東都大学野球 秋季1部リーグ 対亜大 第1回戦 9月10日 於・ZOZOマリンスタジアム
◆結果◆
亜 大 000 000 000 |0
青学大 100 001 01× |3
◆出場選手◆
1 中 中島大輔 龍谷大平安
2 右 山中稜真 木更津総合
3 遊 山田拓也 東海大相模
4 三 佐々木泰 県岐阜商業
5 指 小田康一郎 中京
6 一 片山昂星 東海大菅生
7 二 藤原夏暉 大阪桐蔭
8 捕 佐藤英雄 日大三
9 左 大手晴 横浜→西川史礁 龍谷大平安→山本英錬 今治西→中野波来 大阪桐蔭
P 北村智紀 龍谷大平安
前節の福島で開催された國學大との開幕カードで勝ち点を掴んだ青学大。悲願の1部リーグ優勝に向けて幸先の良いスタートをきったチームは、今春のリーグ戦で優勝し、全国大学野球選手権では日本一を掴んだ強敵・亜細亜大学との初戦を迎えた。また今節は東都リーグ史上初、千葉県のZOZOマリンスタジアムでの開催となる。海沿いであり風が強いことで有名な本球場では、冷静な守備力が不可欠だ。そのような状況下でも、青学大は普段から鍛え上げた対応力の高い攻守が光った。
先発を任されたのは、経験豊富のエース北村。この試合では140キロ前後ながらも低めに集まるストレート、さらに早い段階でストライクを稼ぐといったテンポの良い投球で試合をつくった。初回から先頭の田中幹也をレフトフライに打ち取るなど、打たせてとる投球で三者凡退に抑える。
試合は初回から動いた。先頭の1番・中島がライト前ヒットで出塁すると、2番・山中のライトへの高い飛球を相手がエラー。1塁ランナーの中島は俊足を飛ばし一気にホームまで生還。見事に先取点を掴み取った。
2回以降も北村の丁寧な投球が続いた。守備面でもセンター・中島やショート・山田の好守が光り、北村を全面にバックアップ。5回には二死二塁のピンチから亜大の9番・右田にライト前ヒットを打たれるも、ライト山中の好返球で本塁タッチアウトに。相手に付け入る隙を与えなかった。
追加点が欲しい青学大だが、亜大のエース・青山美夏人も要所を締める投球で、青学大に流れを渡さない。4回には2番・山中、5回には7番・藤原にヒットが出るものの、本塁は遠い展開に。5回までにはどちらに流れが転んでもおかしくない緊迫した投手戦が続いた。
しかし、6回裏2死から2番・山中がレフトへの二塁打を放ちチャンスメイクすると、3番・山田がファーストの頭を越えるライト線への適時二塁打を放った。攻守ともに頼りになる主将の一打で貴重な追加点を掴み取った。
さらに終盤の8回にも先頭打者の9番・中野が四球で出塁すると、1番・中島の犠打、2番・山中の犠飛で2死3塁のチャンスをつくる。ここで3番・山田がセンター前へと弾き返し、これがダメ押しのタイムリーとなった。
試合後半になっても北村の投球が衰えることはなかった。「春は7回で代わることが多かった、体力不足でマウンドを降りるのは悔しいことなので9回まで投げ切る体力をつくろう」と夏の練習に取り組んだと北村は話す。ウエイトトレーニングや、短・長距離のランニングの意図を理解し、質の良い練習を行ったことが今日の結果に繋がったのだろう。最終回まで低めに集まる直球と、カウント球に使った100キロ台のカーブ、スライダーやフォークを駆使し、亜大に凡打の山を築いた。最終回には1死から四球で出塁を許すも、次の打者を併殺打に打ち取り、リーグ戦で通算2度目の完封勝利。北村は「嬉しいですね」と自身の完封を振り返りつつ、「完封する中で、守備も最後のゲッツーも助けられたので、チームとしてもそこが嬉しい」と試合後に話した。
昨秋、今春と亜大相手に2連敗を喫してきた中で、今日の勝利は優勝に向けて大きな1勝となった。しかし、春の王者・亜大は束になって再び明日の試合に挑んでくるはずだ。青学大も決して気持ちを切らさず2勝目を勝ち取り、亜大から勝ち点を奪ってほしい。ここからが目標の「リーグ優勝、日本一」に向けての正念場だ。
(記事=石岡亮、写真=遠藤匠真・石岡亮・川崎史緒)
◆監督・選手コメント◆
安藤寧則監督
-北村の投球をどう評価しますか?
二重丸だと思います。
-どんな点が良かった?
丁寧に一人一人投げ切っていたのでそういった意図や意志が見えたのが良かったと思います。
-慣れない球場でしたが守備も良かったですね。
対応力というのは常に日頃から言っているので、春は大分開催から始まり、慣れない場所でも、この前は福島で、どのような状況でも色々な球場でやるかもしれないというのも言ってきて、やってきたのでよくそこは順応してくれたと思います。
-もう1点欲しい時に山田選手が打ってくれました
嬉しかったですね。前回死球の後身体痛いと思うんですけど、必死に人には見せないようにしているのをみてきているので、今日2打点ですよね。コツコツやってきているをみてきているので、結果として勝利に貢献するのを見ることができたのは僕としても嬉しいですね。
北村智紀投手
-ナイスピッチングでした。今日は何が良かったか?
やっぱり真っ直ぐで押せたという中で、変化球も低めに集められたのが良かった思います。
-変化球は何が良かったか?
変化球はそこまで良いボールがなかったが、ストレートが低めに強い球がまとまっていたので、それが効いて変化球も振ってくれたと思います。
– 変化球は何を投げたか?
フォーク、スライダー、あとはカウント、タイミングをずらすカーブを投げていました。
-相手は日本一の亜大、しつこい打線でしたが、先頭打者を全て取りましたね。それを意識してたか?
監督さんが言ったように、一人一人というように、完封しようと最初から思わずに、一人一人全力で、後ろが良いピッチャーがいるので、どこで力尽きても良いと思っていたので、そこで全力で行くことが出来ました。
-左投手ということで、亜大・田中幹也選手に出塁される場面がありましたが、走られる心配はあったか?
最初はケアするけど、信頼できるキャッチャーもいるので、そこまで走ってくるチームだからといってそこに警戒するよりもバッターで抑えることをずっとしゃべってきたので、ランナーを気にしすぎないことは予定通りできたのは良かったと思います。
-リーグ戦の完封は何回目?
去年秋の日大以来の2回目ですね
-完封するのはやっぱり嬉しいか?
嬉しいですね。やっぱり完封する中で、ピンチだったり、自分の力だけでなく守備も最後のゲッツーもそうですけどいろんなところで助けられたりというのがあったので、そこがチームとして嬉しいかなと思います。
-日本一を目標とするチームにとって、春の覇者・亜大に勝ったことに大きな意味があるのでは?
やはり日本一のチームはライバルというか憧れでもあるので、そういったチームに勝つことが出来たのは大きいことだと思います。
-もう一つ勝たないと?
はい。しっかり明日も勝って2連勝で終わらせたいと思います。
-明日勝たないと、もう一回投げないとですね。
はい。その時はまた頑張ります。
-球場への対応力と監督もおっしゃてましたが、風の強いZOZOマリンで心がけることはあるのか?
未知の世界で、体験してみないと分からないので、イメージする中で試合の中で改善していこうと思っていました。
-マウンドは投げやすかったか?
やっぱり良い球場というのもあって投げやすかったです。
-最後まで力が衰えなかった中で、この夏はかなり体力づくりに励んできたか?
春はやはり7回で代わるのが多かったので、そこの体力、精神力は先発として投げるためには、体力不足で代わるのは悔しい気持ちもあるので、しっかり9回まで投げれる体力をつくるためにこの夏は取り組んできました。
-どんな方法で?
ランニングの質をトレーナーの方と話し合って、ウエイトトレーニングで投げれる力や体力を上げることを目的にやってました
-ランニングの質とは?
ランニングも短ダッシュや長距離だったり、意図があるので、そこをよく考えてやっていました。
-その成果が出たか
はい。その成果が出たと思います。
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