第71回 秩父宮妃賜杯全日本バレーボール大学女子選手権大会 対筑波大 12月1日 於船橋アリーナ
♦結果♦
●青学大1-3筑波大○
第1セット 17-25
第2セット 25-16
第3セット 23-25
第4セット 27-29
♦メンバー♦
1, 谷島花虹
2, 小原凜乃
3, 鉾久香凛
4, 渡邉百香
5, エドックポロかれん
6, 奥山日香里
7, 高橋美鈴
8, 井上美虹
9, 鷲谷夏希
10, 藤森こころ
11, 岸川蘭
13, 佐村真唯
14, 永井楓
15, 木原未稀
16, 平ヴィヴィアンチディンマ
17, 中田愛那
18, 木下結稀
19, 扇谷葵衣
20, 松本澪奈
21, 伊藤鈴夏
22, 西澤希愛
23, 𡈽橋由里子
24, 河本菜々子
25, 平根彩雪
26, 齋藤未来
12月1日、船橋アリーナで行われた全日本インカレ決勝。宿敵である筑波大との1戦。デュースにもつれ込むが1歩届かず準優勝という結果に終わった。
♦第1セット♦
「楽しむぞー!!」コートに響く明るい声。このチームでプレー出来る時間は残り少ない。そんな中でも気負うことなく楽しんでバレーをしよう、そんな気持ちがこもった声だった。ゲーム開始後から相手に離されることなく1点1点、着実に積み重ねていく。相手にどの攻撃が読ませないようなゲーム作りをしていくのは司令塔である河本菜々子(史1)。トスを散らしながら攻撃を続ける。しかし終盤、連続得点を許してしまいなかなか自分たちのリズムを作ることが出来ず第1セットを落としてしまう。
♦第2セット♦
序盤から厳しい展開に。自分たちの力で得点することができず、相手に5連続得点を許してしまう。しかしレフトプレーヤーとして攻守の要を務める佐村真唯(史3)が魅せる。レフトからの力強い攻撃で得点し、サーブ権を青学大に持ってくると、際どいコースを狙ったサーブで相手のミスを誘う。また、センターからのバックアタックも決め3連続得点。なんとか追いつく。中盤には谷島花虹(営4)がボールを真下に叩き落とすブロックを決めチームを鼓舞。4年生として、主将としてチームを引っ張ってみせた。25点目は高橋美鈴(総4)が目の醒めるようなスパイクを放ち、このセットを手にした。
♦第3セット♦
高橋と𡈽橋由里子(法1)を中心に強打とフェイントで強弱のついた攻撃を展開し、得点を重ねる。連続得点されても諦めることなく繋ぎ、テンポを作っていく。しかし中盤でつけられた点差を埋めきることができず先に筑波大が20点台へ。エドックポロかれん(比4)がスパイクで連続得点を決め、流れを切るも相手の猛攻をしのぎ切れずこのセットも落としてしまう。
♦第4セット♦
セットカウント2−1。このセットを落とせば敗北が決まってしまう勝負の第4セット。なんとか喰らい付いていたが、ネット付近にあがったボールを叩かれてしまい、流れが相手へ。しかしここで対角コンビ 佐村・𡈽橋の連携が光る。守備が乱れたが佐村が上手くフォローし攻撃に繋げ、𡈽橋がストレートコースに打ち切り自分たちのペースに。相手も堪らずタイムを取るが、お構いなしとでもいうかのように𡈽橋がサーブで乱し、佐村がダイレクトアタックを決め点差をつける。シーソーゲームが続き、20点台へ。セットポイントを先に相手に握られてしまうが、青学大らしい「泥臭さ」を発揮しなんとかデュースに持っていく。攻撃を懸命にし続けるも相手へチャンスボールが返ってしまう。待っていたかのようにライトからクロス方向へスパイクを決められてしまい29点目は筑波大の手に。1歩届かず負けてしまったが2018年以来6年ぶりの準優勝を果たした。
♦試合後インタビュー(谷島選手)♦
~インカレ優勝を掲げていたなかで、今回の結果をどのように振り返りますか?
私自身4年間それぞれのチームで日本一を目指して取り組んできたものの一度も届かずという結果で終わってしまいました。目標を達成できなかったことに変わりはありませんが、大学カテゴリーで優勝、決勝のコートすらも経験したことが無いメンバーで、日本一を目指してもがいてここまでこれたことは間違っていなかったと思うし、そこに後悔はありません。
~最終で筑波大との一戦、どのような気持ちで闘われましたか?
相手は、二連覇がかかっていて、この場を複数回経験しているメンバーが揃っていました。それも含め、私たちが簡単に勝てるわけはないというのは承知の上で勝つためにここまでやってきた。どんな状況も先に攻めて、青学バレーで戦おうという話をし試合に入りました。 しかし、粘ってラリーにしても精度の高い攻撃力に圧倒される場面が多くありました。試合をしている途中は、相手を優勢に感じることはなく、うちはうちの強みをと思って戦い続けましたが、終わってから振り返ると自分たちの足りない部分や、まだまだできたのかもと思えるところがあるのが正直なところです。
~皇后杯でのチームでの目標をお教えください。
出し切る。やり切る。勝つ。 このチームでできる試合は何があってももう最後。ですが、最後だから楽しいだけの試合をという考えは全くありません。相手がプロのチームであろうと、どんな状況でも、どんなチームにもということを一つ掲げてスタートしたからこそ、それを試すチャンスだと思っています。どれだけやっても、全カレでの悔しさを書き換えることはできません。だからこそ、あの日の悔しさを力に変えて一本に一点に想いを込めて、噛み締めて、全員バレーでわたしたちの集大成を飾りたいと思っています。
~今後の進路について、差し支えがなければお教えください。
エアライン業界
~来年度のチームについてどのように感じていますか。
監督はじめ、スタッフがガラッと変わるため、本当の意味での新体制となります。それだからという訳ではありませんが、どんなチームになるのか楽しみにしています。現在時点でも、いろんなメンバーで戦える面白いバレーを展開できることと思いますし、最上級生になる三年生がそれぞれ違った強みを持っていると思っているので、それを十分に発揮して青学バレーを更新していってくれることを楽しみにしています。
~4年生としての今回の思いを次の学年にどのように託したいですか?
ここまでの1年間、四年生ながらも後輩のみんなにたくさん支えられ、助けられてきました。だからこそ、最後はありがとうの気持ちと、残る後輩のみんなが次の一歩を踏み出すためのきっかけを何か一つでも残したいと思っています。昨年の天皇皇后杯ファイナルでプロのチームとフルセットの試合をし、そこでの私たちのやりたいバレーを体感できたこと、それが今年のチームのスタートラインになりました。これは私たちの先輩が最後に残してくださったものです。私たちも先輩方のように、次のチームに言葉ではなく体現する行動、試合で残せるよう専念します。
1人が得点を決めれば全員が自分のことのように喜び、その姿は客席まで笑顔にさせてくれた。良いプレーが出ると控え選手たちに向かって「見たか!」というような仕草でポーズを決め相手もそのポーズを笑顔でし返す、そんな微笑ましい場面が何度もあった。「楽しむぞ」その言葉通りの試合となっていた。敗北という結果にはなったが大会に出場していたどのチームよりこのメンバーで戦えることを喜び、楽しんでプレーしていた。優勝という目標は4年生が出場する最後の大会である令和6年度天皇杯・皇后杯全日本選手権大会で果たしてもらいたい。
(記事=中村杏美 写真=家永萌絵、中村杏美)
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