東都大学野球 春季1部リーグ 対日大 第2回戦 4月30日 於・明治神宮野球場
◆結果◆
日 大 000 001 001|1
青学大 101 000 12X|5
◆出場選手◆
1 二 藤原夏暉 大阪桐蔭
2 中 中田達也 星稜
3 一 小田康一郎 中京
4 捕 渡部海 智辯和歌山
5 三 初谷健心 関東第一
6 指 南川幸輝 大阪桐蔭
7 左 大神浩郎 福岡大大濠
8 遊 山口翔梧 龍谷大平安
9 右 青山達史 智辯和歌山
P 中西聖輝 智辯和歌山 → 鈴木泰成 東海大菅生
4月16日の初戦から中14日、再び対峙した日大との2回戦。投げてはエース中西聖輝(コ4=智辯和歌山)が初回に打球直撃のアクシデントを受けながらも冷静に立ち直り、9回途中まで11奪三振1失点の快投。打線は小田康一郎(史4=中京)の犠牲フライで先制し、青山達史(コ2=智辯和歌山)の本塁打や暴投による得点で着実に加点した。終盤には渡部海(コ3=智辯和歌山)の犠牲フライなどでダメ押し。投打がかみ合い、青学大が日大を圧倒した。
この日の先発マウンドに上がったのはエース中西。先頭打者を三振に打ち取り順調な滑り出しかと思われたが、続く打者への2球目、痛烈な打球が中西の右臀部付近を直撃する投手強襲の内野安打となった。「ここ数年当たったことがなかったのでびっくりした」と試合後に振り返った中西は状態の確認のためにベンチに下がり、場内は緊張感に包まれた。数分後、中西は笑顔で再びマウンドに戻った。その後1死1、3塁のピンチを招くも冷静さを失わず、変化球を低めに集めて打者を打ち取り、苦手とされる立ち上がりを無失点で切り抜けた。

先発の中西

中西への打球の直撃に渡部も気に掛ける
その裏の攻撃、リードオフマン・藤原夏暉(法4=大阪桐蔭)が鋭い当たりで出塁。続く中田達也(社4=星稜)も内野のミスを誘い、無死1、3塁と絶好の先制機を作る。ここで打席に立ったのは小田。冷静に犠牲フライを放ち、早々に1点を奪取した。

ヒットを放った藤原

出塁を果たした中田

犠牲フライを放った小田
さらに3回の攻撃、先頭打者で迎えたのは青山。青山は2年生ながら開幕戦から4番に座っていたものの、打撃不振もあり東洋大戦からは打順を下げていた。その青山が好投手・市川の変化球を読み切り、フルスイングで左翼スタンドへ運ぶ豪快な一発を放った。

ホームランを放った青山

笑顔で本塁に生還した
中西はその後も、緩急を活かした丁寧な投球で打者を手玉に取り、2回以降は2塁をも踏ませない圧巻のピッチング。4回に死球で一人を出した以外、ほぼ完璧な内容で試合を作った。回を追うごとに気迫も増し、雄叫びを上げながらテンポよくアウトを重ねていく。

中西はこの日も圧巻の投球
試合が膠着する中、均衡を破ったのは6回表。先頭の南川幸輝(総2=大阪桐蔭)が日大2番手・直江の甘く入ったストレートを捉え、左中間を深々と破るツーベースで出塁。続く大神浩郎(総1=福岡大大濠)が送りバントを成功させ、1死3塁とすると、青山の打席で暴投が生まれ、南川が好判断で本塁に生還。中盤で大きな追加点を挙げ、日大を突き放した。

塁上で喜びをみせる南川

冷静にバントを決めた大神
8回裏には藤原と小田がそれぞれ四球、敬遠で出塁し、1死1,2塁とすると、渡部の犠牲フライ、さらには相手の暴投の間に二者が生還。5-0とリードを広げた。

犠牲フライを放った渡部
中西は9回、2死まで漕ぎ着け、完封まであと一歩に迫ったが、代打・川原崎にタイムリーを浴びて惜しくも1失点。だが、ここで登板した鈴木泰成(社3=東海大菅生)が冷静に後続を断ち、試合を締めくくった。

2番手の鈴木
試合を終え、安藤寧則監督は「まだまだ反省点はあるし、守りの方でもイージーミスもあったので、もう一回引き締めるという意味で次に向けてのゲームになった」と冷静に振り返った。惜しくも今季3回目の完封勝利こそ逃したものの、9回途中11奪三振1失点の好投で4勝目を挙げた中西は「9回に長打打たれた場面とか、課題が多く出たので次の亜細亜戦までに修正したい」と覚悟を持って話してくれた。

青学大は3点目の勝ち点を獲得した
次戦の相手は、今季ここまで全勝で首位を走る強敵・亜大。リーグ優勝の行方を左右する大一番であり、勝ち点は何としても手にしなければならない。決して簡単な試合ではないが、「一戦必勝」、「全員戦力」を胸に戦い抜いてくれるだろう。春の頂点を目指す戦いは、いよいよ正念場を迎える。勝利の瞬間、ジャイアンツタウンに青学大ナインの笑顔が咲き誇ることを信じて、5月10日11時半から運命の一戦へ挑む。
(記事=比留間詩桜、写真=比留間詩桜・山城瑛亮・野田優花)
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