昨年、リーグ戦6連覇と大学三冠を達成した青学大硬式野球部。三冠の原動力となった選手が残り、新戦力が加入した今年、掲げる目標は大学四冠達成とリーグ7、8連覇。頂点を見据え、チームは歩みを進めている。今回より全3回にわたり、新チームを引っ張る主将・副主将の3人にラストイヤーへの思いを聞いた。第2回の主人公は青学大の新エース、鈴木泰成(社4=東海大菅生)だ。
鈴木は昨年を振り返り、「全日本で負けて四冠を逃してしまったところはすごい悔しい。」と語った。印象に残る試合にもやはり全日本大学野球選手権準々決勝の東北福祉大戦を挙げ、「自分も打たれてしまいましたし、チームとしても力負け。あのチームとしての初めての挫折というか、試合だったので。」と悔しさを滲ませた。一方で「先発も経験できましたし、大学日本代表の中にも入って、すごい高いレベルで揉まれながらやることができて、個人としては成長もしながら、いい経験ができた。嬉しい思いも悔しい思いもして、いい経験ができた1年間だった。」と収穫も口にする。

全日本大学野球選手権の東北福祉大戦で登板した鈴木
新チームでは副将に就任。「ピッチャーリーダーというところと副キャプテンというところなので、まずは自分のピッチングで背中で見せる。自分が投げた試合は全部勝つというところと、先発で投げるということはもちろんん、2戦目、3戦目だったり、チームが苦しい場面で引っ張っていく存在として、大黒柱として活躍できたら。」と力を込めた。普段は感情を出さずに淡々と投げ込むが、「みんなの前でこう大きく言うとかいうよりも、結構会話はする方なので、小さな会話の中で質問だったりアドバイスだったりとかをすることで、ピッチャー陣全体のレベルアップというか、そういうところは積極的に自分から声掛けるようにしてやってるんで、背中で引っ張るっていうところと、うまく下からの意見を何気ないところで拾うというか、そういうのも自分では大事にしている。」と語る。背中で示す姿勢と同時に、細やかなコミュニケーションも重視している。

大学日本代表に選出された
昨年は先発、救援と様々な場面でチームを支えたが、「先発経験が浅く、カウントの整え方や、球数が多くなってしまうところがある。一番はコントロールというところが課題。」と自己分析。「冬に取り組んできた成果をしっかり出したい。」と新エースとしての自覚をのぞかせた。自信の強みについては、「ピンチや負けたら終わりの場面、プレッシャーかかるような試合でも動じず、いつも通りというか、それ以上のピッチングができるところ。」と分析。「1戦目は本当に落とせない大事な試合だと思うので、そこでの強気のピッチングというか、そこが持ち味。」と意気込む。
鈴木にとって今年はドラフトイヤーでもある。「意識したくはないんですけど、多少はしてしまう。」としながらも「ドラフト1位で行くという目標で大学に入ったので、そこはブレずにできてるんですけど、最上級生になった今は、逆にドラフトということよりもチームを勝たせるというか、チームが10連覇っていう目標がある中での7連覇目、8連覇目なので。チームを勝たせるというところが一番」と強調する。「チームが勝ったら自ずと自分が勝ってるかなと思っているので、そこで自分が勝つこと、チームが勝つことで、自然にいい評価をしていただければ。」とあくまでもチーム第一の姿勢を貫く。
青学大OBの中西聖輝(26年コ卒=現中日ドラゴンズ)をはじめ、佐々木泰(25年コ卒=現広島東洋カープ)、西川史礁(25年法卒=現千葉ロッテマリーンズ)ら先輩たちが開幕からプロで活躍していることも大きな刺激になっている。「青学の先輩方もそうなんですけど、大学日本代表でやった先輩方だったりもいきなり試合出て活躍したりしてて、その選手たちと一緒にやれていたっていうのはすごい財産と言いますか、自信にもなりますし、自分もそのレベルまで行けるっていうのはすごく感じているので、刺激になりながら、自分も負けないようにやりたいなと思っている。」と語る。中でも中西との関係については、「自分が2年生、中西さん3年生の時から先発、抑えで多くの試合投げて、中西さんが1戦目ダメだった時に自分が2戦目投げたりとか、すごい競い合ったと言いますか、色んなアドバイスももらいながら、すごい成長させていただいたので、そこはすごい、一番印象に残っているというか、思い入れはある。」と振り返った。

中西からは多くを学んだ
新チームについては「リーグ戦を経験している選手が少ない点が課題。」としつつ、「その反面、怖いもの知らずと言いますか、すごい積極的にプレーする選手も多いですし、初めての経験の選手が多いので思いっきりぶつかって行けるかなっていうのはあって、チームの中でも日本一とか優勝とかは前のチームがしたことというか、自分たちはしてないっていう思いでやれてるんで、失うものとかを考えずに思い切ってプレーできるのが強み。」とフレッシュなチームならではの特徴がを前向きに捉える。
今季注目の選手には新井瑛太(社1=滝川)を挙げ、「オープン戦、凡退した日ないんじゃないかっていうぐらいずっと打ってますし、すごい攻守ともに活躍してくれてるんで、すごい大事な存在になるかなと思う。」と期待を寄せた。さらに同じ投手として山田玲(コ1=浜田)にも触れ、「持ってるものすごいいいですし、冷静に投げれるというか、1年生とは思えないぐらいのものを持っていて、入ってきた時からずっと投げてるので、いい活躍をしてくれるんじゃないかなと思う。自分も負けないように頑張りたいっていう思いも込めて。」と新戦力に寄せる期待は大きい。
青学大野球部の7連覇、そして大学四冠へ。その中心を担うのが新エース鈴木だ。昨年の悔しさと手応えを糧に、背中でチームを導く覚悟はできている。副将として、そしてエースとして迎える今季、強気の投球で勝利を積み重ね、その先にある頂点を見据える。
(記事=戸田隼人、写真=田原夏野・山城瑛亮・戸田隼人)


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