東都大学野球 春季1部リーグ 対中大 第2回戦 5月24日 於・明治神宮野球場
◆結果◆
中大 101 000 001|2
青学大 000 000 001|1
◆出場選手◆
1 二 藤原夏暉 大阪桐蔭
2 右 中田達也 星稜
3 一 小田康一郎 中京
4 中 西川史礁 龍谷大平安
5 三 佐々木泰 県岐阜商
6 遊 初谷健心 関東第一
7 指 大手晴 横浜→松本龍哉 盛岡大附
8 捕 渡部海 智辯和歌山
9 左 南野倫平 龍谷大平安→ 打 星子天真 大阪桐蔭
P 児玉悠紀 日大三→ 中西聖輝 智辯和歌山→ 鈴木泰成 東海大菅生
勝てば優勝が決まるという大事な一戦は灼熱の日差しが差し込む中、幕を開けた。先発の児玉悠紀(コ4=日大三)は1回に繁永、3回に佐藤の適時打で計2点を奪われる。一方の青学打線も中大の4投手の継投リレーで8回までゼロに封じ込まれる。最終回小田康一郎(史3=中京)のタイムリーツーベースで1点を掴み取り反撃開始かと思われたが、あと1本が出ず敗戦。チームは3連敗となった。
先発のマウンドに上がったのは児玉悠紀(コ4=日大三)。児玉は初回からいきなりピンチを招いた。先頭打者に二塁打を許し、次の打者は打ち取ったものの1死3塁とすると中大3番・繁永に投じたスライダーはレフト方向へ。その間にランナーは生還し、先制点を献上した。続く打者は併殺打に打ち取り、最小失点で初回を終える。
2回裏、初球をうまく打った初谷健心(総3=関東第一)が出塁。俊足を生かし、盗塁を試みるも中大捕手・野呂田の強肩が勝利。進塁することができなかった。
3回、中大の流れを何としてでも止めようとエース・児玉がマウンドに上がる。先頭打者を三振に仕留めるが続く打者に四球・ヒットを許し、1死1・2塁と再びピンチを招く。すると中大2番・佐藤に甘く入ったストレートを打ち取られ、追加点を献上。その後は落ち着いた投球でこの回を終えたものの、3回2失点で降板。児玉の関して安藤寧則監督は「児玉自体は悪くなかったがアンラッキーな失点で流れが…」と頭を抱えた。
4回からは中西聖輝(コ3=智辯和歌山)が登板。5回と8回に中大9番・山本からヒットを許すも、伸びのあるストレートと多彩な変化球を操り、5回を2安打無四死球無失点と安定したピッチングをみせた。安藤監督も「2点ビハインドでいい緊張感のなか投げてくれた。今後に繋がると思う」と中西の好投を絶賛した。
4回、青学大は先頭打者の中田達也(社3=星稜)が出塁し盗塁を試みるもまたも中大捕手・野呂田に阻止される。5回にも先頭打者の佐々木泰(コ4=県岐阜商)が出塁するも後続にヒットは生まれず。青学打線は中大投手陣に苦戦し、追う展開が続く。
9回に抑えとして登板したのは鈴木泰成(社2=東海大菅生)。前回登板した対日大2回戦では甘く入ったカーブを捉えられ、被弾を浴びていた。「前回のカードの修正もできて、1球1球思いを込めて投げられていた」と安藤監督も称賛するように、鈴木は140キロ台後半のストレートを軸に相手打線を三者凡退に仕留め、わずか5球でこの回を終えた。
その裏の攻撃、2点を追う青学大は藤原夏暉 (法3=大阪桐蔭)がヒットを放つ。2死1塁とし、打席に立つのは初回にもヒットを放っている強打者・小田康一郎(史3=中京)。ここまで好投を続けてきた中大の3番手投手・三奈木が投じたストレートを完璧に捉え、右中間へのタイムリーツーベースとなった。ついに待望の1点をもぎ取った。
2死2塁とし、打席に立つのは西川史礁(法4=龍谷大平安)。今日一番の場面での西川の登場に球場のボルテージは最高潮に達した。西川は代わった中大投手・岩城に必死に食らいついていく。しかし最後はライトフライに打ち取られ試合終了。あと一歩のところで敗戦した。試合を振り返って安藤監督は「うまくいかないですね。選手たちにしかわからない難しさがある。でもこれを越えないと優勝はできないし…越えなきゃいけない壁ですね」と冷静に振り返った。
開幕以来8連勝と好スタートを切ったものの直近の3試合は全敗し、後がなくなった青学大。次戦は中大との第3戦で勝った方が優勝となる大一番だ。安藤監督は「選手たちはよく頑張っているし状態は悪くない。絶対勝てというよりは絶対負けるなという気持ちで送り出したい」と心意気をみせた。泣いても笑っても次戦で最後だ。運命の一戦に全力で挑んでいく青学大ナインに目が離せない。春季最終戦は5月29日午前9時から神宮球場でプレイボール予定だ。
(記事=比留間詩桜、写真=家永萌愛・田原夏野・比留間詩桜・山口小春・山城瑛亮)
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