【硬式野球】青学大で積み重ねた確かな時間 〜4年生インタビュー⑤ 渡辺光羽〜

硬式野球

今年度大学三冠を成し遂げた青学大。その中心にいた4年生は、2連覇を成し遂げた明治神宮野球大会をもって硬式野球部を引退しました。青山スポーツでは4年生12名にインタビューを行い、青学大硬式野球部で過ごした4年間を振り返っていただきました。最上級生としてチームを牽引してきた4年生の皆さんの熱い言葉を全11回に渡ってお届けします。第5回の主人公は様々な場面でチームのために腕を振った渡辺光羽(営4=金沢学院大附)選手です。


渡辺にとって、大学野球の4年間は自分の立ち位置を探し、役割と向き合い続けた時間だった。決して順風満帆ではなかったが、その中で与えられた役割を受け止め、チームの一員として歩み続けた結果、最後は日本一にたどり着いた。

大学1年時は、ベンチ入りも果たせない日々が続いた。「1年生の頃はベンチに入ってなくて、2年から投げ始めた」と、試合を外から見る立場を経験しながら、少しずつマウンドに立つ準備を重ねていった。

転機となったのは2年春の亜大戦だった。「9連勝で来ていて、消化試合ではあるんですけど、10連勝がかかった試合に先発させていただいて」初先発という状況の中で、6回無失点の好投を披露した。「すごいいい結果を初先発で出せたので、すごく印象的な登板でした」と語るように、大学野球で戦っていけるという確かな手応えを得た一戦だった。

2年春、亜大戦で初先発を果たした

最終学年となる4年生では、中西聖輝(コ4=智辯和歌山)とともに先発陣を支える存在としての構想を描いていた。「中西と2枚看板というか、第2先発で投げるっていう僕のプランがあったんですけど、」しかし、思うように状態が上がらない時期もあった。その中で、鈴木泰成(社3=東海大菅生)が先発の穴を埋め、ヴァデルナフェルガス(国経4=日本航空)が後ろを支える形となった。「僕が前で頑張りたいなと思っていたんですけど、それができなかったので、悔しいという気持ちは大きいです」と悔しさを語った。

それでも、チームは秋の戦いを勝ち抜き、日本一に到達した。「ちょっとしか投げられなかったというのは悔いではあるんですけど、チームとしては日本一を達成できたので、そこはやり遂げたので良かったと思います」。個人の思いと、チームとしての成果。その両方を受け止めた言葉だった。

同級生の左腕・ヴァデルナについては、「タイプも役割も違う」と語る。先発型の自分と、別の役割を担う投手。それぞれが自分の立場で力を発揮することが、チーム力につながっていた。4年生のラスト1年間については、「春からあまり調子は良くなかった」と振り返る。「ちょっとずつ上がってきた感じでした」思うようにいかない中でも、「調子悪い中で使ってくれた安藤監督には、凄く感謝しています」と、首脳陣への感謝を口にした。

渡辺にとって青学野球部は、上下関係に縛られすぎない、言い合える関係性が特徴のチームだった。「厳しさの中に楽しさがある、凄くやりやすいチームだと思います」。後輩と会話する機会も多く、コミュニケーションを取りながら、同級生とも良好な関係を築いてきた。「仲の良さが取り柄」と語るように、その雰囲気がチームの一体感を生んでいた。

仲の良い選手として名前を挙げたのは中西。「ずっと一緒にいました」と語り、後輩では星子天真(史3=大阪桐蔭)、南野倫平(総3=龍谷大平安)、谷口勇人(営3=大阪桐蔭)の名前を挙げた。「よくしゃべったり、ご飯に行ったりします」と話してくれたように、学年を越えた関係性も、4年間を支えた要素の一つだった。

感謝の思いを向ける先は、共に戦ってきた4年生全員だ。「切磋琢磨して、悪い時に声をかけてくれたり、自分から声をかけたりってのはできてたと思います」。同期との関係が、苦しい時期を乗り越える力になっていた。

期待を寄せる後輩についても語った。投手では盛田智矢(社2=報徳学園)。「ブルペンで苦しんでいる姿も見ていたので」と、その過程を間近で見てきた。「ポテンシャルは高いので頑張ってほしい」と期待を寄せる。野手では中山凱(史1=専大松戸)や松本大和(国政1=天理)を挙げ、「人数少ないですし、底上げが大事」とチーム全体を見据え、下級生の奮起に期待した。

卒業後は、社会人野球の名門・Hondaでプレーする。参考にしている投手として挙げたのは、楽天の早川隆久と巨人の井上温大。「綺麗なフォームをしているので、しなりとかは参考に見てます」。大学で培った経験を土台に、次の舞台でも投球の完成度を高めていく。

ファンの方々に対しては、「7連覇もかかってるんで、今年よりもっと大きな声援を送っていただけたらなと思います」と青学大への思いを言葉にし、4年間の歩みを締めくくった。

与えられた立ち位置の中で役割を果たし続けた時間は、確かな自信となっている。
青学大で過ごした4年間が築いた土台は、これからも渡辺の軸であり続ける。

(記事=戸田隼人、写真=渋谷聡志・田原夏野・比留間詩桜)

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