【硬式野球】扇の要・渡部海の一打で終盤に勝ち越し!準決勝に駒を進める!

硬式野球

第73回全日本大学野球選手権大会 準々決勝 対中京大 6月13日 於・明治神宮野球場

◆結果◆
中京大 002 010 000|3
青学大 002 000 13×|6

出場選手
1 二 藤原夏暉 大阪桐蔭
2 遊 初谷健心 関東第一 → 打 田中幹大 武田 → 遊 山口翔梧 龍谷大平安
3 一 小田康一郎 中京
4 中 西川史礁 龍谷大平安
5 三 佐々木泰 県岐阜商
6 指 松本龍哉 盛岡大附
7 捕 渡部海 智辯和歌山
8 左 中田達也 星稜
9 右 大手晴 横浜 → 打 星子天真 大阪桐蔭 → 右 山本英錬 今治西

P 児玉悠紀 日大三 → ヴァデルナフェルガス 日本航空 → 鈴木泰成 東海大菅生


初戦の対福井工業大戦でコールド勝ちを収め、いい流れの中迎えた本試合。全日本選手権の準々決勝に当たる本試合の相手は、愛知大学野球連盟代表の中京大学であった。試合は、中盤まで手に汗握る一進一退の攻防が続くと、同点で迎えた8回、渡部海(コ2=智辯和歌山)にタイムリー2ベースが飛び出し青学大は勝ち越しに成功。投げては3番手として登板した鈴木泰成(社2=東海大菅生)が5回8奪三振無失点の快投を見せ、青学大は6−3で勝利を収めた。

青学大の先発は左のエース児玉悠紀(コ4=日大三)。児玉は初回、エラーと内野安打で無死一、二塁のピンチを招くも中京大クリーンナップを抑え、無失点で切り抜けた。

青学大先発の児玉

1回裏、1番藤原夏暉(法3=大阪桐蔭)がヒットで出塁すると、すかさず盗塁を決め無死二塁のチャンスを作る。しかし、後続が倒れこの回青学大は無得点に終わった。

盗塁を決めた藤原

3回表、児玉は一死一、三塁のピンチを招くと中京大3番・秋山にタイムリーヒットを浴び先制を許す。その後一死満塁となると5番・川瀬が放った打球はショートへの内野安打となり児玉は追加点を許し、ここでマウンドを降りることとなった。

不運なヒットもあり悔しい投球となった児玉

2番手としてマウンドに上がったのは、リーグ戦からリリーフとして起用されてきたヴァデルナフェルガス(国経3=日本航空)であった。ヴァデルナは一死満塁の厳しい場面での登板となったが、後続を抑え、この回を最小失点で切り抜けた。

2番手としてマウンドに上がったヴァデルナ

すると青学大はその裏、8番中田達也(社3=星稜)、9番大手晴(史4=横浜)に連続ヒットが飛び出し無死一、二塁のチャンスを作る。その後二死となるも、3番小田康一郎(史3=中京)が2球目のストレートを捉えライトへのツーベースを放ち、ランナー2人が一気に生還。青学大はすぐさま試合を振り出しに戻した。

ヒットを放った中田

ヒットを放った大手

タイムリー2ベースを放った小田

塁上で喜びをあらわにする小田

4回表、ヴァデルナはヒットと自身のエラーにより無死一、三塁のピンチを招くも、ヴァデルナは切れ味鋭いスライダーを武器に後続を抑え、この回を無失点で切り抜けた。

ピンチを凌いだヴァデルナ

しかし5回表、ヴァデルナは連打を浴び、再び無死一、三塁のピンチを招く。ここで中京大は代打岸田を送る。岸田はヴァデルナのスライダーをセンターへ運ぶとこれがタイムリーヒットとなり、青学大は勝ち越しを許した。なおも無死一、二塁の場面で青学大は鈴木に継投。重要な局面を2年生右腕に託すこととなった。

青学大は3番手として鈴木を投入した。

ピンチでマウンドに上がった鈴木は、一死からヒットを許し満塁のピンチを招く。しかし、鈴木はフォークボールを決め球に中京大打線から2者連続三振を奪い、大ピンチを切り抜けた。試合後鈴木は、「リーグ戦でピンチの場面を経験していたので、特に気負うことなくいつも通りのピッチングができた」と振り返った。

ピンチを凌いだ鈴木

反撃したい青学大であったが、中京大先発の高木に苦戦。中盤までなかなか好機を見出せない。

ここまで試合は中京大ペースで進んでいたが、7回裏に転機が訪れた。相手の送球エラーと8番中田のヒットで無死一、三塁のチャンスを作ると、9番大手がセンターへの犠牲フライを放ち、青学大は相手のミスにつけ込み同点に追いついた。

犠牲フライを放った大手

8回表、鈴木はヒットと送りバントで二死二塁のピンチを招く。この場面で中京大3番・秋山が放ったヒット性の打球をファースト小田がダイビングキャッチ。大ファインプレーにより相手に得点を許さない。

ファインプレーを見せ雄叫びを上げた小田。攻守に渡って活躍した。

すると8回裏、先頭打者の小田、続く西川史礁(法4=龍谷大平安)が四球で出塁すると打席には佐々木泰(コ4=県岐阜商)。佐々木はバントの構えを見せると、見事ピッチャー前に転がし、一死二、三塁とチャンスを演出した。佐々木は打席の直前、安藤監督に「どうしたい?」と声をかけられると「送って次に繋げます」と答えたという。キャプテンの献身性が何としても一点が欲しい場面で形となって表れた。

大学2年の時以来の送りバントを決めた佐々木

続く松本龍哉(コ3=盛岡大附)が四球で出塁しランナー満塁とすると打席には7番渡部。渡部は春季リーグでベストナインを獲得するも打率は1割台と打撃に苦しみ、全日本選手権でもここまでノーヒットであった。「バッティングが思うようにいかず、悩んでいたところもあった」と語った渡部だったが、6球目のスライダーを捉えるとセンターの頭上を越えるタイムリー2ベースとなりランナー2人が生還。青学大は勝ち越しに成功した。

勝ち越し打を放った渡部

塁上でガッツポーズをする渡部

なおも無死二、三塁の場面で8番中田が放った打球は高く跳ね上がり内野安打となる。その間に三塁ランナーが生還しさらに1点を追加。リードを3点に広げた。

タイムリー内野安打を放った中田。この安打で打率を.714とした。

9回表、鈴木は2本のヒットで二死一、二塁のピンチを招くも中京大8番・金沢をサードライナーに打ち取り試合終了。青学大は6−3で見事勝利を収め、準決勝に駒を進めた。

鈴木は5回8奪三振の快投を披露。最速は148km/hを記録した。

試合後ハイタッチを交わす鈴木−渡部の2年生バッテリー

中盤まで苦戦を強いられるも、終盤の好機を逃さず勝利を収めた青学大。全日本選手権連覇を目指す彼らの勢いはまだまだ止まらない。全日本選手権の準決勝となる次戦は、6月15日(土)11時30分から明治神宮野球場にて試合開始予定だ。

 

(記事=山城瑛亮、写真=遠藤匠真・高木一郎・畠野杏・比留間詩桜・田原夏野・山城瑛亮)

 

 

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