いよいよ始まる秋季リーグ。17年ぶりのリーグ制覇、18年ぶりの日本一を成し遂げた青学ナインの活躍に期待がかかるシーズンを前に、全3回に渡る対談企画を用意しました。
初回は、甲子園を湧かせ今春の優勝にも大きく貢献した、中西聖輝 (コ2=智辯和歌山)と渡部海 (コ1=智辯和歌山)の対談をお届けします。
―春季リーグを振り返ってみてどうでしたか?
渡部海選手(以下、渡部):全試合ほとんどフルで出させてもらって、ある程度結果も出て。チームも1敗したんですけど、そのあと10連勝したことで自分の自信にもなりましたし、結果的に優勝もしたので非常に満足したシーズンではありました。
中西聖輝選手(以下、中西):自分は初戦、自分のピッチングっていうか投球の内容で1敗をつけたっていうまず悔しいところから入ったんですけど。そこからは特に長いイニング投げることなかったんですけど、チームとしては10連勝というところで結果は良かったんで、嬉しかった内容と先輩の凄さを感じられた大会でした。同時に、悔しい思いっていうところで、成長するきっかけになった大会かなって思います。
―リーグ戦を戦っていく中で課題は見つかりましたか?
渡部:特に守備面では結構良い面が出たんですけど、バッティング面でやっぱ高校と違うのが真っ直ぐの速さとか変化球のキレとか、全く違うんで。まず真っ直ぐに差し込まれないことを大前提にして、リーグ戦期間は練習に取り組んでいきました。
中西:自分はリーグ戦を通して、高校のときまでやってたトーナメント方式の大会とリーグ戦方式の大会でメンタルの持ち方とか、今までは1試合負けたら終わりっていう大会ばかりだったんですけど。初戦負けて自分すごい落ち込んでたんですけど、先輩たちから見たらやっぱり試合終わってすぐというか、もう次の日には次の試合に向けてのメンタル・新しい気持ちで入れてたところでもやっぱり自分自身引きずってしまったところがあったので、そこからはあんまりチームにプラスの働きが出来なかったというか、そういうところで学ぶことが多かったかなとは思います。
―普段のリーグ戦と全日本選手権で雰囲気などに違いはありましたか?
渡部:雰囲気はあまり変わらず、チームの雰囲気も。負けたら終わりなんですけど、いつも通り青学の明るさというか、ベンチの雰囲気も明るくて、試合前の雰囲気とかも別に変わることもなく出来たのは逆に良かったのかなと思います。
中西:いや、自分自身特に雰囲気は違いとか感じなかったですけど、大会の途中からよりチームに加速というか勢いがついたなっていうのは途中感じたんで、悪い方向での変化では全くなく、常に良い方向にチームが進んでいったのかなとは思います。
―(渡部選手へ)ベストナイン、新人賞の受賞を受けて感じたことはありましたか?
渡部:最初の目標としていたベストナインをまず取れたことは良かったんですけど、特に別に変わったことやったわけではなく、高校でやってきたことをそのまま継続して大学入ってからもやった結果がベストナインという結果に繋がったので。嬉しさはあるんですけど、それを継続して取り続けないといけないというプレッシャーも逆にありますね。
―(中西選手へ)渡部選手の受賞を受けて感じたことや刺激になったことはありましたか?
中西:もちろん後輩なんで凄いなという気持ちと羨ましいなという気持ちと。自分も頑張っていきたいと思います。
―高校時代と大学入学後にお互いに変わったと感じたところはありましたか?
渡部:高校時代はどちらかと言ったら…なんて言うんですかね。やっぱエースで責任感もあるんで、後輩とか同級生に厳しく言ったりしてたところもあったんですけど、僕に対しても。で、逆に大学入ってからは優しいというか穏やかという印象…いやそのなんて言うんですかね、厳しいところも持ち合わせながらなんですけど、印象というか接し方というか変わったかなと思います。
中西:そうですね。高校のときはちょっと厳しかった面もあったんですけど、大学入ってからは関係性がフラットになったというか、特にそこで上下関係作ってもあんまり良いことないと思ったんで、意識して変えた訳ではないんですけど、(渡部)海から、なんというか下からの押し上げというか、今までちょっと距離感があったものがより近くなったかなという印象はあります。
―高校と大学で練習環境に違いはありますか?
渡部:結構似てるかなと思います。智辯和歌山も人数少なくて少人数制でやってるんで、青学も少人数で全員が練習出来る環境があるんで。自主練習も結構多くてそこはもう智辯と似ていて。結構似てるかなというイメージです。
中西:そうですね。僕も結構似てる部分もあると思うんですけど、ただ、高校のときも全体短く自主練習長くみたいな自分で考える時間が多かったんですけど。(大学では)指導者から言われることがほぼゼロというか、試合中に自分が態度悪かったりとかたらたらしてたら注意受けるぐらいで、野球のことでこういう動きをしなさいとかああいうことしなさいっていうのはほとんどなく、ちょっとしたアドバイス的な感覚なんで高校のときよりも自分で考えて動くことが増えたかなとは思うんですけど、時間の使い方的にはそんなに変わらないかなとは思います。
―仲の良い同期や先輩はいますか?
渡部:星子(史1=大阪桐蔭)とか南野(総1=龍谷大平安)とか。あんまり仲悪いとかなく全員仲良い感じなんで。そういう感じです。
中西:僕は同期で言ったら1年生のときに寮で同部屋だった松本(コ2=盛岡大附)とか。キャンパスも一緒ですしほとんど授業も一緒なんで仲良くて。今で言ったらやっぱりピッチャー同士の絆は固くなってきてるので、渡辺(営2=金沢学院大附)だったりヴァデルナ(国経2=日本航空)だったり工藤(社2=山形南)だったり、やっぱりポジション的には仲良くなれるかなと思ってます。先輩後輩としてはそんなに上下関係も無いんで、皆いい感じに仲良くやってます。
―自分のアピールポイントを挙げるとしたら何がありますか?
渡部:アピールポイント…えーっと…(中西選手へ)何ですか?
中西:僕めっちゃ食べるの早いんで。デートとか誘ってもらったら食事に時間使わんと、買い物とか食事以外のところに時間が割けるかなと思いますね。
渡部:食べるの結構遅いんで、食事の面で結構時間かけるタイプですね。
―オフはどのように過ごしますか?
渡部:オフは遊びに行くときもたまにあるんですけど、基本はもう予定ないときは寮で寝たり、ゆっくりしますね。あんまり遊びに行かないです。
中西:自分も基本的に野球以外であんまり汗かきたくないんで、どっか行くにしてもやっぱり大きいショッピングモールとかクーラーガンガンに効いたところを積極的に選ぶタイプですね。そんなにアウトドアかって言われたらそうでもないし、中でずっと居とけって言われたらキツい部分もあるんで、そんな特に何もしないですね、オフのときは。ずっと寝てます。
―好きなプロ野球のチームはありますか?
渡部:阪神ですね。やっぱり出身も大阪なんで。ちっちゃいときから阪神が好きです。
中西:特にプロ野球は無いですね。やってたら観るんですけど、どっかに固執して応援するとかも無いんで。
―お互いのことをどう思っていますか?
渡部:高校のときからずっと尊敬していて。青学選んだのもやっぱり監督から声かけてもらったのもあるんですけど、中西さんがおるっていうのも大きかったんで。そこは思いは変わりません。
中西:こういうこと半笑いで言う時点でちょっとなめてますよね(笑)。
渡部:いやいやいや!
中西:いやいやでもやっぱかわいい後輩ですし、もちろん後輩だからこそ尊敬する野球選手なんで、信頼というところは厚いかなと思います。
―青山学院大学硬式野球部の好きなところはありますか?
渡部:先輩後輩関係なく、全員、4年生の先輩が1年生によく声かけてくださいますし、もう本当に家族みたいな。全然上下関係もなくなんでも話せるような先輩ばっかりなんで、そこが一番良いところかなと思いますね。
中西:上下関係もそうなんですけど、指導者との距離が選手とすごい近いんで。高校のときも距離感遠かったかと言ったらそうではなかったんですけど、やっぱり怖い部分とか一線あったんで、監督として。今はどちらかと言うと本音で話し合える関係というか、気を遣わずに練習中でも皆でおちょくりあうというか、っていうのもあるんで。チームの雰囲気としてはやりやすいというか、すごい好きなチームのカラーではあります。
―最後に、秋季リーグでの個人、チームの目標を教えてください。
渡部:個人としては僕はベストナインと打率3割を目標にしていきたいのと、チームとしてはやっぱりリーグ優勝、神宮大会優勝。四冠達成出来るように頑張りたいです。
中西:チームとしての目標はやっぱりもう1回完全優勝っていうところで。優勝、日本一っていうのはもちろんあるんですけど、目指してやっていきたいです。個人的にはまだまだベストナインとか言えるレベルじゃないんで、まずはチームの勝利に貢献出来るようなピッチングをしたいと思います。
(聞き手=田原夏野、写真=遠藤匠真)
終始和やかな雰囲気で質問に答えてくださった中西選手と渡部選手。2人の仲の良さが伝わってきました!二人の活躍は東都秋季リーグで見ることが出来ます。東都秋季リーグは9月2日に坊っちゃんスタジアムにて開幕します!四冠達成に向けて、熱い声援を届けましょう!
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