【陸上競技部】3年ぶり有観客、京都で熱き全日本インカレ

陸上競技
たけびしスタジアム京都

天皇賜盃第91回日本学生陸上競技対校選手権大会

於・たけびしスタジアム京都

2022年9月9~11日たけびしスタジアム京都で3年ぶりに有観客での天皇賜盃第91回日本学生陸上競技対校選手権大会が行われた。

たけびしスタジアム京都

2022年9月9日

青学大最初の出場となったのは男子1500m予選。西川魁星(4)、宇田川瞬矢(1)であった。予選1組目に出場した西川は序盤から攻めの走りで3:44.24の青学記録をたたき出し2位で決勝進出を決めた。宇田川は2組目に登場し400m通過57秒とハイペースのレース展開であったが、失速してしまい3:48.78の5位で予選敗退となってしまった。

青学記録を出した西川

惜しくも予選敗退の宇田川

10時40分から行われた女子100mでは石川優(2)、三村香菜実(3)が棄権。ただ1人の青学大出場となってしまった塩田夏鈴(4)は予選7組に。50m通過から伸び4位でフィニッシュ。着順とはならなかったものの12.04のタイムで準決勝進出を決めた。

予選を通過した塩田

11時46分から始まった女子400m。先陣を切ったのは1組に登場した髙島咲季(3)。55.35の2位、タイムで決勝進出を決めた。3組目に出走した川窪萌夏(2)は57.21の5位、5組目の金子ひとみ(3)は350mまでトップを激走していたが中大の選手に抜かれてしまい2位でゴール。惜しくもタイム差で決勝進出とはならなかった。

決勝進出した髙島

予選を走る川窪

惜しくも進めなかった金子

女子100mHの予選には関東インカレで決勝に進出した長﨑さゆり(3)、中尾あゆみ(4)、有田安紗季(4)の3選手が出場。2組の長﨑は13.62で準決勝進出。3組中尾は左足にテーピングを巻いての出場。最後まで主将として地元である京都を駆け抜けたが6位で敗退。最終組の有田は13.72の2位で準決勝進出を決めた。

ハードルを越える長﨑

地元を力走する中尾

予選通過をする有田

男子1500m決勝には予選で青学記録を更新した西川が登場。レースは東海大・飯澤が先頭で引っ張り続ける展開となった。駒大・佐藤圭汰も加わり早いペースで進む中、西川は中盤から後ろのほうで勝機をうかがっていた。しかし、前でのペース変動に対応することができず、10位の3:49.58であった。

あと一歩で入賞を逃した西川

3000mSC決勝には世界大会を経験し強くなって帰ってきた黒田朝日(1)と関東インカレのリベンジを誓った山下悠河(3)の2選手が出走。レースは序盤、黒田が先頭集団で進め山下は最後尾で進めていた。およそ1800m付近で黒田が先頭に立ちペースが上がり縦長のレースとなった。山下も最後尾から流れるように前のほうでレースを進めていた。黒田は最終周の水郷で先頭を譲る形となり惜しくも8:43.29の2位。山下は最後ペースを上げ見事自己記録の8:46.43で3位表彰台。

銀メダルを手にする黒田、銅メダルを手にする山下

関東インカレで2位銀メダルを獲得した種目女子4×100mリレー。この予選に登場したのは1走目塩田、2走目髙島、3走目倉橋美穂(1)、4走目丸尾陽咲(1)。山梨学院大と一騎打ちの戦いとなり惜しくも敗れたものの2位の46.20タイムで決勝進出を見事果たした。

 

リレーのスタートを切る塩田

髙島から倉橋へバトンが渡る

関東インカレ6位入賞を果たした男子4×100mリレー。予選へ出場した選手は、相川優貴(3)、井上雄斗(4)、狩野健太(2)、安田隼人(3)。華麗なバトンパスを見せて健闘するも8位で決勝へ駒を進めることはできなかった。

ゴールを切る安田

400m決勝にはこの日3度目のレースとなる髙島が出場。300m通過まで自分のペースで刻みラスト100mで追い込みをかける髙島スタイルを見せるも表彰台に届かず55.52の4位。惜しくも3連覇とはならなかった。

惜しくも3連覇を逃した髙島

中村唯翔(4)、横田俊吾(4)、西久保遼(4)が出場したのは男子10000m。このレースは留学生が先頭で進める展開となった。序盤は3選手とも中盤から前のほうで歩を刻んでいたがレースが進むにつれ西久保が徐々に遅れ始めた。中村と横田は安定した走りを見せていたが横田が先に脱落してしまう。残った中村は表情を変えず勝負師の面構えで日本人トップの走りを見せていた。しかし、ラスト1周まで中村の後ろで体力を溜めていた関西大の亀田に残り100mで日本人トップを譲ってしまい悔しい日本人2位でフィニッシュ。レース後、頭を抱えていた中村であったがレースを終えた横田、西久保を温かく迎え入れていた。

5位中村唯翔 28:51.55

7位横田俊吾 29:02.22

14位西久保遼 30:25.10

日本人2位の中村

ゴール後、頭を抱え悔しがる中村

安定した走りを見せ続ける横田

駅伝シーズンに借りを返してほしい西久保

2022年9月10日

この日の青学大初登場は女子100mH準決勝であった。1組目に長﨑、2組目に有田が出場。長﨑は組2位のリアクションタイムで素晴らしいスタートを切り見事13.69の3位着順で決勝進出を決めた。一方、有田も組2位のリアクションタイムでスタートするも13.71の5位。惜しくも100分の1秒差で決勝進出を逃してしまった。

決勝へ駒進めた長﨑

惜しくも決勝進出できなかった有田

女子200m予選にエントリーされたのは石川、三村、倉橋であった。石川と三村は100m同様棄権となった。唯一、出場した倉橋は100mまでトップ争いを演じる走りを見せていたが、150m過ぎから徐々に失速し4位の25.18で予選敗退となってしまった。

カーブを巧みに走る倉橋

女子800m予選に出場した選手は関東インカレ2位になった青山理奈(1)、同じく8位入賞したヒリアー紗璃苗(3)、水口杏(2)であった。2組のヒリアーは積極的に先頭で走り2:10.53のトップで準決勝へ。4組の水口は残り200mで切り替え3位の着順2:12.06で予選突破。7組に登場した青山は関東インカレ同様の強さを見せつけ2:12.37で準決勝進出した。

積極的に前を引っ張るヒリアー

見事予選通過を決めた水口

力通りの走りをする青山

女子400mH予選。1組に登場した有田は100mHも出場、長い距離にも対応できる力を発揮し59.26の3位タイムで決勝進出。2組の有賀知春(3)は2位で1:00.04の記録も決勝進出とはならなかった。5組に満を持して青木穂花(3)が登場。2台目のハードルで先頭に立ち圧巻のレースで59.41見事決勝へ。

タイムで決勝へ進んだ有田

惜しくも決勝へと駒を進められなかった有賀

圧巻の走りを見せる青木

女子100mH決勝。長﨑は8レーンに登場。他の選手は笑顔で会場に手を挙げる中、長崎は引き締まった表情でスタートのときを待っていた。スタートをし、4台目から6台目にかけてスピードが上がり素晴らしい走りを見せるも、わずか100分の2秒差で4位。13.57今大会最も早いタイムで決勝を終えた。来年のリベンジに期待。

来年にリベンジがかかる長﨑

女子4×400mリレー予選。川窪、金子、髙島、青木の関東インカレ銀メダルクインテットで登場。川窪が粘りの走りでバトンを繋ぐと金子が激走。オープンレーンになり3位で展開。最後の100mでさらにペースを上げ先頭に並ぶ位置で髙島へ。髙島はバトンをもらいすぐさまトップに立つ。その後は堅実にバトンを繋ぎ青木が流すようにフィニッシュ。3:43.68と2位におよそ2秒差をつける1位であった。

レース前に流しをする髙島、金子、青木(左から)

スタートを担う川窪

予選でアンカーを務めた青木

女子4×100mリレー決勝。予選と同じ布陣で挑んだ。隣のレーンを走る福岡大が素晴らしいレースを進める難しい展開となったが、4選手が今持てる力を発揮した。アンカーの丸尾が見せた追い上げは間違いなく次に繋がるであろう。

8位 46.21 入賞

入賞のフィニッシュラインを超える丸尾

女子800m準決勝、1組の水口はスピードに乗ることが難しく2:14.66の6位。2組にヒリアーは予選と同様、積極的にレースを進め2:09.30の1位で決勝進出。3組には青山が登場。競技場内に風が入り込む難しい組となった。青山得意の積極的な前でのレースを進めると風よけに使われる可能性もあるため、思うようなレースができなかった。力を発揮できず2:13.06の5位で準決勝敗退となった。

準決勝で姿を消した水口

トップで決勝進出を決めたヒリアー

惜しくも決勝進出逃した青山

三段跳には大塚葉月(1)。1回目の跳躍は12m27、2回目は12m08、3回目は赤旗が風に揺られた。自分でも首をかしげるほど納得のいかない跳躍となってしまったが、まだ1年生。あと3年もあると考えると今大会の経験を活かせるときが来るであろう。

選手コールを受ける大塚

跳躍する大塚

2022年9月11日

男子5000mに出場したのは、エース近藤幸太郎(4)、今季絶好調の目片将大(4)。レースは今大会最も気温の高い34度の日であった。10000m同様、留学生が先頭で走り近藤、目片は中盤から前のほうでレースを進める。目片が苦しい表情に変わり少しずつ後退する。一方、近藤は残り1200mで先頭に立ち後続を引き離し始める。少しスパートには早いのではないかという空気が会場に漂う。ただ、近藤はその空気を一瞬で払拭する。ペースが全く落ちず、逆に上げていた。結果2位に大差をつけ指で2というポーズをし、フィニッシュ時には昨年と同様に腕を広げガッツポーズで2連覇を達成。

1位 近藤幸太郎 13:50.37

22位 目片将大 14:37.86

見事2連覇を達成した近藤

このままでは終われない目片

女子400mH決勝。有田、青木の出場。レースは青木がロケットスタートで200mまではトップを走り続ける。300m通過のタイミングでは青木はペースが落ち始めるのに対して、有田はここからペースを上げる。58.42の3位で有田、59.11の5位で青木。ゴール後スクリーンを見て驚く有田に祝福するように腕をかける青木の姿は印象深い一面であった。

スクリーンで結果を見る青木、有田(左から)

女子800m決勝に出場したのは関東インカレの借りを返すヒリアー。ヒリアーは550mからペースを上げ始め、600mで先頭へ。残り70mで先頭を譲ってしまうも粘りの走りで2:07.71の2位。関東インカレから、およそ5秒も早いタイムでリベンジを果たした。

銀メダルに輝いたヒリアー

女子4×400mリレー決勝。ヒリアー、金子、青木、髙島の布陣で決勝へ。ヒリアーが堅実な走りでバトンを繋ぐが他大学のほうが先行し後ろからのレースとなる。金子が勢いよくトラックを回り、青木が前行く2人を交わし5位で髙島へ。250m通過からペースを一気に上げ前を追うが、あと一歩足らず5位でフィニッシュ。ゴール後の青学勢の雰囲気から、「こんなもんじゃない」ということが感じられた。全員3年生で組んだ決勝、来年リベンジのレースをしてもらいたい。

ヒリアーから金子へのバトンパス

追い上げを見せる青木

来年は優勝のゴールに期待がかかる髙島

3日間に渡る熱き陸上競技大会。青学大の選手が多々活躍する姿を3年ぶりに有観客となった舞台で見せつけた。

(記事=阿部夢杏、写真=童野翔也・阿部夢杏・吉行晴実・小松優奈)

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