東都大学野球 秋季1部リーグ 対國學大 第3回戦 9月11日 於・明治神宮野球場
◆結果◆
國學大 000 001 220|5
青学大 010 410 00×|6
◆出場選手◆
1 二 藤原夏暉 大阪桐蔭
2 遊 山口翔梧 龍谷大平安
3 一 小田康一郎 中京
4 中 西川史礁 龍谷大平安
5 三 佐々木泰 県岐阜商
6 指 松本龍哉 盛岡大付→ 南野倫平 龍谷大平安
7 捕 渡部海 智辯和歌山
8 左 中田達也 星稜
9 右 青山達史 智辯和歌山
P 中西聖輝 智辯和歌山→ 鈴木泰成 東海大菅生
連日3時間ほどの熱闘を繰り広げ、1勝1敗で迎えた第3戦目。松本龍哉(コ3=盛岡大附)にチーム今季初となるホームランが飛び出すと、4番・西川史礁(法4=龍谷大平安)にもツーランホームランが生まれた。終盤1点差に詰め寄られるも、鈴木泰成(社2=東海大菅生)の意地の力投で反撃を振り切った青学大は接戦を制し、今季初の勝ち点を獲得した。
先発は開幕戦に続いて中西聖輝(コ3=智辯和歌山)。中1日での登板となった。疲労を感じさせない力強い投球で相手打線をテンポよく抑えていく。
2回裏、2死走者なしで打席に立った松本は、持ち味のフルスイングで高めのストレートを仕留め、先制点となるホームランを放った。神宮球場で初のアーチを描いた松本は、笑顔でダイヤモンドを駆け抜けた。
中西は緩急のある投球で打者を翻弄し、相手打線を5回まで2塁を踏ませず、2安打無失点に抑え込んだ。
4回裏、先頭打者の小田康一郎(史3=中京)がヒットで出塁すると、続く西川は「空振りでもいいので、思いっきりいつも通り振ろうと思った」と変化球を捉えた鋭い打球はレフトスタンドへのツーランホームランとなった。ここまで「タイミングが刺されているな、という印象だった」と話すが、修正を重ね今秋11打席目で会心の一打を放った。「よかったな」と安堵の表情を浮かべた。
主砲の一発に奮起した青学打線の勢いは止まらない。2者連続の四球により1死2・3塁とすると、中田達也(社3=星稜)、青山達史(コ1=智辯和歌山)のタイムリーでさらに2点を追加。5回には山口翔梧(営1=龍谷大平安)がツーベースヒットを放ちその後3塁に進塁すると、龍谷大平安高校の先輩である西川の犠牲フライにより本塁生還。点差を6点に広げた。
6回、中西が先頭打者である1番・柳舘に投じた初球はライトスタンドに飛び込み、ホームランを浴びる。7回には2者連続のヒットや四球により満塁のピンチを招くと、続く打者にもヒットを許し追加点を与えてしまう。ここで中西は降板。代わってマウンドに上がった鈴木は、自己最速となる151キロを計測するなど、気迫溢れるピッチングをみせるも食らいつく打者に競り勝つことができず、押し出しの四球でこの回2点を失った。
國學大の反撃はまだ終わっていなかった。先頭打者・伊東が鈴木のストレートを捉え出塁すると、途中出場の6番・落合にセンター前へのタイムリーヒットを浴びる。その後の打者には四球を与え、同様に途中出場の8番・赤堀には1点差に迫られるタイムリーツーベースを許してしまった。
これ以上の失点は許すまいと、9回のマウンドにも鈴木が上がった。首脳陣は「泰成を行かせます。投げ切らせます。自分で超えてこい、と」腹をくくり、鈴木を送り出した。鈴木は8回とは打って変わって落ち着いた投球で打者を捌いていく。最後は見逃し三振で抑え、ゲームセット。相手の怒涛の追い上げを振り切って見事勝利し、勝ち点を獲得した。
安藤寧則監督は試合後のインタビューで「よく追いつかせなかったことと勝ち切ったことはよかったな、と」安堵の表情を浮かべるとともに「これを成長とは言いたくない」と反省を糧に次戦以降に向けて更なる努力を重ねていく所存だ。
勝ち点こそ獲得したものの、多くの課題が残った開幕カード。第2週の初戦は9月24日14時から、ここまで無失点と勢いに乗る日本大学と対戦する。「戦国東都」を勝ち抜き、その先の悲願の四冠に向けて青学大ナインは突き進んでいく。
(記事=比留間詩桜、写真=遠藤匠真・比留間詩桜)
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