【シリーズ】選手に問う、大学スポーツの現状 第2回女子バレーボール部目黒主将 厳しい環境下でも前を向く女子バレーボール部

女子バレーボール

新型コロナウイルスの影響で、大学生の部活・サークルも活動自粛となりました。青山スポーツでは、大変な状況の中で選手の本音に迫りたいと思い、インタビューを決行しました。第2回目は女子バレーボール部の目黒安希(総4)主将。春季リーグ戦、東日本インカレの中止、活動自粛を受けての思いを伺いました。

―活動自粛になる前に新チームが始動された思うんですが、どのようなかたちで始動しましたか?

昨年12月,チーム内でミーティングを行い、今年度の方針や目標を話し合いました。今年は後輩により責任感を持ってもらうこと、そして同級生の中でも鼓舞しあえる関係を築くことを狙い、後輩の中から副キャプテンを選出しました。従来とは違った体制で新しいチームがスタートしました。

―なるほど。昨年の反省を活かして新たな試みに出たということですね。新チームで掲げた目標は具体的には何ですか?

もちろん、日本一を獲ることです。全日本インカレの決勝の舞台に行き、全員が関わりあうバレーボールをすること。一本一本のプレ―に対してワクワクする、そういった環境を作っていこうと話しあいました。あくまでシーズン戦は全日本までの過程と捉え、目の前のことを一つ一つしっかりやり切る。去年のように四冠を狙うというよりは、最後のインカレで日本一を狙うことに焦点を置いています。

 オンライン取材を快諾してくださった目黒主将との取材の様子

ー活動自粛になってからはどのような状態で活動をしていますか?

5月中旬から全員でオンラインを用いて、トレーナーさんの指導の下、トレーニング練習を開始しました。それでもやっぱり、 こんな状況なのでみんなで集まってボール練習はできないですね。 たまに自分でボール触ったりはするんですけど 、 それも満足にはできないです。3カ月程全員で集まっては練習できていないのが寂しいです。

―オンライントレーニングの時は監督さんやマネージャーさんたちは見ていらっしゃるのですか?

 監督もマネージャーも全員で一緒にトレーニングしています(笑)かなりキツイサーキットとかやりますよ。

      取材中笑顔も見せてくださった目黒主将

―正直、普段通り練習できなくなってからのモチベーションはどうですか?

オンライントレーニングが始まる前まではLINEを用いて5人くらいのグループ作り、毎日お互いの現状を報告しあっていました。それでもやはり一人ではモチベーション上がらない日々が続いていたと思います。しかし、トレーナーさんがこのように全員でトレーニングする機会を設けてくださってからは毎日、モチベーション高く練習できています。オンライン上でやることも新鮮だし、なんていうか、みんな純粋に楽しんでやっているな、と見ていて思います。

―限られた環境でも新たな発見があり、それがまた一つ成長するということにつながっているんですね。ありがとうございます。目黒選手はお家で過ごす時間が増えてからは、何か生活スタイルの変化などはありましたか?

家で過ごすようになってからも毎日、トレーニングは欠かさずやっています。それと、今までやってこなかった体の使い方を監督さんから教わったり、自分で分析したりもしています。あとは、個人的な話なんですけど、最近は就活で少々忙しかったです(笑)でも今は早くみんなでバレーボールをしたいという気持ちでいっぱいですね。

―大学生最後の年に様々な大会が中止になっていく現状を正直、どう思いますか?

春季リーグ戦がなくなってしまったときは正直、しょうがないかなと思っていまいした。しかし、東日本リーグまでなくなってしまったときは抑えきれない悔しさが湧き上がってきました。そして、このまま秋季リーグ、インカレまでなくなってしまったらどうしようという“不安”が襲ってきました。 同期の中でも今までなかなか試合に出れなかった選手たちもいます。今年にかけていた思いは人一倍強いものです。だからこそ余計にやるせない気持ち、どうしようもない悔しさがあります。もちろん、その悔しい気持ちは他大の人たちも同じです。だからこそ今思うことは、開催予定の二つの試合(秋季リーグ戦、全日本インカレ)をどうしてもやりたいという想いだけです。そして、開催された際には死ぬ気でやっていきます。“何としてでもやらせてほしい”今はそう祈り、開催されたときに大爆発できるよう準備していこうと思います。

 

―最後に、開催予定である秋季リーグに向けて一言

まずは“やりたい”という想い、そして開催されたときには絶対に優勝するという想いにつきます。7月1日から少人数ではあるんですけど、練習が再開します。まずは基礎練習や、この状況の中でもできることをしっかりやっていきたいと思います。全員で練習できるのは8月半ばになると思います。皆でできるようなった際には、まず全員でできることに感謝し、一回一回の練習を今まで以上に大切にしていきたいです。そして、大会で今まで抱えた思いのすべてを爆発させていきたいです。

  アタックを打つ目黒主将(2019年秋季リーグ松蔭大戦)

次から次へと大会の中止が決定されていくことへの悔しさにはやはり、選手達自身にしか分からないものがある。いくら我々が声援を送ろうが、励まそうが選手達が受けた悲しみは簡単にぬぐいきれるものではない。しかし、厳しい状況下にあってもしっかり地に足をつけ、前を向いている選手達の姿があった。 選手達は変化する環境に最初は戸惑うことが多くあるだろう。しかし、与えられた限られた環境のなかで、新たな気付き、発見をし、成長を続ける選手達。秋季リーグ戦、全日本インカレの開催を心から願うとともに、彼女達の魂がこもったプレー、そして何より満開の笑顔をみれることを期待している。

 

(聞き手 鈴木美衣)

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