関東大学対抗戦も残すところあと一戦。4年生たちにとって終わりの時間が刻々と近づいてきている。それはグラウンドで体をぶつけ続ける選手たちだけではない。今回4年生唯一のスタッフ(トレーナー)の遠田日菜(地4)にお話を伺った。普段あまりスポットが当たることがないスタッフとしてチームを支え続けた彼女の裏側は、青学大ラグビー部への愛であふれていた。
大学入学後、どこかしらの体育会の部会に所属したいと考えていた遠田。いろんな部会を見た中で、1番元気が良く雰囲気が自分と合っていたのがラグビー部だった。さらに第二外国語が一緒だった宮永玲太(経シス4)から会うたびに熱心な勧誘を受け、それに背中を押されてラグビー部の門を叩いた。
入部後、人数の都合で当初志望していたマネージャーではなく、トレーナーになった。最初はラグビーの知識もなく、トレーナーの仕事であるテーピングや体の筋肉についてなど覚えることが多く大変だったが、「学びが多く、総じて楽しかったです!」と笑顔で振り返る。
トレーナーは選手のコンディションを誰よりも近くで見極め、一人一人に合ったテーピングやケアを行うため、チーム内で大きな役割を果たしている。特にテーピングについては、「痛い箇所や骨格が選手によって違うから、その人に合ったテーピングをしなきゃいけないのが難しかったです」と語る。時には力のかけ方や位置を誤って悔しい思いもした。「選手の大怪我につながってしまうかもと考えると、毎日プレッシャーでした。」
そんな遠田にとって、同期の存在は大きかった。テーピング練習に付き合い、アドバイスをたくさんくれた。また、同期のスタッフがいない遠田に対し、ご飯や遊びなどにたくさん誘い、よく接してくれたおかげで寂しさを感じる隙もなかった。「本当に楽しい思い出ばかりです。毎日すごく楽しく部活に行っているので、みんなと話していることとか、本当に何気ないことが楽しいです」とニッコリ。
それだけではなく、後輩の女子スタッフ陣たちも大きな存在だった。4年生になり、遠田自身が手探りの中でも文句を言わず付いてきてくれて、積極的に質問したり、意見を出したりと全員が前向きにチームのために活動してくれた。そんな後輩たちに向け、「本当に感謝しています。来年こそ日本一を目指して、それをサポートする立場として頑張って欲しい」とエールを送った。
そんな彼女ももうすぐ引退の時期を迎える。残されたわずかな時間も、「最後まで選手たちが最高なコンディションでプレーできる環境を整え続けることが目標」と力強く語る。
また、4年間苦楽を共にした同期に向けて、「部内でもプライベートでもすごい良くしてくれて、なんだかんだ気にかけてくれる同期が大好きなので本当にいつもありがとうと言いたい。最後まで頑張ってください!」と愛のこもったメッセージを送った。
最後に「同期を一言で表すと?」と質問をぶつけると、遠田は迷いながらも「楽」という字を答えてくれた。「2つ意味があって。1つは本当にみんなといると『楽』しいので!もう1つは自分自身が『楽』でいられる、素でいられる環境を作ってくれるみんなが大好きなので!」と弾ける笑顔でその理由を語った。
最高の仲間たちと歩んできた4年間。小さい身体で大きな男たちを支えてきた。そんな彼女と大好きな同期たちが、最後に勝利を飾り笑顔で引退できることを願うばかりだ。
(記事=山口美海)
〈おまけ〉ずばり!遠田さん的注目選手を各学年1人ずつ挙げていただきました!
1年→青沼駿昌(マ1)
「1年生ながらずっと試合に出てくれているし、すごく真面目でいつも真剣に練習に取り組んでくれているので頑張って欲しいです!」
2年→寺本哲盛(法2)
「個人的にすごい可愛いなって思っていて推しなので!本当に優しくて、いつも手伝って欲しいと言うと、快く「いいですよ!」と仕事をしてくれます」
3年→江金海(総3)、山同光(法3)
「2人ともすごく積極的に話しかけてくれて優しいし、いつも笑わせてくれるので、その明るい感じで来年もチームを引っ張っていって欲しいなって思います!」
4年→桑田宗一郎(社4)
「4年生はみんな好きだけど、やっぱりここはキャプテンで!1年生の時から真面目に弱音を吐かずにやっていて、今は本当に完璧なキャプテンなので、最後まで是非応援して頂きたいです」
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