【硬式野球】激闘の第3戦は打線が精彩を欠き悔しい敗戦…下村・常廣が好投も報われず

硬式野球

東都大学野球 秋季1部リーグ 対國學大 第3回戦 9月22日 於・ZOZOマリンスタジアム

◆結果◆
國學大 000 003 000 |3

青学大 010   000 000 |1

出場選手
1 中 中島大輔 龍谷大平安
2 三 佐々木泰 県岐阜商業
3 二 藤原夏暉 大阪桐蔭
4 左 西川史礁 龍谷大平安
5 指 松本龍哉 盛岡大付→谷口勇人 大阪桐蔭
6 遊 初谷健心 関東一→大手晴 横浜→手塚悠 常総学院→中田達也 星稜
7 一 小田康一郎 中京
8 捕 渡部海 智辯和歌山→佐藤英雄 日大三→青木颯汰 聖望学園
9 右 中野波来 大阪桐蔭→星子天真 大阪桐蔭

P 下村海翔 九州国際大付→児玉悠紀 日大三→常廣羽也斗 大分舞鶴


連日3時間超えの熱闘を繰り広げ、1勝1敗で迎えた第3戦目。未だ無敗のZOZOマリンスタジアムで行われた決戦は、國學大投手陣の前にあと一本が出ず、敗戦。青学大の秋季リーグ第2節は1勝2敗で終幕した。

先発を任されたのはエースの下村海翔(九州国際大付)。初回に國學大・柳舘からヒットを浴びるも魔球のカットボールが冴えわたり、無失点でこの回を終えた。

初回を無失点で終えた下村

勝ち点獲得に向けて序盤に先制点をあげたい青学大は2回表、四球で出塁した松本龍哉(盛岡大附)が初谷健心(関東一)のセカンドゴロの間にアウトに倒れ一死一塁。その後、初谷が小田康一郎(中京)の打席間に盗塁を決めると小田もヒットを放ち一死一三塁のチャンスを迎える。ここで相手投手の放った牽制が悪送球となり、その間にサードランナーが生還。相手の隙を見逃さない攻撃で大事な先制点をもぎ取り、先発の下村を援護した。

ヒットを放った小田

先制のホームを踏み、中野波来とハイタッチを交わす初谷

援護を受けた下村は、持ち前の多彩な変化球と抜群の制球力を武器に相手打線を翻弄。5回まで無失点に抑える投球で、エースとしての意地を見せつけた。

好投を見せる下村

今秋のドラフト注目候補・武内を前に追加点の機会をなかなか見いだせない青学大はこの1点を守り切りたいところであったが、戦国東都の世界は簡単に勝利を飾れるほど甘くはなかった。

6回表、ここまで好投し試合を作ってきた下村が先頭打者に3ベースヒットを許すと、後続打者への四球と内野ゴロ間の進塁で、一死二三塁のピンチを招く。ここで相手の打順が四番に回ると、初球をセンター後方に運ばれタイムリーヒットを浴び、2失点。逆転を許し、下村はここでマウンドを児玉悠紀(日大三)に譲る形で降板した。

児玉にマウンドを託す下村

先日の第2戦で先発し素晴らしいピッチングを見せた児玉は、味方のエラーで一死二塁のピンチを背負うと、ライトへのタイムリー2ベースヒットを許し1失点。わずか3球で降板し、マウンドには1戦目・2戦目と好投を見せている常廣羽也斗(大分舞鶴)が上がった。

リリーフ登板した児玉

常廣は持ち前の伸びのあるストレートを中心に投球を組み立て、火消しに成功。その後も落ち着いたピッチングで相手に追加点の機会を与えない力強い投球を見せ、リリーフとしての役割を全うした。

好投を見せた常廣

久々となった常廣-佐藤(英)バッテリー

連覇へ向けてこの試合を何としても勝利で終えたい青学大は6回裏、西川史礁(龍谷大平安)と松本のヒットで二死二三塁のチャンスを作るも、後続が打ち取られ無得点に倒れる。

ヒットを放った西川

さらに、8回裏には中島大輔(龍谷大平安)のヒットで二死二塁、9回裏には松本のヒットと小田の四球で二死二三塁の好機を生み出すも、あと一本が遠く無得点に終わり、ゲームセット。両者総力戦の激闘となった第2節は、國學大投手陣を打ち崩すことができず、今年初めて勝ち点を落とすという悔しい結果となった。

出塁し喜ぶ中島

ヒットを量産する松本

試合後、安藤寧則監督は「これが戦国東都」「甘くないですね、やっぱり」と、勝つことの難しさや東都大学野球リーグの厳しさを改めて痛感したことを明かした。一方で、青学大打線が苦しめられた國學大・武内について「武内君は良いです」「素晴らしいピッチャー」と、大学野球界トップレベルの投球に称賛を送った。

懸命に声援を送るベンチ

今節では2戦連続タイブレークにもつれるなど、苦しい戦いを強いられた青学大。春の圧倒的王者が秋には苦戦を強いられてしまうほど、戦国東都は厳しい世界であることを改めて思い知らされる3戦であった。あと一本に泣く悔しい場面も数多く見られたが、下村・常廣・児玉をはじめとする投手陣の好投が光る場面も多々見受けられ、収穫が大きかった第2節。今節での雪辱をバネに、王者としての圧倒的な強さを取り戻して連覇へ向け進化を遂げる青学ナインの姿に、期待が膨らむ一方だ。次戦は26日11時30分から、神宮球場にてプレイボール予定である。

(記事=川﨑史緒、写真=川﨑史緒・童野翔也)

コメント

タイトルとURLをコピーしました