第73回全日本大学野球選手権大会 決勝 対早稲田大 6月16日 於・明治神宮野球場
◆結果◆
青学大 000 020 000|2
早稲田大 000 100 000|1
◆出場選手◆
1 二 藤原夏暉 大阪桐蔭
2 遊 初谷健心 関東第一 → 山口翔梧 龍谷大平安
3 一 小田康一郎 中京
4 中 西川史礁 龍谷大平安
5 三 佐々木泰 県岐阜商
6 指 松本龍哉 盛岡大附
7 捕 渡部海 智辯和歌山
8 左 中田達也 星稜
9 右 山本英錬 今治西 → 打 大手晴 横浜 →右 青山達史 智辯和歌山
P 中西聖輝 智辯和歌山 → ヴァデルナフェルガス 日本航空 → 鈴木泰成 東海大菅生
2年連続で迎えた全日本大学野球選手権大会の決勝戦。対戦相手は東京六大学連盟代表の早稲田大学。2年連続で東京六大学連盟代表との対戦となった。試合は両チームともに3投手が登板。決勝戦に相応しい、1点が重い緊迫した試合となった。
1回表から1番の藤原夏暉(法3=大阪桐蔭)のヒットと盗塁、4番・西川史礁の選んだ四球で二死一二塁のチャンスを作るも得点を挙げるには至らなかった。
青学大の先発は2回戦の福井工業大戦で好投を見せた中西聖輝(コ3=智辯和歌山)。初回から連打を浴び、二死満塁のピンチを迎えるが続く打者をファーストゴロに抑え、無失点の立ち上がりを見せた。
青学大は4回まで一塁を踏むこともできず。相手先発を攻略する糸口がなかなか掴めなかった。一方の早大は全イニングで出塁。青学大にとっては厳しい状況が続いた。
試合が動いたのは4回裏。中西は先頭打者に四球を与えてしまう。続く打者が送りバントを成功させた際に守備のミスが2つ重なり痛恨の失点。中西は4回を投げ切ることなくヴァデルナフェルガス(国経3=日本航空)にマウンドを託した。
無死三塁というピンチでの登板となったヴァデルナ。後続を二者連続三振、レフトフライに抑え、相手に流れを渡さなかった。試合後に安藤寧則監督はヴァデルナについて、「前回、前々回と本人的にも悔しい思いはしていたので、これは取り返してくれるかなという期待もあったし、やってくれた。」と話した。厳しい場面での登板となったヴァデルナだが、監督の期待に応えるピッチングを披露した。
迎えた5回表、青学大は松本龍哉(コ3=盛岡大附)の二塁打で初回振りにランナーを出すと、渡部海(コ2=智辯和歌山)が初球で送りバントを成功させる。一死三塁のチャンスで迎えるは今大会絶好調の中田達也(社3=星稜)。中田がライトへのタイムリーツーベースを放ち、同点に。先制された直後に試合は振り出しに戻った。
その後、藤原がタイムリーヒットを放ち、勝ち越しに成功。藤原は自身の役割について、「とにかくなんでもいいんで塁に出ることを考えて。僕の良さは積極性だと思うので、ビビらずにとにかく攻め続けられるというのが良さだと思うのでそこだけを考えてやっていた」と話した。藤原の思いが結実し、値千金の勝ち越し打に繋がった。
ヴァデルナはランナーを出しながらも本塁を踏ませない投球を見せ、2連投となる中4イニングを無失点で投げ切った。最後の2イニングは鈴木泰成(社2=東海大菅生)に託された。
代わった鈴木はいきなりピンチを招く。四球、ファンブル、死球が続いてしまい、絶体絶命の一死満塁のピンチ。ここをサードフライ、セカンドゴロに打ち取った鈴木。相手に傾きかけていた流れを断ち切った。
大会二連覇まであと3アウトとなった9回裏。鈴木は先頭打者に四球を出すものの続く打者を凡打に打ち取り、青学大は全日本大学野球選手権大会二連覇を達成。試合後にこの9回について鈴木は、「中野コーチからも声掛けをしてくださったので、最後自信をもって投げられたので。すごい、みんなに助けられたと思います。」と語った。決勝は厳しい展開が続いたが、開幕前から安藤監督からも伝えられていた「全員戦力」で優勝を掴み取った。
昨年あと一歩のところで逃した大学四冠を達成するべく始動した今年のチーム。春は三季連続のリーグ優勝に全日本選手権二連覇と素晴らしい成績を残した。試合後に安藤監督は心境を問われ、「幸せです。自慢の後輩です。」と語った。新チーム始動後にはなかなか上手くいかないこともあったというが、チーム一丸となって再び日本一の栄冠に輝いた。悲願の大学四冠達成に向けて、青学大ナインは目の前の試合を「一戦必勝」で戦い続ける。
(記事=田原夏野、写真=遠藤匠真、比留間詩桜、山城瑛亮、大原明日香、田原夏野)
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