【硬式野球】完全優勝でリーグ4連覇！エース児玉が意地の力投

東都大学野球　秋季１部リーグ　対中央大　第２回戦　１０月２３日　於・明治神宮野球場

◆結果◆

中大　０００００１ ０００｜１
青学大１００３００００×｜４

◆出場選手◆

１一初谷健心関東第一
２左南野倫平龍谷大平安
３三佐々木泰県岐阜商
４指松本龍哉盛岡大附
５中中田達也星稜
６捕渡部海智辯和歌山
７右青山達史智辯和歌山
８遊山口翔梧龍谷大平安
９二藤原夏暉大阪桐蔭

P 児玉悠紀日大三 → 渡辺光羽金沢学院大附

勝てば優勝が決まる大事な一戦。松本龍哉（コ３＝盛岡大附）の先制タイムリー、初谷健心（総３＝関東第一）の一発でリードを奪うと投げてはエース・児玉悠紀（コ４＝日大三）が６回１失点で今季初勝利を掴んだ。中大に連勝で勝ち点を５とし、完全優勝そしてリーグ4連覇で秋季リーグを締めくくった。

先発は今秋のドラフト候補である児玉。今季は初回に得点を許すなど苦しい立ち上がりが多かったが、この日の児玉は違った。時折ランナーこそ出したものの冷静な投球で打者を捌き、本塁を踏ませない。

先発の児玉

１回裏、佐々木泰（コ４＝県岐阜商）がツーベースヒットを放つと、４番・松本もライト方向へのツーベースヒットを放つ。その間に佐々木は生還し、貴重な先制点をあげた。

松本は先制打を放った

ベンチにガッツポーズをみせる松本

４回裏、先頭打者の渡部海（コ２＝智辯和歌山）がレフトへのヒットを放つと続く藤原夏暉（法３＝大阪桐蔭）は四球を選び、２死１・２塁とし、打席に立つのは初谷。「史礁（西川、法４＝龍谷大平安）さんたち出れない選手がいつもベンチで声を掛けてくださって。その人たちの分も自分がやらなきゃ」と覚悟を決めて挑んだ。チームメイトの思いをのせた球はライトスタンドに飛び込むスリーランホームランとなった。

打席に立つ初谷

喜びを爆発させてダイヤモンドを一周した

ベンチに戻ると西川との熱い抱擁が見られた

３年生の覚悟の一発に４年生は黙っていない。児玉は得意のスライダーを軸に打者を翻弄する。６回に中大４番・伊藤にソロホームランこそ許したものの、セカンド・藤原の守備も光り、最小失点で切り抜けた。児玉は６回94球1失点の力投を披露し、マウンドを後にした。

力投を見せる児玉

好プレーを披露しベンチに戻る藤原

2番手として登板したのは渡辺光羽（営３＝金沢学院大附）。渡辺はテンポの良いピッチングで相手打線を寄せつけない。8回には佐々木も好守備を披露し、会場を沸かせるとともに渡辺を援護する。

佐々木は安定感のある守備でチームを支えた

勝利まであとアウト３つとした9回も渡辺は圧巻の投球をみせる。最後はスライダーで三振を奪い、2時間23分の熱戦を制した。青学大は５点目の勝ち点を獲得し、完全優勝で東都リーグ4連覇を果たした。ガッツポーズで喜びを爆発させる渡辺に青学大ナインは駆けつけ、マウンド上は歓喜の輪に包まれた。

優勝を決め、喜ぶ渡辺

ベンチから出てくる選手たち

青学大は4季連続の優勝を果たした

終わってみれば勝ち点５と圧倒的な強さをみせた青学大だが、この秋季リーグは順風満帆にはいかなかった。開幕カードでは初谷が体調不良によりベンチ外。その後、主砲・西川や佐々木さらには小田康一郎（史３＝中京）の怪我による離脱といったアクシデントが多発した。その中で一人一人が果たすべき役割を見つけ、その役目を全うすべく戦いに挑み続けてきた。それはまさに「全員戦力」の体現だった。

全員で掴んだ優勝に笑顔の選手たち

悲願の四冠への挑戦権を獲得した青学大は11月20日から神宮球場で開催される明治神宮大会に出場する。この大会について西川は「ユニフォームを着た姿で挑戦していけるようにやっていきたい」と話し、主砲の復活にも期待がかかる。戦国東都を勝ち抜いた青学大は全国の舞台でもその名を轟かすこと間違いない。昨年の雪辱を果たし、再びこの地が青学大の歓喜に包まれることを期待したい。