第55回 明治神宮野球大会 対福岡大 第2回戦 11月22日 於・明治神宮野球場
◆結果◆
福岡大 000 000 001|1
青学大 001 010 00x|2
◆出場選手◆
1 一 初谷健心 関東第一
2 左 南野倫平 龍谷大平安
3 中 中田達也 星稜
4 三 佐々木泰 県岐阜商
5 捕 渡部海 智辯和歌山
6 右 青山達史 智辯和歌山
7 二 藤原夏暉 大阪桐蔭
8 遊 山口翔梧 龍谷大平安
9 投 中西聖輝 智辯和歌山 → 渡辺光羽 金沢学院大附 → 鈴木泰成 東海大菅生
約1ヶ月振りとなる公式戦は大学四冠達成に向けて絶対に負けられない明治神宮野球大会の初戦となった。重要な初戦のマウンドを任されたのは秋季リーグでエース級の活躍を見せた3年生投手・中西聖輝(コ3=智辯和歌山)だ。中西は7回1/3を被安打3 無失点と堂々たるピッチングを見せた。打席に立った際には四球、ツーベースヒットをマークし投打に渡って大活躍を見せた。
序盤は両チームともに無得点のイニングが続いたが、試合は3回に動いた。初谷健心(総3=関東第一)が初球を見逃さず先制弾となるソロホームランを放った。相手投手の攻略の糸口を中々掴みきれなかった青学大にとって、非常に大きな1点となった。初谷はこの打席について、「初回の入りが全然ダメで、ベンチも「2巡目から!」って感じだったので思いっきり行こうと思って入りました」と話した。
先発の中西は5回まで1つの出塁も許さず、完璧なピッチングを見せる。試合の流れを作った。
青学大は5回にも追加点を挙げることに成功。中西が四球で出塁すると続く初谷は相手選手のファンブルで出塁。南野倫平(総2=龍谷大平安)が相手選手の後逸で出塁すると、その間に二塁ランナーの中西が生還し1点を追加する。白熱の投手戦において大きな追加点となった。
中西は6回にピンチを招く。先頭打者にツーベースヒットを許すと、続く打者は送りバントを成功させる。さらに中西のフィルダースチョイスも重なり、無死一三塁のピンチに。しかし後続を三振と凡打に抑え、1回戦で7得点を挙げた強力打線にも得点を許さなかった。
7回には初球を捉え中西がツーベースヒットを放つ。自身にとって練習試合振りとなる久しぶりの打席について、「最後インコースの真っ直ぐは見えへんかったっすね。地面から湧き出てくるような。気づいたらキャッチャーが取ってましたね」と話した中西。第2打席については「二塁打はもう目つぶって、球速いんで。140km/hなんか見たことないんで。目つぶって打ったら当たって飛んでいって気づいたら二塁で手上げてましたね」と笑顔で語っていた。さらにホームランを放った初谷もヒットを放ち、盗塁を決める。追加点が欲しいイニングであったが後続は三振に抑えられてしまい得点を挙げることはできず。ロースコアの接戦が続いた。
8回にも再びピンチが訪れる。先頭打者が内野安打で出塁。さらにこの際に佐々木泰(コ4=県岐阜商)が肩を負傷し、治療のために一時ベンチに下がる事態に。佐々木はその後グラウンドに姿を現しプレーを続行。福岡大応援席からも佐々木へ声援が送られた。試合後に安藤監督は佐々木について、本人が行けるということだったのでそのままプレーを続行したと話した。脱臼かどうかなど、詳細はまだわからない状況だそう。
また、ベンチから外れた小田康一郎(史3=中京)の状態については「(右の)有鈎骨の骨折。神宮大会に合わせてきたんですけど、2週間前に診察であまり回復が良くないということだったのでその翌週に手術した」と話した安藤監督。小田に加え佐々木まで離脱してしまったら大きな痛手となる。佐々木の無事を祈るばかりだ。
代打の選手が送りバントを決め、続く打者は死球で出塁。ここまで好投を続けた中西だったが、8回途中でマウンドを渡辺光羽(営3=金沢学院大附)に託す。渡辺はわずか4球で2人の打者を抑え、この回も無失点で終えた。
そして迎えた最終回、絶体絶命のピンチを迎える。内野安打、四球で2人の走者を出すも後続を抑えゲームセットまであと1アウトとなる。しかし、二死一三塁でレフトへのタイムリーツーベースを打たれ1点を返されてしまう。一打逆転の大ピンチでマウンドは鈴木泰成(社2=東海大菅生)に託された。鈴木は1球で相手打者を仕留め、ゲームセット。緊迫した投手戦となった初戦を勝利で飾った。
昨年惜しくも成し遂げられなかった大学四冠達成へ向けて、重要な初戦を勝利で飾った青学大。打線の軸である選手を欠く中だが投手陣が奮闘し、接戦を制した。次戦は11月24日(日)の10時から明治神宮野球場で天理大学との試合が予定されている。試合後に中西が「最後、もう1回この4年生と冠目指して戦ってるっていうので込み上げてくるものがあったんで」と語ったように、4年生と1日でも長く試合をするために、そして有終の美を飾れるように「全員戦力」「一戦必勝」で試合に臨む青学大ナインから目が離せない。
(記事=田原夏野、写真=遠藤匠真、比留間詩桜、山城瑛亮、田原夏野)
コメント