秩父宮賜杯 第57回 全日本大学駅伝対抗選手権大会 11月2日 於・熱田神宮西門前〜伊勢神宮内宮宇治橋前
閉会式 11月2日 於・三重・神宮会館大講堂
◆結果◆
第3位 総合記録 5:09:28
◆区間エントリー◆
1区 榅山一颯(コ1=九州学院)27:28 区間12位
2区 荒巻朋熙(コ4=大牟田)31:56 区間10位
3区 宇田川瞬矢(総4=東農大三)33:54 区間7位
4区 塩出翔太(教4=世羅)34:44 区間7位
5区 佐藤有一(史4=拓大一)36:34 区間4位
6区 飯田翔大(社2=出水中央)37:20 区間賞🌟
7区 黒田朝日(地4=玉野光南)49:31 区間賞・区間新記録✨
8区 小河原陽琉(総2=八千代松陰)58:01 区間7位
三大駅伝2戦目の秩父宮賜杯第57回全日本大学駅伝対抗選手権大会が開催された。青学大は3位で表彰台を死守。箱根駅伝優勝に向けて、好循環を生み出せたに違いない。
前回大会ではアンカーに襷が渡った時点で首位に立っており、十分に優勝のチャンスはあったもののあと一歩及ばなかった。約3週間前の出雲駅伝でも、3冠を目指して出走したが7位に終わり悔しさを残す結果となっていた。なんとか青学大の意地を見せたい今回の全日本大学駅伝。序盤は波に乗り切れず下位に沈んでいたが、5区からは息を吹き返し徐々に順位を押し上げる。区間賞を獲得した飯田が好走し、順位を5位まで押し上げる。その飯田から襷を受け取った黒田は毎年各校のエース級がずらりと揃う7区で区間新記録を更新。順位を3つ上げる獅子奮迅の働きを見せた。
1区 榅山一颯

1区・榅山一颯
1年生ながらもトラックシーズンからフレッシュグリーンを背負ってきたルーキーが、学生三大駅伝初出走を果たした。スタートから集団の前方に躍り出ると、一時は先頭にたちレースの主導権を握った。勝負が動いたのは残り2.5km付近。国道23号に入り徐々にペースアップをしてきた集団が、下りを使って一気に加速し集団は縦長に。榅山は揺さぶりにも二番手で必死に食らいつく。しかし、新庄新川橋にて各校の駅伝巧者たちが更にスパートをかけるとついていけず、区間12位となった。今大会では駅伝の厳しさに直面することとなった。それでも、1年生から三大駅伝にて各校のエース級と戦い、そのレース運びを間近で見た経験はこれからの糧となるはずだ。
2区 荒巻朋熙

2区・荒巻朋熙
1区榅山から11位で襷を受け取った荒巻。2年越しの伊勢路となった荒巻は、前半から積極的にレースを展開した。5km地点では、2人を抜き、9位に浮上した。その後、東海大に抜かれて10位になるも、力走を見せ10位で同期・宇田川に襷をつないだ。
3区 宇田川瞬矢

3区・宇田川瞬矢
3区を任されたのは全日本大学駅伝初出走の宇田川。持ち味であるスピードを武器に、積極的に前を追う展開となった。10km地点では、東海大に離されるも粘り強く喰らいつく。流れを途切らせない力強い走りで、順位を押し上げ、シード圏内である8位で、同学年の塩出へ襷を託した。
4区 塩出翔太

4区・塩出翔太
3区の宇田川が順位を2つ上げ、1分5秒差の8位で襷を受け取った塩出。後に控える仲間たちのために少しでも差を縮めたい塩出は、序盤に前を走る早大を捉え7位に浮上。幸先のよいレース展開を作る。その後は懸命な走りで耐えしのぎ、7位で三大駅伝初出走となる佐藤に襷をつなぐ。
5区 佐藤有一

5区・佐藤有一
笑顔で同期の塩出から襷をもらい、7位でスタートした佐藤。6km手前、早大に追いつき6位に浮上すると、前を猛追。「星七の分まで」と書かれた腕を大きく振り、長身を生かした大きなストライドで後ろを突き放し単独6位へ。想いのこもったその腕で、思いを込めた襷を握りしめ、4年の意地で順位を死守し6位で飯田へ託した。佐藤は区間4位の力走を見せ、原監督の期待する「粘りの走り」を上回る攻めの走りで伊勢路を駆け抜けた。
6区 飯田翔大

6区・飯田翔大
6区に起用されたのは、出雲駅伝でも出走を果たした飯田。佐藤から襷を受け取ると、早大に食らいつき、9km地点付近で抜き去った。勢いをつけた飯田は、ラストスパートでさらに創価大を抜かし、5位で襷を渡した。飯田は見事区間賞を獲得し、青学大は反撃の狼煙をあげた。
7区 黒田朝日

7区・黒田朝日
各校の実力者が顔を揃える7区には、当日変更で大エース・黒田が出走した。5位で襷を受け取り、主将としての意地を見せ、貪欲に首位を狙いにいく。自身で区間賞を目標に掲げる中、49分31秒で区間新記録を樹立した。最後まで前を猛追し勢いに乗った青学大の襷は2位まで押し上げられ、アンカーの小河原に繋がれた。
8区 小河原陽琉

8区・小河原陽琉
2年生ながら、三大駅伝2度目のアンカーの大役を任された小河原は先頭と1分55秒差の2位でエースで主将の黒田から襷を受け取り走り出す。序盤は中大に抜かれるも、淡々ペースを刻み走りを進めていく。終盤は一度は抜かされた國學院大を抜き返し、そのまま3位でフィニッシュ。区間記録も更新されるハイレベルなレースの中、区間7位にまとめアンカーとしての責務を果たした。

ゴール直後の選手たち

ゴール直後の小河原

奮闘した小河原を温かく迎えるメンバー
閉会式
3位で今大会を終えた青学大。選手・関係者は14時30分から、三重・神宮会館大講堂で行われた閉会式に参加した。3位の表彰では、代表として荒巻・飯田・宇田川・塩出・佐藤の5人が登壇。区間賞の表彰では、6区区間賞の飯田・7区区間賞・区間新記録の黒田も登壇した。惜しくも目標の優勝には届かなかったが、各選手奮闘を見せた。その中で悔しさを抱えながらも、表彰の場では授与者の目を見て微笑む、青学らしい品性と温かさも見られた。

3位表彰で登壇する5人(左から飯田・荒巻・宇田川・塩出・佐藤)

日本学生陸上競技連合をはじめとする主催団体賞として、盾・商品を受け取る2人(左から塩出・佐藤)

賞品を受け取る佐藤

盾を受け取る塩出

三重県知事賞の賞品の目録(結びの神)を受け取る宇田川

伊勢市長賞の商品の目録を受け取る飯田

長谷工グループ賞の記念メダルを受け取る荒巻

区間賞で表彰される2人(左から黒田・飯田)

授与者と握手する飯田

トロフィーを受け取る黒田

3位の表彰と賞品を抱える5人(左から荒巻・飯田・宇田川・塩出・佐藤)
今大会では大エースの圧倒的強さに加え、新戦力の台頭も見られた。また、2年生コンビも出雲の悔しさを晴らす走りを見せた。駅伝戦国時代が続く中でも、青学大にはその筆頭として駅伝界を引っ張っていくことが期待される。ここからは、世田谷ハーフやマーチ対抗戦など箱根駅伝への本格的な調整に入りメンバーなども徐々に固まっていく。今大会の成績から部内の競争はより一層激化していくことだろう。熾烈なメンバー争いを勝ち抜き、箱根駅伝優勝に向けて走り出す青学大陸上競技部長距離ブロックは歩みを止めることはない。
(記事・写真=成田紗耶加、関健太朗、竹田集、黒川祈、久保颯一朗)



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