東都大学野球 秋季2部リーグ 対拓大 第2回戦 11月5日 於・等々力球場
◆結果◆
青学大102010030|7
拓 大000000000|0
◆出場選手◆
1 二 山田拓也 東海大相模→打 小鷹葵 中越→二 西川藍畝 龍谷大平安
2 中 永山裕真 報徳学園
3 遊 泉口友汰 大阪桐蔭
4 右 井上大成 日大三
5 指 中野波来 大阪桐蔭→打 橘辰徳 帯広柏葉→打 南木寿也 桐蔭学園
6 左 中島大輔 龍谷大平安
7 一 片山昂星 東海大菅生
8 三 冨樫智也 関東一→三 鈴木蓮夢 常葉大菊川
9 捕 佐藤英雄 日大三
P 下村海翔 九州国際大付
拓大との第1回戦で惜敗し、2部優勝へマジック1のまま迎えたこの日。青学大の試合は第3試合で控えていたが、当日の第1試合で行われた日大対専大の試合で専大が勝利。2位の日大が敗れたため拓大との最終戦を迎えることなく、青学大の2016年春以来の2部優勝が確定した。とはいえ、チームはその情報に振り回されることなく最後まで戦い抜いた。最終戦では1年生右腕下村が1人で9回を投げ切り完封勝利。打線は7得点と、ラストゲームを有終の美で飾った。
下村は今季5試合目の先発マウンド。優勝が決まっていたこともあり、リラックスして迎えた。それでも「4年生が最後で、自分もこれまでの4試合でまだ1勝しか出来ていないので、最後はもっと貢献して4年生を送り出したい」と言った気持ちでマウンドに上がった。この日も140キロを超える直球と、多彩な変化球で相手打線を封じ込めた。2回こそは3本のヒットを打たれ2死、満塁のピンチを招くが、ここを無失点に抑えた。
打線は初回から繋がりを見せる。1死から2番永山が四球で出塁すると、3番泉口がライトへの二塁打で2,3塁とする。そして4番井上が遊ゴロを放ち青学大は1点を先制する。
さらに3回には先頭の9番佐藤がライトへの二塁打、さらに1死から永山が三塁線への内野安打で1死1,2塁のチャンスをつくると、3番泉口がセンターの頭上を超える二塁打を放ちさらに2点を追加する。
下村は中盤以降もキレのある真っ直ぐが冴え渡った。拓大打線に反撃の隙を一切与えない好投で無失点投球を続ける。この試合では拓大打線に長打を一本も許さなかった。6,7回をテンポ良く抑え迎えた8回の守備。ヒットと四球で1死1,2塁のピンチを招くも拓大の3番平、4番北川を連続三振に仕留め凌いだ。
8回の攻撃では2死満塁のチャンスから9番佐藤のセンターへのタイムリー、そして1番に途中出場の西川主将の気持ちのこもったタイムリーでダメ押しの3点を追加した。「自分自身試合に出れなくて苦しい状況が続いたが、それでも諦めないことの大切さをリーグ戦を通じて感じた。」と学生野球最終打席をヒットで締めくくった。大学野球をもって野球を引退する西川主将。この一本はチーム全員の心に響くヒットになり、ベンチからは大きな声援が沸き起こった。これは試合に出れない中でも、最後までチームを牽引し続けた姿をチーム全員が見てきたからであろう。
そして最終回の守備、下村は気迫のこもったピッチングで三者凡退に抑え試合終了。2部優勝が決まっている状況下でも、決して気を緩めることなく、昨年からの課題であった「あと1勝」を掴みとり、リーグ戦を締めくくった。
この試合の勝利で青学大は8勝2敗という結果に。勝率で他校と並ぶことなく文句なしの2部優勝となった。試合後の安藤監督は「こいつら(選手たち)が本当に報われた!それが1番!それに尽きる。」と選手を称えた。4年生に対して「この子たちは監督が3人替わっている。そんな中でよくやってくれた」と4年生達の頑張りを話した。神宮の舞台に立つことなく引退する4年生。彼らの頑張りはこのあと後輩たちが受け継ぐ。青学大硬式野球部の本来の目標は「1部に上がり、1部でも優勝して大学日本一を取ること」。この1部昇格はあくまで“通過点”だ。下級生主体であった影響から多くの選手が残る青学大。来季、神宮球場でどのようなプレーを見せてくれるか。そして、この冬どのように成長して来季を迎えるか、非常に楽しみだ。(記事・写真=石岡亮)
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