【硬式野球】北村気迫のピッチングで打線奮起も2点及ばず…駒大戦は黒星スタート

硬式野球

東都大学野球野球 春季1部リーグ 対駒大 第1回戦 4月19日 於・明治神宮野球場

◆結果◆
駒 大 000 200 023|7
青学大 000 201 011|5

◆出場選手◆
1 二 山田拓也 東海大相模
2 中 中島大輔 龍谷大平安
3 三 佐々木泰 県岐阜商業
4 一 片山昂星 東海大菅生
5 左 山中稜真 木更津総合
6 右 中野波来 大阪桐蔭
7 指 小田康一郎 中京
8 遊 手塚悠 常総学院→ 藤原夏暉 大阪桐蔭
9 捕 佐藤英雄 日大三→ 小鷹葵 中越
P 北村智紀 龍谷大平安→ 冨田冬馬 桐光学園→ 秋山功太郎 広陵→ 児玉悠紀 日大三


中大戦ではタイブレークの末、悔しい2敗を喫した青学大。悲願の優勝に向けて駒大とのカードでは勝ち点を獲得したいところだが、初戦は守備の乱れもあり、痛い黒星スタートとなった。

大事な初戦の先発マウンドを任されたのはエースの北村智紀(総4)。初回は安定したピッチングを見せ、駒大打線を三者凡退に打ち取った。

初回三者凡退に打ち取る北村

一方の打線は、主将の山田拓也(済4)や中大戦で本塁打を放った佐藤英雄(文3)らのヒットにより1回裏と3回裏にチャンスを作るも無得点に終わる。

1回裏ヒットを放った山田

3回裏ヒットを放った佐藤(英)

試合が動いたのは4回表、北村は被安打からの与四死球で2死満塁のピンチを招き、タイムリー2ベースヒットを浴びてこの回2点を許した。

4回表2失点直後の北村-佐藤(英)バッテリー

しかし、負けられない青学打線は黙っていない。その裏、今期好調な打撃を見せている山中稜真(社4)と続く中野波来(法3)が連打で1死2・3塁のチャンスを作ると、ベンチからも1年生とは思えないと声がかかるほどの活躍を見せている小田康一朗(文1)がレフトへ犠飛を放ち1点を返す。さらに、続く手塚悠(社3)がレフトへのタイムリー2ベースヒットを放ち1点追加。青学打線はこの回2点を獲得し、試合を振り出しに戻した。

4回裏犠飛を放った小田

4回裏タイムリーを放った手塚

6回裏には4番の片山昂星(総4)がセンターへのヒットで出塁すると、ピッチャー暴投の間に進塁して1死2塁のチャンスを作り、前打席ヒットを放った6番中野のレフトへのタイムリー2ベースヒットで1点追加。この回、青学大は逆転に成功する。

6回裏タイムリーを放った中野

しかし、このまま勝たせてくれるほど東都は甘くない。8回表、北村がランナーを許し1死2塁のピンチを招くとピッチャー交代が告げられ、前回初登板にして好投を見せた冨田冬馬(国3)がマウンドに上がった。気迫のピッチングが続いていた北村を交代させたことについて安藤寧則監督は「空振りが取れなくなってきてたので。バットに当てられると何かが起きるかなっていうのがあったので。」と振り返る。続く冨田は前回の好投を垣間見ることはできず、右中間へのタイムリー3ベースヒットを浴び同点を許すと、僅か2球で秋山功太郎(営3)と交代した。秋山も安定したピッチングを見せることができず、四球でランナーを出し1死1・3塁のピンチを招くと内野ゴロの間に1失点。この回計2点を失い、逆転を許した。

8回表交代直後に同点打を浴びた冨田

その裏を無得点で終わらなかった青学打線からは、勝利を渇望していることが強く感じられた。3番佐々木泰(コ2)が執念の1打でセンターへのタイムリー2ベースを放ち出塁すると、続く片山が犠打で送り1死3塁、好調山中のレフトへのタイムリー2ベースで1点を返し、再び試合を振り出しに戻した。

8回裏執念のヒットを放った佐々木

8回裏同点打を放ちガッツポーズを取る山中

しかし、打線の奮闘も虚しく、9回表に秋山が2死1・2塁のピンチを招くと駒大・林(琢)にライトへのタイムリーヒットを浴び1失点。さらに続くバッターに四球を与えると、2死満塁の状況でファースト片山の送球エラーにより2失点。ここで1年の児玉悠紀(コ2)に投手交代し、計3失点で9回表を終えた。片山の送球エラーについて安藤監督は「アウトを取るためにという選択」と振り返り、「難しいプレーで、今までできてないわけではないので、こういう展開のこういう時に決めさせてやりたかった」と話した。

9回表ピンチを迎え安藤監督と言葉を交わす秋山-佐藤(英)バッテリー

9回裏には代打小鷹葵(法4)のソロホームランが飛び出し1点追加するも、あと2点及ばず初戦を黒星で終えた。

9回裏ソロホームランを放ち山田とハイタッチを交わす小鷹

9回裏小鷹のホームランに喜ぶベンチ

勝てる展開で試合を落としてしまうことが続いている青学大だが、安藤監督は「選手起用含めて自分の責任ですね。選手はよく頑張ってくれてるので。しょうがないです。良い結果が出せるはずなんですけど、代打にせよ投手交代にせよ結果が出せてないので。結果として出てないってことは、声掛けや出すタイミングというところが間違ってたかなと。反省してます。」と話す。内容的に悪くない試合を勝ててない中で、次に向けてという部分については「まずはもう一回、やろうと思えばやれること、連携プレー・共同作業の確認というところ、三・一のプレーだとかそういったところをもう一度確認することが大切かなと思っています。」と話した。

ヒット数11本と駒大を上回っており、先発北村も悪くない投球内容だっただけに、敗戦という結果がとても惜しい試合内容となった。神宮に戻ってきてからの4試合、内容的に悪くない試合ばかりの中で未だ1勝しかできていないというもどかしさは、誰よりも選手や監督自身が感じているだろう。投手陣も打線も優勝するには十分な状態に仕上がっている。悲願の優勝へのカギは、ちぐはぐな状態の戦力が嚙み合うところまで調整できるかということにかかっているだろう。青学大野球部の歯車がしっかりと噛み合って、優勝に向けて大きな動力を生み出す姿に次戦以降期待したい。

(記事=川﨑史緒、写真=遠藤匠真・川﨑史緒・童野翔也)

コメント

タイトルとURLをコピーしました