【硬式野球】2部時代から全国の頂点へ~4年生インタビュー⑤松井大輔~

硬式野球

大学三冠の快挙を成し遂げた今年のチームの4年生は、先日の明治神宮野球大会で青山学院大学硬式野球部を引退しました。青山スポーツでは4年生全15名にインタビューを行い、この4年間を振り返っていただきました。最上級生としてチームを牽引してきた選手・スタッフの皆さんの熱い言葉を全10回に渡ってお届けします。

第5回は松井大輔(コ4)選手編です。


松井は今シーズン、ドラフト1位コンビの下村海翔(コ4)と常廣羽也斗(法4)とともに投手三本柱としてチームを支えた。春季リーグには主にリリーフとしてフル回転。初のタイトルとなる最優秀防御率を獲得した。しかしそれまでの道のりは決して平坦なものではなかった。

松井は4年間を振り返って「いいこともあり悪いこともあり、本当に成長できた4年間だった」と話した。県岐阜商から入学をした松井だが、1年次の春季リーグはコロナウイルスの影響で中止。秋季リーグでは5試合に登板し防御率0.56をマーク。チームの1部昇格に貢献し、上々の大学デビューを飾った。しかし2年次以降は春季リーグでは8試合に登板するも、それ以降は登板数が激減した。松井は1年次の活躍で「プロも狙える」という自信をつけていた。しかしその後は大学野球でもトップクラスのレベルの高さを誇る東都大学野球リーグの壁に当たった。自身の気持ちはどん底まで落ち、一時期は野球を続けるかどうかということでさえ考えた時期もあった。しかしある時その気持ちを全てリセットし、0に戻すことができたという。そこからいいものを積み上げていくことができ、4年次春のタイトル獲得へと繋がったのだ。

1年次の松井

4年間で一番印象に残っていることとして、全日本大学野球選手権での優勝を挙げた。4年生は唯一2部リーグを経験している世代である。そんな世代が神宮の切符を手に入れ、日本一に上り詰めたことはシンデレラストーリーと言っても過言ではない。松井も「2部時代から想像できなかった」と話す。1年生から試合に出場し、2部リーグで経験を積んだ松井。「頑張ってきて本当によかったと思った」と感慨深そうに振り返った。

全日本大学野球選手権準決勝、最終回でピンチを抑え切った

松井は青学大野球部は「自分が変わるきっかけ」になった存在であると話した。大学は社会人になる前の最後のステップである。そのステップで4年間仲間と共に切磋琢磨し、野球と人間性を共に成長させてきた。「野球も100、勉強も100、遊びも100」が安藤監督のモットーである。そんな環境下で過ごした4年間は松井にとってかけがえのないものだっただろう。

春季リーグでは胴上げ投手に

期待の後輩としては佐々木泰(コ3)を挙げた。佐々木は県岐阜商出身で、松井の後輩である。佐々木も1年次に6本塁打を放ち鮮烈なデビューを飾った。投手と野手で違いはあるものの、松井と重なる部分は多い。佐々木は今年初めて大学日本代表に選出された。そんな実績も踏まえて「下村常廣に続いてドラフト1位になってほしい」と後輩の活躍を願った。

松井(左)と佐々木

松井は後輩に「四冠は任せた!」と力強いメッセージを残した。あと一歩のところで潰えた大学四冠の夢。その夢は佐々木をはじめとした多くの後輩に託された。松井は卒業後NTT西日本で野球を続ける。青学大での4年間の経験を活かし、松井は社会人野球のマウンドで腕を振り続ける。

(記事=遠藤匠真、写真=遠藤匠真・石岡亮)

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