【硬式野球】春秋連覇に王手!初谷健心・渡部海のホームランなど10得点で打線爆発!

硬式野球

東都大学野球 秋季1部リーグ 対日本大 第1回戦 10月17日 於・明治神宮球場

◆結果◆
青学大  501 040 000 |10

日本大  000 000 000 |0

出場選手
1 中 中島大輔 龍谷大平安
2 二 手塚悠 常総学院
3 一 小田康一郎 中京
4 左 西川史礁 龍谷大平安
5 指 松本龍哉 盛岡大附→大手晴 横浜
6 三 佐々木泰 県岐阜商
7 遊 初谷健心 関東一
8 捕 渡部海 智辯和歌山
9 右 中野波来 大阪桐蔭→中田達也 星稜→山本英錬 今治西

P 下村海翔 九州国際大付→ヴァデルナフェルガス 日本航空→児玉悠紀 日大三


今年の東都秋季リーグもいよいよ最終節を迎え、4年生にとっては最後の学生野球となる瞬間が近づいている。今季は最後の最後まで優勝争いと最下位の行方がもつれ、まさに「戦国東都」にふさわしい混戦状態。青学大のリーグ制覇には今節の2連勝が必須となる中で迎えた初戦は、息をひそめていた打線が見事爆発し快勝を収める好発進に。春秋連覇に向けて、逆王手をかけることに成功した。

試合前の整列

負ければその時点で相手のリーグ優勝が決まってしまう、苦しい条件の中でスタートした試合であった。開始前には日大ベンチが円陣を組みスタンドと共に盛り上がる、まさにアウェイの空気感。しかし、春の王者は動じなかった。

試合前に円陣を組む日大

初回、今季初スタメンの手塚悠(社4)がセンターへのヒットを放ち一死一塁とすると、この日満を持しての3番起用となった小田康一郎(史2)がセンターへのタイムリー2ベースヒットを放ち、大事な先制に成功。さらに、松本龍哉(コ2)の内野ゴロは相手の送球エラーを誘い、その間にセカンドランナーの小田が生還。貴重な追加点を獲得した。

今季初スタメンでヒットを放った手塚

先制のタイムリーを放った小田

止まらない青学大打線は、続く佐々木泰(コ3)がレフトへのタイムリー2ベースヒットを放ち更なる追加点を奪うと、初谷健心(総2)から今季第1号となる2ランホームランが飛び出し2得点。「マイナスのことを考えずに、プラスで打席に入ったら自然と打てた」と、迷いなく振り抜いた打球はライトスタンドへと飛び込んだ。「ずっとピッチャーに助けられてきた。今日の試合は野手からいこう」の意識を持って挑んだこの試合、初回に5得点を決めるビッグイニングを演出し、先発の下村海翔(コ4)を援護した。

ガッツポーズを見せる佐々木

2ランホームランを放った初谷

ダイヤモンドを一周し大盛り上がりのベンチ

負けが許されない大一番で先発のマウンドを託されたエースの下村は、初回から気迫の投球を見せる。「空回りしてしまって、思い通りに投げられなかった」と一人に死球を与えるも、危なげないピッチングで三振を奪い、初回を無失点で終えた。

気迫の投球を見せた下村

攻撃では、前節喫した完封負けの雪辱を晴らすかのように打線は活気を取り戻し、試合の流れを完全に掌握する。

3回表、佐々木の四球、初谷のライトへのヒットと盗塁で一死二三塁のチャンスを迎えると、渡部海(コ1)の打席間に相手が暴投し1点を追加。

ホームへ生還する佐々木

5回表には、松本と初谷の四球により迎えた一死一二塁のチャンスで渡部がとどめの一発となるレフトへの3ランホームランを放ち、3点追加。さらに、中野波来(法4)の四球と中島大輔(総4)のヒット、手塚の四球で二死満塁とすると、4番の西川史礁(法3)が四球を選び押し出し。10得点目を奪い、相手を大きく突き放した。

3ランホームランを放った渡部

笑顔でダイヤモンドを一周した

その後の下村はこの日最も良かったと語るカーブを中心に投球を立て直し、着実にアウトを重ねていく。7回表には2本のヒットと四球で二死満塁とこの日最大のピンチを招くも、多彩な変化球で相手を翻弄し、最後は自慢のスライダーで空振り三振を奪う圧巻のピッチング。ピンチを無失点で切り抜け、打線の奮起に応えるエースの姿を見せた。

好投した下村

ピンチを凌ぎ吠える下村

8回からはヴァデルナフェルガス(国経2)がマウンドに上がった。制球に苦しみ四球・ヒット・死球で一死満塁のピンチを背負うも、変化球を織り交ぜながらきっちりと後続を抑え、このピンチを無失点に抑えた。

リリーフ登板したヴァデルナ

クローザーには、ここまで期待に応えるピッチングを見せている児玉悠紀(コ3)が起用された。落ち着いた投球でテンポ良く投げ込み、相手打線に反撃の隙を与えない。2三振を奪い、最終回を三者凡退で締め試合終了。リーグ優勝を大きく手繰り寄せる初戦勝利を手にした。

好投を見せた児玉

試合後、安藤寧則監督は「攻撃のほうも守りのほうも良い部分がたくさん出たと思います」と振り返り、「さすがだなって思ったのが、1番のキャプテン中島の姿」と、キャプテンの活躍ぶりを称えた。優勝が懸かった明日に向けた思いを問われると「今まで積み上げてきたものっていうのをとにかく発揮するだけ。その一点です」と語り、覚悟を持った眼差しで意気込んだ。下村は自身の投球について「満足はしてない」と振り返りつつも、試合途中から立て直したことについては「カーブから整えていって真っすぐの質も上げていくっていうイメージで、そうしたら結構いい感じにまとめられたので、そこは試合の中で工夫できた点かなと思います」と、満足げな表情を見せた。

この日4打数2安打と活躍した中島

リーグ制覇に向けて、2連勝が絶対条件というプレッシャーのかかるカードで初戦勝利を挙げた青学大。戦国東都の混戦模様に苦しみつつも、大一番で力を発揮できる強さには、王者の風格を感じずにはいられないだろう。同日行われた2試合でそれぞれ中央大と国学院大が敗戦したため、第2戦で勝利を収めたほうが頂点に立つこととなる。事実上の優勝決定戦に向けて、下村は「最後は意地で勝って、優勝します」、初谷は「このまま雰囲気変えずに、勢いでやっていきたいと思います」と試合後に意気込んだ。

春季リーグ制覇の瞬間、マウンドに駆け寄り歓喜の輪を作る選手たちの姿は今でも脳裏に焼き付いている。このメンバーで挑む最後の「リーグ制覇」を目撃する準備は整った。10月18日14時から神宮球場にて、運命の第2戦が開幕だ。

(記事=川﨑史緒、写真=遠藤匠真・川﨑史緒・渋谷聡志・比留間詩桜)

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