【硬式野球】神宮を沸かせた、ミスターフルスイング~4年生インタビュー⑥ 中田達也~

硬式野球

今年度大学三冠を成し遂げた青学大。その中心にいた4年生は、2連覇を成し遂げた明治神宮野球大会をもって硬式野球部を引退しました。青山スポーツでは4年生12名にインタビューを行い、青学大硬式野球部で過ごした4年間を振り返っていただきました。最上級生としてチームを牽引してきた4年生の皆さんの熱い言葉を全11回に渡ってお届けします。第6回の主人公はチームを盛り上げるムードメーカー、中田達也(社4=星稜)選手です。


常勝軍団・青学大野球部の活躍には、この男の“盛り上げ”が欠かせなかった。4年間で大学四冠やリーグ6連覇を達成し、7人のプロ野球選手とプレーした中田。そんな中田は大学野球生活で最も印象に残った場面に3年次の神宮大会・決勝を挙げ、「西川史礁(25法卒・現千葉ロッテマリーンズ)さん、佐々木泰(25コ卒・現広島東洋カープ)さんら主力のドラフト候補が全然出場できない中で、チームとしては最悪の状態だった。それでも、決勝では自分が5番打者として満塁本塁打を打った。あの試合は僕の野球人生でも、一番印象に残っている」と語った。

中田が最も印象に残っていると語った、’24年の神宮大会・決勝で放った満塁本塁打。

チームが主力を欠く中、中田の満塁本塁打は球場のムードを変えた。

中田といえば、その豪快なプレースタイルが特徴だ。フルスイングについては同じ北陸・青学大出身の吉田正尚(16社情卒・現ボストンレッドソックス)選手を理想の打者像とし、「僕も体がそんなに大きくない中で、フルスイングでコンタクトしていくスタイルを目指している」と語る。中田は「基本的には初球からガンガン振って引っ張っていく姿勢でチームに勢いをつけ、追い込まれてからは打席の前に立つ、バットを短く持つなどして自信のあるバットコントロールでカバーしていく」と自身の打撃を分析した。

背中が見えるほどにフルスイングする中田。

一方で、プレーの中で垣間見える大きなリアクションについては「ダイナミックな空振りなどは、正直、キャラ的に作っている部分もある」と、まさかの演技であったことを告白。中田は「チームを盛り上げるためにやっている。結構大げさにやっている意識はあって、周りからは『歌舞伎』と呼ばれている」と笑う。またそのオーバーな動きは「調子がいい時ほど激しくなっている」とし、「これは僕の野球のプレースタイルだと思うし、後輩にも継承しなくてはならない。大神浩郎(総1=福岡大大濠)を始め、後輩やチームにもこのスタイルは浸透してきている。良いことなので、一歩ずつ続けていってほしい」と“伝統の継承”に期待を覗かせた。

相手守備陣に打球を好捕された際の中田のリアクション。

中田は塁上でもガッツポーズを見せ、チームを鼓舞した。

そんな中田だが、実は野球を始めたのは中学時代からであり、小学生の時はゴルフに打ち込んでいた。その腕前は全国級で、中田本人も「父親に無理やり野球に連れていかれたが、本当は中学校でもゴルフをやりたかった」と当時を回顧した。 一方で「僕は本当に野球をやってよかったなと思っている」とも語り、“奇跡の大会”の存在を明かした。小学校6年生の時、全国大会をかけた小学校最後の大会に参加していた中田は「全国大会に出たら、ゴルフを続けよう」と考えていた。そして迎えた最終ホール、既に全国大会の予選通過ラインを大きく上回っていた中田だったが、まさかのバンカーからの脱出に8打を要してしまい、予選落ちとなった。「1打でバンカーを出ていたら、僕はいまここ(青学大野球部)にはいない。あのバンカーあってこその野球人生だ」と、中田はこれまでの数奇な歩みを振り返った。

3年次の全日本選手権では首位打者に輝き、青学大の日本一に大きく貢献した中田。“奇跡の大会”がなければ、青学大の四冠達成もなかったかもしれない。

不思議な縁で野球を続け、迎えた大学ラストイヤーについて、中田は「僕が思い描いていた結果には全然届かなかった」とした一方、「2番、8番と様々な打順を任された。秋季リーグではチャンスで欲しい一本も出た。そういった点ではチームの勝利に貢献できたかなと思う」と振り返った。また4年間を通しては「青学大に来てから、自分で考えてプレーすることを学び、成長できた」と語り、「自分で考えてやらないと周りに差をつけられてしまうし、自分が周りと差をつけることもできない。試合にも出られない。そういった厳しい環境、世界でプレーしてきて、その点は成長したと思う」と、自らの成長を評価した。

ヘッドスライディングで内野安打をもぎ取った中田。

2~4年次にかけて達成したリーグ6連覇について、中田は「素直に嬉しい気持ちがあると同時に、苦しいシーズンもあったと思う。6連覇をかけた’25年の秋季はエースの中西聖輝(コ4=智辯和歌山)が投げられない時期もあり、最終節の亜大戦も1戦目を落として“ここで終わるのか”という話も出ていた。それでもそこから2連勝できたのは、4年生の意地だと思っている」と振り返る。「後輩たちに何を残せるか考えた時に“連覇”、“結果”とだけ考えていた。そういう意味では、リーグ6連覇の達成で僕たち4年生の役割を果たせたと思う」と自らの役目の全うを宣言した。

また、その後輩たちに対しては「先日、卒業のお別れ会があって、“お前たちが新チームになっても俺たちは一緒に戦う。壁にぶつかってもすぐに俺たちに相談して欲しい。一緒に戦って7連覇、8連覇を目指そう”という話をした。来年はそれぞれが社会人やプロなど様々な道に行くが、一緒に戦えたら良いな」と、新生青学大野球部に笑顔でエールを送った。

青学大野球部を盛り上げ続けた中田。社会人野球に進むことが決まっており、新天地でもその活躍から目が離せない。

(記事=高木一郎、写真=山城瑛亮・田原夏野・高木一郎)


◆番外編◆

記事には組み込めなかったエピソードを紹介!

ー印象に残っている対戦投手は誰?

亜大の齊藤汰直(武庫荘総合)投手。フォークが消えます。「消える魔球」ってこういうことなんだな、という。まっすぐの軌道からストーンと落ちるので、手も足も出なかった感じですね。

ーライバル選手は誰?

やっぱり日大の谷端将伍(星稜高校)。高校で一緒にやっていた時は「ここまでなるかな」っていうぐらいの選手だったんですけど、’24年に鈴木泰成(社3=東海大菅生)が逆方向に放り込まれた一発が凄い印象的で。僕はもう、ライバルとは言えないかもしれないですね。今でもご飯に行ったりする仲ですけど、あいつに負けたくはないです。彼は一足先にプロに行きましたけど、僕も来年から社会人野球に進んで、将来はそういう世界でやりたいと思ってます。

ー3年次春季はリーグ最低打率も、直後の全日本選手権で首位打者を獲得。その後も全国大会では勝負強い打撃を披露し、“お祭り男”に思えるが?

お祭り男、確かにそうですね。お客さんの数ですかね、観客が入ると燃えるタイプなので。都市対抗なんか出たらもうね、爆発ですね。

ーゴルフの腕前はどれくらい?

小学生の時に、ドライバーは300ヤード飛ばしてました。スコアは18ホールで最高71です。小学生なので距離は短めですけど。

ー昨春、初谷選手が一番仲の良い選手に中田選手を挙げていた

一番仲がいいのは、やっぱり初谷健心(総4=関東第一)ですね。いつもくだらない話ばかりしてますけど、僕と初谷、2人でムードメーカーをやってます。

ー小田選手のインスタグラムのハイライトについて(中田選手からの宣伝)

小田康一郎(史4=中京)のインスタのハイライトを、全員チェックするようにお願いします。面白いかは分かんないですけど、僕のハイライトが載ってます。

ー期待している後輩は?

谷口勇人(営3=大阪桐蔭)に一番期待している。僕の練習のパートナーで、実力はあるんですけど出られていない時期があって。野球のこと、野球以外のこともたくさん伝授した。神宮大会でも活躍してくれたので、今年は絶対やってくれると思っている。

ー盛り上げ部隊で期待している選手は?

星子天真(史3=大阪桐蔭)と稲垣渉(史2=帝京)です。2個下も作ってます。もう弟子入りが、ぞろぞろと。見ていてください。

ー最後にファンの方々へのメッセージ

本当にたくさんのご声援のおかげでこの日本一、リーグ6連覇があると思うので、まずはありがとうございました。また後輩たちが強い青学を継承して、進化させてくれると思っていますので、引き続き熱いご声援をよろしくお願いします。あと個人的にはまだ社会人で野球を続けるので、機会があれば球場に足を運んでいただいて、ちょっと声をかけていただけるとすごく嬉しいです。

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