【硬式野球】副主将として駆け抜けた1年間~4年生インタビュー⑦中野波来~

硬式野球

大学三冠の快挙を成し遂げた今年のチームの4年生は、先日の明治神宮野球大会で青山学院大学硬式野球部を引退しました。青山スポーツでは4年生全15名にインタビューを行い、この4年間を振り返っていただきました。最上級生としてチームを牽引してきた選手・スタッフの皆さんの熱い言葉を全10回に渡ってお届けします。

第7回は今季副主将としてチームを支えた中野波来(法4)選手編です。


 

副主将として最終学年のシーズンを迎えた中野波来(法4)。中野にこの1年を振り返ってもらうと、結果的に優勝することが出来て嬉しかった反面、悔しい気持ちもあったという。中野は今年の春季リーグ戦では、スタメンでの出場機会よりも途中出場の機会の方が多かった。自分よりも下の学年の選手がスタメンで出場し、中野自身はベンチスタートという試合もあった。このことについて中野は、「出てない4年生が不貞腐れたり、声出さなかったり、マイナスな態度取ってるとその態度見て下級生が頑張ろかっていうふうに思わないと思うんで。出てない4年生が頑張ってたら『自分出てるから頑張らないといけない』と伝わると思うんで。そこで自分らが頑張ることがチームの勝利に繋がると思ってたんで。」と、話してくれた。 

 自分よりもチームを優先して動ける4年生がいたからこそ、大学三冠という素晴らしい結果を手にすることが出来たと中野は話す。明治神宮大会決勝で慶應大に敗れた日には、4年生以上に涙を流す下級生の姿があった。4年生が最上級生としてあるべき姿でいてくれたからこそ、下級生はそれになんとか応えたいと思ってくれていたのだろう。 

青学大の野球部には厳しい上下関係はなく、学年を超えて選手同士や監督、コーチとの距離が近く、仲が良いことが魅力であるという。中野はこの野球部の環境について「最高」だったと話した。スタンドからもイニング間に1年生と4年生が一緒にランニングをしている姿や下級生から上級生へ声掛けをしている姿が見られ、学年を超えて仲が良いというのが伝わってきた。主将の中島大輔(総4)や中野などの4年生を中心に作られてきた今年の野球部。4年生が作り上げてきた雰囲気が後輩たちにも伝わり、とてもいい雰囲気の中で1年を過ごせたのではないだろうか。 

また、中野は副主将としてチームを支えてきた。高校時代には最強と呼ばれた世代の1学年下で、大変なプレッシャーの中、主将という立場でチームを率いてきた。今年初めて主将を務めた中島の辛さは痛いほど分かっている。自身の主将経験を活かし、中島を支えた中野。 ここにも、個人の結果よりもチームの結果が出ることを優先した中野の姿が見えた。

 中野はこの4年間は「とても内容の濃い」ものだったと話した。現役世代では唯一、2部リーグを知る4年生。1部への昇格やプレーオフなどを経験し、最終学年には大学三冠を達成した。青学大野球部での経験を胸に、中野は来年から社会人野球の強豪・Honda鈴鹿でプレーする。新たなフィールドでも活躍する中野波来の姿から目が離せない。

(記事=田原夏野、写真=遠藤匠真、川崎史緒) 

コメント

タイトルとURLをコピーしました