【硬式野球】リーグ戦初先発の鈴木が完投勝利!勝負は運命の3戦目へ

硬式野球

東都大学野球 春季1部リーグ 対亜大 第2回戦 5月11日 於・ジャイアンツタウンスタジアム

◆結果◆
亜 大 000 001 001|2
青学大 010 000 02X|3

◆出場選手◆
1 二 藤原夏暉 大阪桐蔭
2 遊 山口翔梧 龍谷大平安
3 一 小田康一郎 中京
4 捕 渡部海 智辯和歌山
5 三 初谷健心 関東第一
6 指 中山凱 専大松戸
7 中 中田達也 星稜
8 右 大神浩郎 福岡大大濠
9 左 矢野丈太朗 國學院久我山 → 打左 南野倫平 龍谷大平安

P 鈴木泰成 東海大菅生


 

首位亜大を前に初戦を落とし、後が無くなった青学大。負ければ目の前で胴上げを見ることになる重要な一戦で先発を任されたのは鈴木泰成(社3=東海大菅生)だ。今季は主にリリーフエースとして活躍している右腕が、遂に先発としてマウンドに降り立った。

鈴木は初回から150km/hを超える速球を連発。緩急をつけたピッチングで相手打者を翻弄した。最終回には153km/hを計測し、リーグ戦初先発で9回を107球で投げ切り、チームに優勝への望みを繋いだ。

リーグ戦初先発となった鈴木

打っては同学年の女房役・渡部海(コ3=智辯和歌山)から先制ホームランが飛び出す。その後、しばらくはスコアボードに0が並ぶイニングが続いたが、8回に小田康一郎(史4=中京)からタイムリーヒットが飛び出し、勝ち越しに成功。これが決勝点となった。

昨年の全日本大学野球選手権大会では5イニングのロングリリーフを任され、大一番の長いイニングでの強さを見せつけた鈴木。約1年後、遂に先発として初回からマウンドに立った。初回から直球が冴え、1回、2回と強力な亜大打線を三者凡退に抑えた。「初めての先発だったので、とにかく入りっていうのをすごく大事にして、もう初回とにかく全力で行って。それ以降はもう1イニング1イニング全力でいくっていう考えで。」と話した鈴木。自身が話した通り、完璧な立ち上がりを見せた。

2回表には4番に座った渡部から先制ホームランが飛び出す。大きな先制点となった。

ホームランを放った渡部

3回表には内野安打、エラーによって一死一二塁のピンチを招いた鈴木。後続の打者を打ち取り、得点を許さなかった。

3回裏、大神浩郎(総1=福岡大大濠)が死球で出塁するが盗塁失敗。追加点が欲しいところだが、僅か9球で抑えられてしまった。

4回表には鈴木がピンチを招く。亜大の3、4番打者に連続で四球を与えてしまい、無死一二塁となる。続く打者が送りバントを決め、一死二三塁と一打逆転の大ピンチに。後続を三振、ファーストゴロに抑え、このイニングも無失点のピッチングを続けた。

4回裏、この回先頭の山口翔梧(営2=龍谷大平安)がヒットを放つが、後続が続くことができなかった。

ヒットを放った山口

5回は両チームともに無得点に終わったが、6回表に試合が動いた。簡単に2アウトを奪った鈴木だったが、ヒット、暴投で二死二塁のピンチを招く。亜大の5番・小池祐吏にタイムリーツーベースヒットを打たれ、試合は振り出しに戻る。奇しくも小池は高校時代の鈴木のチームメイト。高校3年間を共にした選手に手痛い一打を浴びた。

点を取られた直後の6回裏。矢野丈太朗(法1=国学院久我山)がリーグ戦初ヒットとなるツーベースヒットを放ち、藤原夏暉(法4=大阪桐蔭)は四球で出塁。しかし後続が倒れ、この回も無得点に終わる。1点の遠いイニングが続いた。

リーグ戦初ヒットを放った矢野

そして迎えた8回裏、大神、藤原が四球、山口がフィルダースチョイスで出塁し満塁のチャンスを迎える。打席に立ったのは小田。小田は直球を捉えて2点タイムリーヒットを放ち、遂に勝ち越しに成功。試合前に防御率0点台だった亜大・井上から決勝打を放った小田。この打席について小田は、「みんなが繋いでくれたっていうところにすごい感動したというか。前の打席三振でチャンス潰しちゃってるんで。もうあの状況で回してくれたみんなにすごい感謝というか。もうここで打つしかないなっていうので打った後はもうなんか涙出てきました。」と語った。全員で繋いだバトンは、しっかり小田が受け取った。

四球を選んだ大神

殊勲打を放った小田

9回表のマウンドにも鈴木が立つ。しかし鈴木は二連打を浴び、自身の暴投もあり一時無死二三塁のピンチを招く。その後、犠牲フライで三塁ランナーが生還。1点差まで詰められてしまう。鈴木は9回にも153km/hを計測する気迫のこもったピッチングでラストバッターを空振り三振に仕留め、完投。リーグ戦初先発ながら9回を107球で投げ切る堂々たるピッチングを見せた。安藤監督は、9回に投手交代する選択肢は無かったと断言。鈴木にはそれだけの信頼感があった。

9回にも153km/hを計測

9回を投げ切ったことについて「1番はもうほっとしてるっていうのがすごいんですけど。大事な場面を任していただいたので、もうそれに結果で答えることができたのはすごい嬉しいです。」と話した鈴木。緊迫する試合での初先発で、自身の役割を果たした。

勝負は3戦目までもつれ込むこととなった。今季無敗の亜大に初めて土をつけた青学大。2試合続けて投手陣が奮闘し、ロースコアの接戦となった。負ければの前で優勝が決まる大一番。1年生から4年生まで一丸となって戦う青学大ナイン。五季連続のリーグ優勝への道のりはあと僅かだ。

 

(記事=田原夏野、写真=比留間詩桜、山城瑛亮、高木一郎、田原夏野)

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