【硬式野球】完全優勝達成!!驚異の10連勝で全日本選手権へ向け弾みをつける

笑顔を見せる松本 硬式野球

東都大学野球 春季1部リーグ 対亜細亜大 第2回戦 5月25日 於・UDトラックス上尾スタジアム

◆結果◆
亜細亜大 000 000 000|0
青学大   010 001 00X|2

出場選手
1 中 中島大輔 龍谷大平安
2 三 佐々木泰 県岐阜商業
3 一 小田康一郎 中京
4 左 西川史礁 龍谷大平安
5 指 松本龍哉 盛岡大附→清水隆太郎 都立城東
6 二 藤原夏暉 大阪桐蔭
7 捕 渡部海 智辯和歌山
8 遊 初谷健心 関東第一→星子天真 大阪桐蔭→手塚悠 常総学院
9 右 中野波来 大阪桐蔭

P 渡辺光羽 金沢学院大附→下村海翔 九国大付


國學大戦で17年ぶりの優勝を決めた青学大。前日行われた対亜大1回戦でも勢いを殺すことなく2桁安打と粘りのピッチングで快勝。

快進撃を続ける青学大は完全優勝をかけ亜細亜大との第2回戦に挑んだ。

先発のマウンド任されたのはリーグ戦初先発の渡辺光羽(金沢学院大附)。初回、2回ともにヒットと犠打でピンチを招くも、冷静に後続を打ち取りピンチを切り抜ける。

今季初先発の渡辺

先制点が欲しい青学大は2回裏、打撃好調の4番西川史礁(龍谷大平安)が打ち取られるも、5番松本龍哉(盛岡大附)が力強く打った打球はライト方向へ伸びソロホームランとなる。この松本の公式戦初ホームランにより、青学大は1点を先制する。

ソロホームランを放つ松本

笑顔を見せる松本

自身初のリーグ戦本塁打に笑顔を見せる松本

 

渡辺は3回表、先頭打者にヒットを許すも守備に助けられ0点に抑え、4回にも先頭を四球で出すも渡部海(智辯和歌山)の好送球でダブルプレーに仕留めるなど、味方の好守備もあり相手打線に点を与えない。好送球を見せた渡部

青学打線は4回裏に小田康一郎(中京)が、5回裏に藤原夏暉(大阪桐蔭)がそれぞれヒットを打つも後続が続かず試合は後半戦へ。ヒットを打つ藤原

5回表は三者凡退で打ち取り、6回も気迫の投球でピンチを切り抜けた先発の渡辺。亜細亜大打線を6回無失点で抑え、勝ち投手の権利を手にしてマウンドを降りた。気迫のピッチングをする渡辺

好投を続けた渡辺を援護するため追加点が欲しい青学打線は6回裏、中野波来(大阪桐蔭)がフォアボールで出塁し、さらにゴロの間に2塁へ進む。2死2塁のチャンスで打席には打撃好調の小田。ネクストバッターズサークルには小田と打点王を競う西川が控えていた。「ネクストから『持ってけ!』と声をかけてくださって。」この西川の言葉に後押しされた小田は貴重な追加点となるタイムリーツーベースヒットを放った。「西川さんからしたら自分が打てば(タイトル争いに)負けてしまうかもしれない。でもチームはいつも『次の点』を求めて戦ってきた。さすが先輩、助けられた。」と笑顔で述べた。

ガッツポーズも見せる小田

勝負強いバッティングで打点王を大きく近づけた

 

下村に後のマウンドを託す渡辺

好投を続けた渡辺から下村へ笑顔でバトンタッチ

2-0とリードする青学大。7回表からは今季初リリーフの下村海翔(九国大附)がマウンドに上がった。7回表は味方のエラーで出塁を許すも安定した投球で0点に抑え、8回表は三者凡退に打ち取る。リリーフ登板で圧巻のピッチングを見せた下村

四球で出塁する中野

四球をもぎ取る中野

バントを決める中島

犠打でチャンスメイクをする中島

7回裏には松本のヒットなどで2死2塁、8回裏には四球や犠打、相手の暴投により1死2,3塁とチャンスが到来。しかし後続が続かず追加得点の好機を逃す。

そして迎えた9回表。下村は2死から四球で出塁こそ許すも、最後の打者をスライダーで空振り三振に斬りゲームセット。相手打線に一度もホームを踏ませることなくラストゲームを締めくくった。

最終節亜細亜大との第2回戦を2-0で勝利した青学大は、勝ち点5点目を獲得し、見事完全優勝を果たした。開幕初戦で負けて以降怒涛の10連勝と快進撃を続け、青学大硬式野球部の強さを見せた。

主将の中島大輔(龍谷大平安)は試合後、記者から完全優勝を遂げたことについて問われると「開幕戦の一敗からスタートして正直不安との闘いだったが、頼りになる仲間のおかげで完全優勝できた。素直にとても嬉しい。」と満足そうに振り返った。また、連勝の理由について問われると「オープン戦ではほとんど勝てなかった。でも、悪い時を知っているからこそあとは上げていくだけ。この気持ちの切り替えが、チーム全員上手くできていた。」と答え、チーム全体でつかみ取った優勝であることを強調した。

勝ち点5、10勝1敗、勝率.911と圧倒的な成績で春季1部リーグが終了。投打共に他大学を圧倒し、秋のリーグ戦も大きく期待が持てる充実したシーズンだったといえるだろう。

春季リーグも終了し、例年通りなら夏のOP戦に向け各選手が入念に調整を重ねる6月。しかし、今年の硬式野球部の夏は一味違う。17年ぶりの東都王者に輝いた青学ブルーには、第72回全日本大学野球選手権大会が待っているからだ。各リーグの覇者のみが出場を許される大学野球の全国大会。青学大は過去5回出場で優勝4回、準優勝1回と圧倒的な成績を誇り、まさに「実力の東都」を体現してきた。

過去に先輩たちが築き上げた黄金時代復活への足掛かりとなるか。全国制覇に必要な戦力は十二分に揃っている。質の高いストレートで高い奪三振率を誇る投手陣に、1番から9番まで全員が一発を狙える強力打線。極めつけは当時キャプテンだった井口資仁氏らと共に、大学1年時に全国制覇を成し遂げた安藤監督の存在だ。青学大は長らく1部リーグの優勝から遠ざかっていたため、今の選手たちにとって初めての全国大会となる。リーグ戦とは異なる一発勝負の世界で全国優勝の味を知る安藤監督の知見は、青学大にとって大きなアドバンテージとなるだろう。あと一勝に泣き全国への挑戦権を得られず卒業していった先輩たちの想いを胸に、ナインには自分たちの強みを生かしたはつらつとしたプレーを見せてほしい。主将の中島も「東都代表として出させてもらうので、全力プレー、恥じないプレーをするのはもちろん、日本一を目指して一つずつ積み上げて行くだけ。完全優勝したが、気を引き締め直してまたスタートしていきたい。」と全国制覇へ向け気合は十分だ。

初戦は6月6日14時プレイボール予定。東京ドームで国際武道大と広島経済大の勝者と対戦する。

(記事、写真=畠野杏・渋谷聡志)

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