【硬式野球】「青学の環境が、自分を頑張らせてくれた」~春季リーグ開幕直前特集 常廣羽也斗 編~

硬式野球

春季リーグ開幕直前特集第二回の主人公は、青学大の要である最速153㌔右腕・常廣羽也斗(法4=大分舞鶴)。自身の評価を大幅に上げた昨シーズンの振り返りや、今季の意気込みなどについて話を聞いた。


 

「少しずつ上がっていけた一年だった」

昨年の春季リーグ開幕戦は常廣の地元・大分で行われた。しかし、ベンチ入りメンバーに彼の名前はなかった。オープン戦や春季リーグ戦で思うような結果を残せず、順調なスタートを切ることができなかった昨シーズン。しかし、秋以降は絶対的リリーフとして目覚ましい活躍を遂げ、冬には大学日本代表候補選手の強化合宿に呼ばれるまでに。振り返ってみれば、自身にとって大きく飛躍した一年となっていた。本人も「少しずつ上がっていけた一年だったなと思います。」と振り返り、充実した表情を見せた。

速球を武器に打者を翻弄する常廣

「そもそも大学にはプロに行きたくて入った」

常廣のピッチングでしばしば注目されるのが、最速153㌔という大学トップレベルの球速。高校最後の試合で叩き出した142㌔から、現在までで11㌔の球速アップを遂げている。その秘訣について問われると、意外にも「球速に関しては(なんで速くなったのか)全然わかんない」と一言。「何もしてないです。高校野球を引退してから何か月か後輩の練習に付き合ったりして。それから大学きてすぐ148㌔出して」と、勝手に球速が上がったことに自身も驚いたという。

そんな彼の出身高校は県立大分舞鶴高校。県内有数の進学校であり、指定校推薦で青学大に入学した。やらされないとできないタイプだと自身について語る常廣は、青学大硬式野球部に入部して、周りから良い刺激をもらうことができたそうだ。「周りの環境が高校と違って、みんな自分で自分をめちゃくちゃ追い込む環境で。その中にいることで勝手にやらないといけないなみたいな気持ちになる。」「青学の環境が、自分を頑張らせてくれた」と良い意味でやらされる環境に身を置くことができたのが、現在の活躍に繋がっている。周りは強豪校出身者ばかりで入学当初は一人浮ついていたというが、ここまで野球を続け、成長を遂げるまでには一つの確固たる信念があった。「大学にはプロに入るために入ったっていうその理由がはっきりあったから、きつくても、野球だけはしっかり続けないといけないなという気持ちにしてきました。」基本はさぼりがちな体質だというが、入学当初の覚悟を常に強く持ちながら、日々努力を重ねている。

「青学のピッチャー陣は全然負けてない」

その努力が実った第一歩は、大学日本代表候補選手への選出であった。自分が選ばれることは予想してなかったそうだが、合宿への参加を通して確かな手ごたえをつかんだという。全国レベルの投手陣を目の当たりにして、すごいと感じる部分もたくさんあったが、同時に青学大の投手陣のレベルの高さも実感した。また、注目のドラフト候補捕手である進藤勇也(上武大)とバッテリーを組んだ経験は、自身の投球の幅を広げるきっかけになった。「自分がカウントで困りそうなときに、そういう球要求してくるんだとか、配球的な面でそういう使い方もあるんだなとか、そういう発見はあったかな。」と、柔軟な考えの進藤から新たな学びを得ることができたそうだ。

オフシーズンはひたすら投げ込んでいたという常廣。「そんなに器用な方じゃないから、少ない球数でフォームを覚えたりとかができない」と話し、数をこなすことでフォームを自分のものにする練習に励んだ。

「自分の投げたボールに対するバッターの反応とか、そういうのが大切。」

今季、自分のどこに注目してほしいかを問われると「打者の反応からどういうボールを投げてるのかを見てほしい。」と話す。「自分が速い球投げても打たれたら意味ないし、ボールそんなすごくなくてもバッターが空振りしてたらいいストレートってこと」自身が大切にしている、自分の投球に対する打者の反応に注目してほしいと語ってくれた。

大学野球ラストイヤーとなる今年。スカウトや世間からの評価は「今はあんまり見ないようにしてる。」そうだが、もちろん目指すところはプロの世界。「まだ今は全く焦ってないけど、ここから少しづつあげていって、最後、秋終わったときにドラフトで指名されるようにしたいかな。」「少しづつ、そんな焦らないようにやっていきたい。」と冷静ながらも覚悟を持った様子で意気込みを語ってくれた。そして「チームの目標は日本一」と、個人だけでなくチームとしての目標達成にも意欲を見せた。

昨秋は絶対的リリーフエースとして君臨した常廣。17年ぶりの悲願達成には、彼の力が必要不可欠である。しなやかなフォームから放たれる剛速球は、見る者を魅了する圧巻のピッチング。昨年を超える飛躍を遂げ、リーグ制覇・日本一、さらにはドラフトの指名を勝ち取ることができるのか、今季の常廣羽也斗から目を離すのは厳禁だ。

(記事・写真=川﨑史緒)


 

春季リーグ開幕直前特集ということで、常廣投手という人物についてもっと知ることができる質問にも答えていただきました!

 

・仲の良いチームメイトは?

―学校は法学部の人と行ってて、マネージャーの熊本(法4=青山学院)と副キャプテンの中野波来(法4=大阪桐蔭)。いつもその三人で行ってて、その三人は仲いい。いっつも一緒にいる。後輩は、ピッチャーだったら児玉(コ3=日大三)かな。宮崎出身(九州繋がり)だから。

・オフの過ごし方は?

―基本的にオフの日はずっと寝てる。

・好きなチームは?

―小学生くらいの時はお父さんが阪神ファンだったから阪神好きだったけど、今はどこもない。

・お手本にしている選手は?

―あんまり人真似してないけど、今永選手(DeNA)とかのまっすぐはすごいなと思います。

・大分のおすすめは?

―大分と言えば温泉。俺は行かないけど笑。大分帰っていいなって思ったのは、山に囲まれて自然な感じがいいかなって。

・名古屋で楽しみにしていることは?

―名古屋になにがあるかわからない。

・地方開催については?

―めっちゃ楽しい。人いたほうが楽しい。

・青学大硬式野球部の好きなところは?

―人が少ないから仲いいよね同級生同士でも。喧嘩とか起きてもすぐ仲直りせざるを得ないというか、そういう環境なのはめっちゃいいなって思うし、楽しいなって思う。一人一人の仲が深まるから。

・ファンの皆さんに向けて一言

―青学野球部は、優勝から遠ざかってて、去年優勝しかけたけどできなくて。去年の悔しさを胸に今年も優勝目指して全員で戦うので、最後まで暖かい応援をよろしくお願いします。

 

マウンド上でのクールな印象とは違い、明るく気さくに話をしてくれた常廣投手。そんな常廣投手を見ることができる東都春季リーグは、4月1日にナゴヤ球場にて開幕予定です。青学大選手の雄姿を現地で目撃し、熱い声援を届けに行きましょう!

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