくれました。挑戦を続けられているのは、間違いなく家族の支えがあるからです。心から感謝しています。

矢崎選手にとってAGRとは

私にとってAGRは、挑戦を肯定してくれた場所です。男女関係なく一人の選手として向き合ってくれる。その姿勢がとても嬉しく、安心して挑戦できる環境でした。久しぶりに顔を出しても、同期や先輩、後輩が変わらない空気で迎えてくれる。自然と輪の中に戻れる温かさがあるチームです。
この環境があったからこそ、迷わず挑戦し続けることができました。AGRでラグビーができたことを誇りに思っています。

AGRの後輩、そして進路に悩む女子ラグビーの選手たちへ伝えたいことはありますか

矢崎:「境界をつくらない強さ」です。
女子だから、背が低いから、経験が浅いから、そんな枠にとらわれず、自分の可能性を信じて挑戦してほしいです。私はラグビー人生の中で何度も壁にぶつかりましたが、その一つひとつが確かに自分を成長させてくれました。環境や肩書きに関係なく、「やりたいから挑戦する」という純粋な気持ちを持ち続けることの大切さを、伝えたいです。

今後の目標と展望を聞かせてください

矢崎:私の目標は、2028年ロサンゼルスオリンピックで金メダルを獲得することです。
AGRで得た「挑戦し続ける姿勢」を武器に、これからも世界のトップと戦い続けたいと思います。

 


 

これまでに数多くの困難や課題に向き合い、乗り越えてきた矢崎。2028年ロサンゼルスオリンピックでの金メダル獲得という目標に向かって彼女は挑み続ける。

ホームである相模原グラウンドをバックにした一枚
提供:青学大ラグビー部

(記事=遠藤千果)

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