第72回全日本大学野球選手権大会 2回戦 対国際武道大 6月6日 於・東京ドーム
◆結果◆
青学大 １０１ ０００ ３００｜５
武道大 ０００ １００ ０００｜１
◆出場選手◆
１ 中 中島大輔 龍谷大平安
２ 三 佐々木泰 県岐阜商業
３ 一 小田康一郎 中京
４ 左 西川史礁 龍谷大平安
５ 指 松本龍哉 盛岡大附
６ 二 藤原夏暉 大阪桐蔭
７ 捕 渡部海 智辯和歌山
８ 遊 初谷健心 関東第一
９ 右 谷口勇人 大阪桐蔭→中野来波 大阪桐蔭
P 下村海翔 九州国際大付→松井大輔 県岐阜商業
17年ぶりの快挙から約3週間。6月6日、東京ドームの地で、青学大の全日本大学野球選手権大会が開幕した。久々の全国大会でも青学大は怯むことなく初回から猛攻を見せ、初戦突破を果たした。
試合前円陣を組む青学大
先攻の青学大は、初回から自分たちの野球を繰り広げる。
頼れるキャプテン、中島大輔 (龍谷大平安)が先頭でライトへのヒットを放ち出塁すると、春季リーグで打点王に輝いた小田康一郎 (中京)がタイムリーヒットを放ち先制。大きな大きな先制点をもぎ取った。
先頭出塁を果たした中島
先制のタイムリーヒットを放った小田
初戦の重要なマウンドを任されたのは、春季リーグで松井大輔 (県岐阜商)に続きリーグ2位の防御率を残し、先発として十分な結果を残した下村海翔 (九州国際大付)。ストレートと多彩な変化球を織り交ぜ、前日、広島経済大学にコールド勝ちを果たした強力武道大打線を3回までノーヒットに抑える。
先発のマウンドに立った下村
3回表、またしても小田がセンターへのヒットを放ち出塁すると、春季リーグで初のMVPを受賞した西川史礁 (龍谷大平安)がタイムリーヒットを放ち1点追加。全国大会の舞台でも、4番としての起用に応える素晴らしい活躍を見せた。
追加点のタイムリーを放った西川
4回裏、ここまで相手打線をノーヒットに抑えていた下村が連打を浴びると、続く打者に四球を与え無死満塁のピンチを迎える。しかし、ここで下村の本領が発揮された。マウンド上で笑みを浮かべるほどの落ち着いた投球で、このピンチを僅か1失点で切り抜ける。チームのリードを守りきり、6回を投げて被安打4、6奪三振と先発としての役割を果たした。
ピンチを迎えマウンドに集まるバッテリーと中野コーチ
中盤、相手に押され気味な展開が続く中、試合が再び動いたのは7回表であった。前の回から途中出場していた副将の中野波来 (大阪桐蔭)が一死から四球で出塁すると、佐々木泰 (県岐阜商)のレフトへのヒットで一死一三塁のチャンス。ここで打席には、絶好調の小田を迎えた。小田は初球のストレートを捉え、振り抜いた打球はライトスタンドの中段へ一直線。3ランホームランが飛び出し、武道大を突き放す。小田はこの日4打数4安打の猛打賞で、サイクルヒットにも迫る活躍を見せた。
鋭い選球眼で四球を選んだ中野
ヒットでチャンスを広げた佐々木
3ランホームランを放った小田
7回以降は松井が登板した。春季リーグ最優秀防御率のタイトルを獲得し、リーグ戦中は安定感抜群のリリーフとして優勝に大きく貢献した松井は、全国の舞台でも持ち前のキレのあるストレートを武器に相手打線を封じ込める。最終回は三者連続三振で試合を締め、試合終了。青学大は17年ぶりの全国大会でも全員野球を体現し、全日本大学野球選手権の初戦をものにした。
安定感抜群のリリーフを見せた松井
全国各地のツワモノが揃う全日本大学野球選手権大会。慣れない会場や緊張で調子を狂わされることなく、下村・松井ら鉄壁投手陣に小田ら強力打線が爆発する「いつも通り」の野球で勝利を手にした青学大。全国でも通用する強さを実感したと同時に、青学ナインに頼もしさを感じるゲーム内容であった。
主将・中島が新体制始動時から常に口にしてきた日本一という目標に向かって、チームは着実に歩みを進めている。次戦は8日14時から、中部学院大学との準々決勝が待っている。ホームグラウンドである神宮球場に戻り、青学大がどんな野球を見せてくれるのか、日本一に向けて突き進む姿から目が離せない。
（記事=川﨑史緒、写真=遠藤匠真・川﨑史緒・童野翔也）
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