【硬式野球】悲願のリーグ制覇達成!全員野球で掴み取った17年ぶりの優勝は4本塁打二桁得点の快勝!

硬式野球

東都大学野球 春季1部リーグ 対國學大 第2回戦 5月17日 於・明治神宮球場

◆結果◆
青学大 400 122 001|10
国學大 000 001 000|1

出場選手
1 中 中島大輔 龍谷大平安
2 三 佐々木泰 県岐阜商業
3 一 小田康一郎 中京
4 左 西川史礁 龍谷大平安
5 指 松本龍哉 盛岡大附
6 遊 初谷健心 関東第一→中野波来 大阪桐蔭
7 捕 渡部海 智辯和歌山
8 二 藤原夏暉 大阪桐蔭
9 右 大手晴 横浜→手塚悠 常総学院

P 常廣羽也斗 大分舞鶴→松井大輔 県岐阜商業


突き刺すような日差しが降り注ぐ中で行われた第4節2戦目。開幕初戦の1敗以降負けなしの青学大は、優勝が懸かった一戦のプレッシャーをものともせずに打線が爆発。投手陣の好投も光り、17年ぶり、悲願のリーグ制覇を果たした。

試合前の円陣からいつも以上に気合が入っていた青学大は、初回から打線が奮起した。最強リードオフマンの中島大輔(龍谷大平安)が初回からヒットを放ち出塁。さらに盗塁を決めると、続く佐々木泰(県岐阜商業)からもヒットが飛び出し、いきなり無死一三塁のチャンスを迎える。ここで打席には、現時点でリーグトップの打点を誇っている小田康一郎(中京)。セカンドゴロの間に中島が生還し、大きな先制点をもぎ取った。

ヒットを放った佐々木

生還しベンチに迎えられる中島

松本龍哉(盛岡大附)もヒットで出塁し、尚も一死一三塁のチャンス。前節で公式戦初本塁打を放った初谷健心(関東第一)を打席に迎えると、振り抜いた打球はライトスタンドへ一直線。「全員打席内で勝負していて、自分も波に乗っていこうと思って打席に入りました。」と語った初谷の打球は3ランホームランとなり、初回からチームを勢いづけることに成功した。

ヒットで出塁した松本

3ランホームランを放った初谷

ベンチで盛り上がる初谷

大一番の大事な先発マウンドを任されたのは、下村海翔(九州国際大付)と共にダブルエースの肩書を背負う常廣羽也斗(大分舞鶴)。今季は思うような投球ができていない常廣だが、この試合には「今日はしっかり自分が責任を取るつもりで、マウンドに上がりました。」と覚悟を持って挑んだ。先頭打者にこそ四球を与えるも、150km/h越えのストレートと決め球のフォークで国學大打線を翻弄。初回から猛攻を見せた心強い味方の援護を受け、落ち着いたピッチングで後続を打ち取り初回を終えた。

好投する常廣

止まらない青学大打線は4回表、藤原夏暉(大阪桐蔭)から公式戦初ホームランが飛び出し、貴重な追加点を獲得する。

公式戦初本塁打を放った藤原

盛り上がるベンチ

さらに5回表、西川史礁(龍谷大平安)が頭部付近への死球を受け出塁すると、新入生ながら青学大の扇の要としてチームをリードする渡部海(智辯和歌山)がタイムリー2ベースヒットを放ち1点追加。前の打席で本塁打を放った藤原からもライトへの3ベースヒットが飛び出し、この回2得点を挙げた。

2ベースを放った渡部

3ベースを放った藤原

生還する松本

6回表には、佐々木と小田の2者連続ホームランでさらに2点を獲得。3イニング連続得点で国學大を引き離し、試合の流れを掌握した。

ホームランを放つ佐々木

本塁打を放つ小田

ホームランに湧くベンチ

強力打線が爆発している裏で、常廣も好投を見せた。ストレート中心の投球で国學大打線を圧倒し、得点の隙を与えない。6回裏には味方のエラーから一死一三塁のピンチを招き1点を失うも、後続を打ち取り最少失点に抑えた。常廣は6回7奪三振の素晴らしいピッチングでゲームメイク。試合後には「合格点だったと思います。」と自身の投球内容を振り返った。

6回7奪三振でまとめた常廣

7回からは常廣に代わって松井大輔(県岐阜商業)が登板。打線の奮起と先発した常廣の好投を受け、松井もチームの流れに乗った。気持ちの籠ったピッチングで次々と三振を奪い、相手を封じ込める完璧な救援。チームの勝利を確かなものにした。

7回からマウンドに上がった松井

最終回の攻撃は、チームを支えた4年生が満を持して登場した。初谷に代わり副将の中野波来(大阪桐蔭)が代打で出場。惜しくも出塁とはならなかったが、続く渡部が相手のエラーの間に出塁。二死一塁の場面で、打席には大手晴(横浜)に代わって手塚悠(常総学院)が入る。確かな守備力と積極的な声出しでチームを盛り上げ続けた手塚の一振りは、右中間への3ベースヒットに。渾身の一撃でダメ押しの追加点を獲得し、青学大はこの試合二桁得点を決めた。

渾身のタイムリーを放った手塚

追加点に沸くベンチ

9回裏、代打出場した中野と手塚はそのまま守備につき、悲願の瞬間をグラウンド上で備えた。松井は先頭を三振に切って取ると、続く打者をファールフライに打ち取り、ラストバッターを迎える。1年次から先発としてチームを支え一部昇格の立役者となった松井は、魂の籠った投球で三球三振を奪いゲームセット。チームは2006年春以来、悲願のリーグ制覇を果たした。胴上げ投手となった松井のもとには笑顔のチームメイトが駆け寄り、マウンド上で喜びを爆発させた。

三球三振で試合を締め、ガッツポーズを見せる松井

試合後、安藤監督は「とにかく嬉しいです。」「バーっと学生がマウンドに集まってきて、あの姿を見て感慨深いと思いましたね。」と話し、久々の優勝を噛み締めた。主将の中島も「素直に嬉しかったですね。」「やっと、やっとという感じで、思いがみんな溢れていたのかなと思います。」待ち望んだ優勝の瞬間を振り返った。

優勝旗を笑顔で受け取る中島主将

2部を経験した4年生からガッツ溢れる1年生まで、青学大野球部が体現する「全員野球」で掴み取った悲願の優勝。昨年まではなかなか手が届かなかった「あと一勝」を掴み取ることができた背景には、これまでの先輩方が築いてきた土台、4年生の覚悟、下級生の思いがあった。

胴上げされる安藤監督

青学大は今春東都の覇者となったが、まだ最終カードを残した状態。最後まで青学大の強い野球で勝利を飾り、良い形で全日本選手権に繋げることができるのか、注目したい。

次戦は5月23日の11時30分から、UDトラックス上尾スタジアムにてプレイボール予定だ。

(記事=川﨑史緒、写真=家永萌愛・遠藤匠真・川﨑史緒・童野翔也)

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