【陸上競技】逆境にも負けず、絆大作戦で復路優勝!総合は悔しい4位に

第97回東京箱根間往復大学駅伝競争 1月2日・3日 大手町〜箱根・芦ノ湖

◆結果◆
総合4位 11時間01分16秒

往路12位5時間35分33秒

1区𠮷田圭太 1:03:18 区間6位
2区中村唯翔 1:08:29 区間14位
3区湯原慶吾 1:04:48 区間14位
4区佐藤一世 1:03:09 区間4位
5区竹石尚人 1:15:59 区間17位

復路1位5時間25分33秒

6区髙橋勇輝 58:13 区間3位
7区近藤幸太郎 1:03:14 区間3位
8区岩見秀哉 1:04:29 区間3位
9区飯田貴之 1:09:20 区間2位
10区中倉啓敦 1:10:17 区間4位

今年も新たな1年の始まりを告げる箱根駅伝が無事に開催された。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、沿道での応援は自粛が呼びかけられる中、静かな箱根路で各校の選手達が凌ぎを削りあった。

青学大は優勝候補の筆頭であったが、昨年度2区を走った岸本大紀(社2)が股関節痛による長期離脱もありメンバー外。さらに3区を走る予定だった神林勇太(地4)は直前に右脚の仙骨を疲労骨折し欠場。その影響も響き、往路12位と出遅れた。復路では青学大は怒涛の追い上げを見せ復路優勝。総合4位へと躍進するも目標としていた箱根連覇は叶わなかった。

1区 𠮷田圭太

1区を任されたのはエース𠮷田圭太(地4)。2年連続の1区に、「昨年よりは緊張せずに自信をもってスタートラインに立つことができた」という。
1㌔3分半を越すスローペースで始まった1区。「今まで陸上を始めてから経験したことのないスローペース」と𠮷田が感じるほど。横に長く広がった集団で、先頭を行く塩澤(東海大)のすぐ後ろの位置をキープする。
集団が縦に伸びてきた中で、六郷橋付近で𠮷田は一度先頭に出る。18㌔付近で鎌田(法政大)が前に出ると、𠮷田は食らいつくものの徐々に離される。それでも気迫のこもった走りでエースの意地を見せた。「他大学からのプレッシャーをすごく感じた」ものの、今までの箱根駅伝の中で「一番楽しく走ることができた」という𠮷田。トップからは18秒の差、6位で中村に襷を繋いだ。

2区 中村唯翔


エース区間である2区を任されたのは、全日本大学駅伝で3区3位と抜群の安定感を見せた中村。
トップと18秒差の6位で襷を受け取ると、すぐに法政大や東海大に続く3位集団に追いつき集団走を始める。しかし各校の大エースたちが集まる区間での集団走はかなりハイレベルなものだった。「他大のエースたちとの差がこんなにもあるんだとこの駅伝を通して知ることができた」と本人も振り返るように、権太坂の定点では集団から遅れ単独10位に。最終的にトップの東国大とは2分13秒差の13位での襷リレーとなった。
初めての箱根路は苦いデビューとなったものの、得たものは大きいはずだ。

3区 湯原慶吾

3区を走ったのは湯原慶吾(文3)。昨シーズンでは三大駅伝全出走、今季は全日本駅伝出走を果たした湯原は駅伝経験値の高い実力ランナーだ。2区の中村からは13位で襷を受け取った。戸塚中継所でトップとの差は2分13秒。中村に背中を押され、勢いよく飛び出した。藤沢通過時点では順位をニつあげたものの、トップとは2分21秒差となかなか詰めることはできない。長い直線道路でも一つ前の10位を走る日体大の背中は遠く、単独走が続く厳しい展開となったが、それでも最後まで必死に駆け抜けた。11位で4区の佐藤に襷を託した湯原は、「本当に悔しいレースとなってしまった」と振り返るように、走り終わった後は表情を曇らせ、笑顔の襷リレーとはならなかった。

4区 佐藤一世

期待のスーパールーキー佐藤は追う展開で湯原から11位で襷を受け取った。コース中盤、9.1㌔地点においてもトップとの差は中々縮まることなく、前も見えてこない状況。トップとはその差3分50秒を空けていた。15㌔地点で前を走る福住(日体大)の姿を捉え、スタート時には1分以上あった差を僅か12秒まで詰める。区間4位にあたる好走で日体大をかわし、小田原中継所まで駆け抜けた。自身初の箱根出走、前を向いて直走りし順位を一つ押し上げチームに貢献する走りを見せた。

5区 竹石尚人

前回大会は、故障により自らメンバー入りを辞退した竹石。箱根駅伝の為に留年を決意し、並々ならぬ想いで箱根の山に再び挑んだ。山上りは2年ぶり3度目。
10位で襷を受け取ると爽やかな笑顔で走り出し、神奈川大学を追いかける。しかし、14㌔過ぎで2度足を止め、足を伸ばすストレッチをする。その後も足のけいれんに苦しみ、険しい表情で走り続けた。「一世(佐藤一世)が流れを引き戻した襷を、自分の区間で(その)流れを消してしまうような走りをしてしまい、チームを優勝から大きく遠ざけてしまったことが本当に悔しい」と試合後の報告会で述べた竹石は、順位を2つ下げ、12位で往路のフィニッシュテープを切った。

6区 髙橋勇輝

復路の流れを作る6区に出走したのは髙橋勇輝(国経3)。
髙橋は1位創価大と7分35秒、シード圏内である10位拓大とは42秒の差を経てスタートした。往路を終えた時点で“復路優勝”を公言していた青学大。往路12位からの巻き返しを図るため高橋がどのようにチームへ新風を吹き込めるのかカギを握る。
スタートして早々、31秒の差があった11位早大の姿を捉え、一気に距離を縮める。しかし、オーバーペース気味で入ったせいか、なかなか早大の前に行くことが出来ず、9キロ地点で再び早大から後れを取った。一度は拓大を捕え、11位に浮上するも、再び10キロ地点では、芦ノ湖で同スタートを切った城西大にかわされ12位へ転落。そこから城西大と激しい11位争いを展開した。しかし、ここから意地を見せた髙橋。再び息を吹き返した。一気に城西大を抜き去り、早大との差も詰め寄りにかかる。17キロ地点の函嶺洞門を区間5位で通過した髙橋は一気にギアを上げ、小田原中継場手前でついに早大抜き去った。そのままシード圏内10位で7区近藤(営2)へ絆の襷をつないだ。個人では58分13秒と昨年度の谷野航平氏(20年法卒)を上回るタイムで区間3位の好走を見せた髙橋。まさに“復路優勝”へ希望を生み、見事な新風をチームに吹き込んだ。

7区 近藤幸太郎

着々と順位を上げ、好スタートを切った6区の高橋の後を継いだのは、今期絶好調の近藤幸太郎(営2)。その勢いは止まることなく10位で受け取った襷を7位まで引き上げ、さらに復路首位のタイムへと上り詰める好走を見せた。近藤は今期、自己ベストを次々と更新して確実に力はついていたものの、全日本大学駅伝では思うように走れていなかった。駅伝の借りは駅伝で返したいという思いから前回の悔しさを力に変え、中盤まで区間トップのスピードで快走し、初出場となる箱根駅伝でチームに良い流れをつくった。結果的には区間3位であったものの、1位との差はわずか4秒であった。

8区 岩見秀哉

6区7区の良い流れを引き継ぎ、8区を走ったのは、岩見秀哉(教4)。2年前の箱根では低体温症により、思うような走りを出来ずに苦しんだ。昨年度は惜しくも区間賞こそ譲り、リベンジに燃えた箱根ラストラン。「自分も最後4年生らしい、最後までやり切ろう」と意気込みレースに臨んだ。7位で平塚中継所をスタートした岩見は6位に順位を上げ、5㌔付近で5位の熊谷(東京国際大)をとらえた。最後はトップとの差を6分20秒まで詰め、9区の飯田に笑顔で襷を渡した。区間賞とはならなかったものの、区間3位の快走を見せ、東海大との差を26秒までに縮めた彼の走りは、復路優勝に導いたと言っても過言ではない。

9区 飯田貴之

横田俊吾(教2)に変わって9区に入ったのは、チームトップの練習量を誇る飯田貴之(総3)。1年時の箱根では8区2位。2年時は5区2位の結果を残した。序盤から着々と4位走る東海大を追い上げ、権太坂地点では東海大と並走する形で4位通過した。そのまま4位争いがしばらく続く中、横浜駅の給水地点で飯田を待っていたのは直前に疲労骨折が判明し、出走が叶わなかった神林勇太主将だ。そんな神林主将力水を受け取り、神林主将の分まで9区を走った。長田(東海大)と10km以上の並走を経て、19km地点で単独4位に浮上した。同じ八千代松蔭出身で4区を走った佐藤一世に続いて好走を果たした。

10区 中倉啓敦

最終10区を任されたのは大学駅伝初出走となる中倉啓敦(社2)。全国高校総体では1500㍍で入賞経験もあるスピードランナーだ。
9区終了時点では青学大は復路1位。9区までの選手、そして他の部員たちの想いを胸に大手町に向かって駆け出した。「レース前は非常に緊張していた」と話す中倉だが、物怖じない堂々とした走りをし、鶴見中継所では1分15秒あった3位東洋大との差を、12km地点では運営管理者が見える位置まで詰めた。力を宿らせ走り続け、新八ツ山橋通過の時点では24秒差。そのまま清野(東洋大)をとらえ、一時は3位に浮上した。その後は再び3位を譲る展開となったが、大手町でフィニッシュテープをきるまで粘り強く走り、区間4位の力走を見せた。

目標はもちろん総合優勝であった。しかし、何があっても諦めず、1年間で築き上げた絆で繋がった青学大の走りは大きな感動を生むものとなった。来年の箱根ではこの悔しさを晴らし、王者復活へ。再び”完全優勝”を期待したい。

(記事=石岡亮、1区・山本路葉、2区・山口美海、3区10区・布村優果、4区・髙橋瑞紀、5区・堀井香菜子、6区・鈴木美衣、7区・古木遥香、8区・後藤圭登、9区・渋谷聡志)

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