【硬式野球】下村海翔が帰ってきた!好投に11安打の打線爆発で単独首位に浮上!

硬式野球

東都大学野球 秋季1部リーグ 対亜大 第2回戦 9月11日 於・ZOZOマリンスタジアム

◆結果◆
青学大 003 011 000 |5
亜 大 000 001 000   
|1

出場選手
1 中 中島大輔 龍谷大平安
2 右 山中稜真 木更津総合
3 遊 山田拓也 東海大相模
4 三 佐々木泰 県岐阜商業
5 指 小田康一郎 中京→小鷹葵 中越
6 一 片山昂星 東海大菅生
7 二 藤原夏暉 大阪桐蔭
8 捕 佐藤英雄 日大三
9 左 山本英錬 今治西→冨樫智也 関東一→中野波来 大阪桐蔭
P 下村海翔 九国大附


前日に北村智紀(龍谷大平安)の素晴らしいピッチングで、王者・亜細亜大学から勝利を掴んだ青学大。勢いそのままに攻守の噛み合ったゲーム展開で2連勝を遂げ、海風が吹き荒れるZOZOマリンで亜細亜大学から勝ち点を挙げることに成功した。

先発のマウンドには前回登板で勝利へ導くピッチングを見せた下村海翔(九国大附)。先頭打者から空振り三振を奪うものの、エラーと四球からニ死一、二塁のピンチを招く。しかし、下村‐佐藤英雄(日大三)バッテリーは焦らない。冷静にピンチを処理し、初回を無失点で終えた。

立ち上がりから空振り三振を奪う下村

先制点を獲得したのは2日続けて青学大だった。3回表、佐藤がセンターへのヒットで出塁すると、続く中島大輔(龍谷大平安)が四球、山中稜真(木更津総合)がセンターへのヒットでそれぞれ出塁し、一死満塁のチャンスを迎える。ここで打席には好調の山田拓也(東海大相模)。「先に点数を取ってあげれたらと思って打席に立ちました」と語った山田はライトへのタイムリーヒットを放ち、好投していた下村に先制点をプレゼント。続く佐々木泰(県岐阜商業)からもライトへのタイムリーヒットが飛び出し、この回青学大は3点を奪った。

センターへのヒットで出塁する佐藤

ヒットを放つ山中

先制のタイムリーを放った山田

タイムリーを放った佐々木

さらに、5回表にはニ死から山中がレフトへのヒットで出塁すると、頼れるキャプテン山田の2打席連続ライトへのタイムリーヒットで追加点を挙げる。

タイムリーを放ち喜ぶ山田

笑顔で生還する山中

火が付いた青学大打線ほど敵に回したくないものはないだろう。6回表に藤原夏暉(大阪桐蔭)のレフトへのヒットと捕球エラーで一死三塁のチャンスを迎えると、佐藤がセンターへの犠牲フライを放ちダメ押しの追加点を獲得。青学大はこの日、今春の王者・亜細亜大学を前に11安打5得点の猛攻を見せた。

生還しベンチとハイタッチを交わす藤原

打線が爆発したこの日の勝利は、下村の好投抜きには語れない。

下村本人も「一番良かった」と話すストレートが冴え渡り、序盤から次々に三振を奪っていく堂々の投球。147kmの速球と変化球を使い分け、亜細亜大打線を翻弄。4回裏にエラーと2死球で一死満塁のピンチを招くも、味方の好守備に助けられ無失点で切り抜けた。

147kmのストレートを投げ込む下村

一死満塁のピンチをしのいだ下村

5回までノーヒットピッチングを続けていた下村だが、6回裏、ついにヒットを許してしまう。一死二塁のピンチでタイムリーを許し1点を失ったが、藤原‐山田の二遊間の好守備もあり追加点を許さなかった。その後は疲れを感じさせない投球で相手を封じ込め、8奪三振120球を投じた気迫のピッチングでチームを勝利へと導いた。

守備でも魅せる山田

1部に上がってから自身初の完投勝利を収めた下村は試合後、「自信になった」と率直な気持ちを語り、安藤寧則監督も「良く投げ切ってくれたと思います」と下村に労いの言葉をかけた。

完投勝利を遂げた下村

1年生の冬に受けた手術から、1年以上投げられない日々が続いた下村。「少し落ち込んだ時期もあった」と話したが、強い気持ちで辛い日々を乗り越え、コツコツと積み重ねてきた血の滲むような努力が形として現れたこの完投勝利は、下村自身だけではなく、チーム全体を鼓舞する一勝となっただろう。

2カード連続で勝ち点を獲得した青学大は単独1位に浮上。悲願のリーグ制覇に向けて着実に歩みを進めている。

次戦は9月17日の14時からZOZOマリンスタジアムにて対日大戦が行われる。勢いに乗る青学大の快進撃に注目だ。

(記事=川﨑史緒、写真=家永萌愛・遠藤匠真・川﨑史緒・渋谷聡志・山口小春)


◆監督・選手コメント◆

安藤寧則監督

‐好投した下村をどう評価しますか?

良く投げ切ってくれたと思います。

‐山田キャプテンのパフォーマンスはどう評価しますか?

もう一本、ここでというところで結果としてついてきているのは積み重ねだと思うので。日々の積み重ねの成果が結果として出たことは本当に嬉しいです。

‐下村投手本人から夏は先発したいと言ってきたときの気持ちはどうでしたか?

よしって。先発完投というのは基本的にピッチャーに求めている部分でもありました。本人の中で手ごたえがあって僕のところに来たと思ったので、本当によしっていうのと、下村が投げてくれれば当然投手陣の戦力は上がるので、あとは投手陣のバランスを鑑みてどこで投げるのかを考えたら、(先発という位置が)チームが勝つ上で一番いいところ。チームの勝利と本人の思いや希望もあって先発というところで名前を呼ばせてくれていることに関しては、僕としてはすごい嬉しい。ピッチャーは投げる専門なのに投げられないっていうのは相当なストレスと思いがある中、1年間過ごしてたと思います。とにかく今日こう(完投勝利)できて本当に嬉しいです。

下村海翔投手

‐今日の投球を自分ではどう評価しますか?

序盤は少し緊張して固い部分があったので、次の登板でそこは修正しないとだめだなと思います。後半は点を取られましたがそのあとも点差があったので落ち着いて投げることができて、それと、最後まで投げ切れたというのは次の自信になりました。

‐今日はどんな球種が良かったですか?

今日はストレートが一番良かったです。

‐このリーグ戦は初勝利?

1部では初めてです。

‐意外な感じがしますけど。

1年の秋に1部に昇格を決めてから手術して、去年一年投げられなかったので。やっぱり先発にこだわって練習してきたので、そこで初勝利を取れたのですごく嬉しいなと思います。

‐手術の具体的な日時は?

1年生の12月10日だったと思います。

‐そこからスローイングの再開はいつですか?

最初の予定で半年後には投げられるという話を聞いて一回投げたのですが、投げたときに結構痛みがひどくて。すぐ投球を自分でやめてもう一回病院で検査してもらったら、軟骨の治りが少し悪くて、もう一回そこをしっかり治さなきゃダメということで少しリハビリに時間がかかってしまいました。予定していたよりもさらに半年ぐらい遅れて、1年間くらいは全然投げられず、キャッチボールも痛いみたいな感じで。今年の2月ぐらいからようやく少しずつ力を入れられるようになって、3月から実践でも短いイニング限定で投げさせてもらって。春は短いイニングで後ろのほうで投げさせてもらって、だいぶ順調に肘がそこからは治ってきてくれたので、この夏からは先発したいですという風に監督さんに伝えて、やらしてもらいました。

‐右ひじのトミージョン手術?

いや、トミージョンじゃなくてクリーニング手術っていうのと、軟骨を再生させるドリリング手術っていうのをしたのですが、ドリリング手術に結構時間がかかってしまった。

‐投げられない長い期間、自分の中ではどんな思いでした?

最初は半年後に投げられるという想いでリハビリをしていたのですが、その時(半年後に投げたとき)に自分が思っているよりも結構激痛が走って、何がダメだったんだろうとかリハビリのどういうのがダメだったんだろうっていうのをすごい思いましたが、ボールが投げられない期間でも自分なりに考えてやれることっていうのは探してやっていたので。少し落ち込んだ時期はあったのですが、すぐ切り替えて、リーグ戦でみんなが頑張っている間や、みんなが試合で疲れて休んでいる間など、逆に言えば一人でずっとトレーニングできる期間とかはあったので、そういった意味ではボールが投げられないからこそできることはしっかりできたので、自分にとってはすごい良い時間だったなって思います。

‐春の時よりも今日のほうがずっとボールがきているように見えましたが、自分の中でもストレートの手ごたえみたいなのはどんなふうに変わっていったのですか?

春は短いイニングだったので力を入れて投げようという変な思いがあって、その日その日でけっこう力みで空回りすることが多かったです。プレーオフの前ぐらいにもっと質にこだわってやろうと思って、プレーオフでの中央大学さんとの試合で実践したら、自分の本来の伸びやキレのある球を取り戻せた感じがありました。練習ではスピードを上げるためのトレーニングはしているのですが、試合では狙うというよりは自然に(球速が)出るっていうのを意識して、今は球速は意識しないようにしてます。

山田拓也選手

‐今日の最初のタイムリーはどんな思いで打席に入りましたか?

前回も下村が良いピッチングしたのですが、バッターが点数を取れなかったので、先に点数取ってあげれたらなと思って打席に立ちました。

‐打ったコースと球種を教えてください。

多分フォークか落ちるボール。

‐1巡目と2巡目で亜細亜大・齊藤投手の変わった点や対策は?

基本的には変えてることはないです。オープン戦では1巡目に結果出すっていうのがチームのテーマとしてずっとやっていたのですが、このリーグ戦はなかなか取れてないところがあるので、そこを2巡目じゃなくて1巡目でというのはこれからもう少し改善していかなきゃいけないのかなと思います。

‐もう1点欲しいというところで出た5回のタイムリーはどんな感じで打席に入ったのですか?

一塁だったのでそんなに気負わず、変化球狙いで入ったのですが、一球仕留められなかったので追い込まれてからはとにかく対応しようという風に考えてました。

‐山中くんも良く走ってくれましたね。

はい。良かったです。

‐2カード終えた段階でキャプテンとしてどう評価しますか?

2つとも取れるっていうのは良かったですが、まだあと3戦ありますし、春も優勝争いのところから一気に脱落したので、そこは春の自分たちの経験を活かして、もう一回気を引き締めて一個一個大事にやっていければいいかなと思ってます。

‐亜細亜大から勝ち点を取ったというのは感慨深いですか?

今まであまり勝った記憶もないですし、春日本一になってるチームで、自分たちのやってきたことをぶつける最高の相手だと思っていたので、しっかりそこで結果出して2つ勝てたっていうのは一つ自信になったと思います。

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