東都大学野球 秋季1部リーグ 対中央大 第3回戦 9月4日 於・坊ちゃんスタジアム
◆結果◆
青学大 010 000 002|3
中央大 000 000 020|2
◆出場選手◆
1 中 中島大輔 龍谷大平安
2 三 佐々木泰 県岐阜商業
3 二 藤原夏暉 大阪桐蔭
4 左 西川史礁 龍谷大平安
5 指 星子天真 大阪桐蔭→清水隆太郎 都立城東
6 遊 初谷健心 関東一→手塚悠 常総学院
7 一 小田康一郎 中京
8 捕 渡部海 智辯和歌山
9 右 山本英錬 今治西
P 下村海翔 九州国際大付→松井大輔 県岐阜商→常廣羽也斗 大分舞鶴
1勝1敗で迎えた開幕カード第3戦目。強い日差しが降り注ぐ中行われたこの試合は、30度超えの暑さに負けない白熱の展開を見せ、青学大が執念の逆転勝利を飾った。
先発のマウンドを任されたのは、開幕戦で完投しチームを勝利に導いた下村海翔 (九州国際大付)。全112球の熱投から中1日での登板となったが、疲れを感じさせない安定したピッチングを見せ、初回を三者凡退で終えた。
2回表、公式戦初スタメン起用の星子天真 (大阪桐蔭)がセンターへのヒットを放つと、初谷健心 (関東一)の内野ゴロの間に進塁し、二死二塁の場面を迎える。ここで打席には、本日7番起用の小田康一郎 (中京)。「上位(打線)が作ったチャンスで回ってきたところを帰すというつもりで準備はしていた」と語った一打はライトへのタイムリーヒットとなり、青学大は先制点を獲得することに成功。勝ち点獲得に向けて幸先の良いスタートを切った。
その後は両者睨み合いの展開が続き、試合は膠着状態に。下村は、4回裏に二死満塁、6回裏に二死一二塁のピンチを迎えるも、味方の好守備にも助けられ7回まで相手打線を零封する快投を見せる。
再び試合が動き出したのは終盤に差し掛かった8回裏であった。ここまで好投していた下村は味方のエラーでランナーを背負うと、続くバッターに投じた初球をレフトに運ばれ一死一二塁のピンチを招く。7回1/3、132球を投じたところで下村は降板し、春に最優秀防御率のタイトルを獲得した松井大輔 (県岐阜商)がマウンドに上がった。
変わった松井は中大・櫻井の打席間にダブルスチールを決められ二死二三塁のピンチを迎えると、ライトへのタイムリー2ベースヒットを放たれ2失点。痛恨の逆転を許した。
9回表、中大は前日先発し青学大打線を封じ込めた西舘を投入。勝ち点獲得に向けて暗雲が立ち込めたかに思われたが、全国王者の底力は最終回で発揮された。先頭の星子がセンターへのヒットで出塁し、代走に瞬足の清水隆太郎 (都立城東)が起用されると、続く初谷がライトへの大きなあたりを放った間に清水が本塁に生還。安藤監督から「打ち勝て」と託された打席での一打はタイムリー3ベースヒットとなり、土壇場で同点に追いつく。さらに、無死三塁と引き続きチャンスの場面でこの日先制の適時打を放った小田を迎えると、センターへの犠牲フライが飛び出し執念の逆転に成功した。
最終回のマウンドには、前日の登板で悔しい結果となった常廣羽也斗 (大分舞鶴)が上がった。先頭打者に出塁を許すも、力のこもった投球で後続を打ち取りゲームセット。両者の意地がぶつかり合った1点を争う攻防戦を制し、青学大は開幕カードの勝ち点獲得を達成した。
試合後安藤監督は「選手がよくやってくれたなっていうところで、それに尽きると思います。」と語り、総力戦となった選手の頑張りを評価。「この3戦は今後の肥やしになると思うので、このリーグのおかげでまた選手がレベルアップしてくれると思います。」と、大きな収穫を得た3連戦であったことを明かした。この日2打点と大活躍を果たした小田は7番起用に悔しさを抱えつつも「それは個人の問題なので」と切り替え、「監督さん、中野さんだったり、スタッフの皆さんが考えた打順をどう自分で考えて、チームとしてプラスに働かせるかっていうのは夜の間ずっと考えていたので」と、自身の思いを述べた。
激闘を制した青学大は、春秋連覇の目標に向けて着実な一歩を踏み出した。次戦は9月18日の14時から神宮球場にて対国学大戦が控えている。秋季リーグも頂点に向かって駆け抜ける青学ナインの姿から目が離せない。
(記事=川﨑史緒、写真=遠藤匠真・川﨑史緒・童野翔也)
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