第73回全日本大学野球選手権大会 2回戦 対福井工業大 6月11日 於・明治神宮野球場
◆結果◆
福井工大 010 000 0|1
青学大 400 000 4x|8
◆出場選手◆
1 二 藤原夏暉 大阪桐蔭
2 遊 初谷健心 関東第一
3 一 小田康一郎 中京
4 中 西川史礁 龍谷大平安
5 三 佐々木泰 県岐阜商
6 指 松本龍哉 盛岡大附
7 捕 渡部海 智辯和歌山
8 左 中田達也 星稜
9 右 青山達史 智辯和歌山 → 山本英錬 今治西
P 中西聖輝 智辯和歌山 → ヴァデルナフェルガス 日本航空
6月10日に開幕した第73回全日本大学野球選手権大会。青学大は大会連覇に向けて好スタートを切った。初回から強力な青学打線は本領発揮。藤原夏暉(法3=大阪桐蔭)、初谷健心(総3=関東第一)のヒットでわずか5球で先制に成功すると、その後も中田達也(社3=星稜)らのヒットにより、初回に4得点をあげる。投げては先発・中西聖輝(コ3=智辯和歌山)はピンチこそ招くものの、5回1失点と好投。7回には初谷と佐々木泰(コ4=県岐阜商)にツーランホームランが飛び出し、10安打8得点でコールド勝利を収めた。
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試合前には円陣を組んでいた
先発のマウンドを託されたのは中西聖輝(コ3=智辯和歌山)。9回わずか1失点で完投勝利をあげた対中大3回戦に続き、この日も先発として登板した。「大事な初戦ということで彼に任せたい」と話す安藤寧則監督の期待を胸に、中西はテンポの良いピッチングで初回を三者凡退に抑える。
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先発の中西
その裏、青学大の攻撃では先頭打者の藤原夏暉(法3=大阪桐蔭)がヒットを放ち盗塁を決める。無死二塁とし、続く初谷健心(総3=関東第一)は高めのストレートを振り抜きこれが先制タイムリーに。さらに小田康一郎(史3=中京)もライトへのタイムリーツーベースを放った。初回からの猛攻にベンチは盛り上がりをみせた。
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盗塁を決める藤原
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先制タイムリーを放った初谷
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ベンチに戻りハイタッチを交わす藤原
その後も青学打線は止まらない。1死満塁とすると渡部海(コ2=智辯和歌山)の内野ゴロの間に小田が生還、続く中田達也(社3=星稜)もライトへのタイムリーヒットを放ち、初回に一挙4得点。強力な青学打線の本領を発揮した。
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ヒットを放った中田
援護を受けた中西は2回も落ち着いた投球を披露。しかし、福井工大6番・佐藤にこの日初めてとなるヒットを許すと、続く打者にもレフト方向へのヒットを許し、2死1・2塁のピンチを招く。このピンチをなんとか切り抜けたい場面だが、福井工大8番・池邉に放ったストレートは甘く入ってセンターへのタイムリーとなり、1点を献上。しかしその後は冷静な投球を見せ、この回を最小失点で切り抜けた。
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ピンチを迎え、渡部は中西に声をかけた
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力投する中西
4回表、中西はまたもピンチを招く。2死1・2塁とし、池邉にまたもヒットを許してしまう。しかし、ここで5試合ぶりにスタメン復帰となった青山達史(コ1=智辯和歌山)が守備で魅せた。1・2塁間を抜けた球をワンバウンドで本塁に好送球。2塁走者を見事アウトにし、追加点を阻止。1年生らしからぬビックプレーに青山は笑みを浮かべた。
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本塁へ送球する青山
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笑顔でベンチに戻る藤原と青山
青学打線は持ち味である積極性を生かすことができず、2回以降は4回の中田のヒット一本と苦しい場面が続く。
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中田は復調の兆しをみせた
中西は低めに決まる変化球を軸に、ヒットこそ許したものの、5回9奪三振・無死球と安定感のある投球を見せた。
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中西は5回1失点と好投を披露
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喜びを爆発させた
6回からマウンドに上がったのはヴァデルナフェルガス(国経3=日本航空)。長身を生かしたスライダーとストレートを軸に2回無安打と好リリーフをみせた。
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好リリーフをみせたヴァデルナ
7回裏、途中出場の山本英錬(国経4=今治西)が投手強襲のヒットを放つと、藤原が送りバントを成功させる。ここで打席に立つのは初回に先制タイムリーを放った初谷。フルカウントで大きく振りぬいた7球目は高く上がり、そのままライトスタンドに入るツーランホームランとなった。
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本塁打を放った初谷
続く西川史礁(法4=龍谷大平安)が今大会自身初となるセンター前ヒットを放つと、「初谷にホームランが出て楽に打席に立てた」と話す佐々木泰(コ4=県岐阜商)は低めの変化球を窮屈な姿勢ながら捉え、その球は伸びてレフト方向へのツーランホームランとなった。春季リーグ最終戦こそホームランを放ったものの、打率.178と主将として思うような結果を残せていなかった佐々木。今回の打席は「チームで勝ちたい」という強い意志を背中で示す打席となったに違いない。試合はこの一打で7点差がつき大会規定により試合終了。青学大はコールド勝ちを収めた。
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ヒットを放つ西川
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佐々木にも本塁打が飛び出した
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ダイヤモンドを一周する佐々木
今年のチームは「全員戦力」という意識を胸にここまでやってきたという。「プレッシャーというのはなくて、東都代表として、青学として1戦1戦全力で戦っていくだけ」と謙虚な姿勢を指揮官は見せた。次戦は6月13日9時、神宮球場にて今大会ここまで無失点の中京大学と対戦する。ベスト4、その先の優勝に向けて「一戦必勝」で戦っていく青学大ナインに目が離せない。
(記事=比留間詩桜、写真=遠藤匠真・田原夏野・比留間詩桜・山城瑛亮)
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