今年度大学三冠を成し遂げた青学大。その中心にいた4年生は、2連覇を成し遂げた明治神宮野球大会をもって硬式野球部を引退しました。青山スポーツでは4年生12名にインタビューを行い、青学大硬式野球部で過ごした4年間を振り返っていただきました。最上級生としてチームを牽引してきた4年生の皆さんの熱い言葉を全11回に渡ってお届けします。第2回の主人公は勝負どころの切り札、田中幹大(国政4=武田)選手です。
田中は青学大で過ごした4年間を「本当に楽しかった。」と振り返る。日本一4回、リーグ優勝6連覇という特別な環境の中で過ごした4年間。「普通の大学生では経験できないレベルの中で、自分も負けないように練習できたのは良かった。」と語る。レベルの高い仲間と切磋琢磨し、リーグ優勝や日本一を何度も経験できたことは、何よりも財産になったはずだ。

強く印象に残っている出来事に、一昨年の神宮大会初戦を挙げた。佐々木泰(25年コ卒=現・広島東洋カープ)が試合中に負傷し、急遽内野手同士でキャッチボールをすることになった場面。「守備で絶対にミスができない状況だったので、自分と松本龍哉(コ4=盛岡大付)、星子天真(史3=大阪桐蔭)、森澤拓海(法2=履正社)で、みんな死んだ顔をしてキャッチボールしていました。」と苦笑いで当時を振り返る。青学大の強さ故に、選手たちは1つのエラーが命取りになるという重みを背負って試合に臨んでいた。

代打として大事な場面で出場する機会が多かった大学野球生活。思うような結果を残せない場面もあったが、「みんなで作ったチャンスなので、なんとかヒットを打ちたい」「人に代わって出るからこそ、結果を出したい」という思いで、打席に立ってきた。プレッシャーのかかる簡単ではない役割に、田中は覚悟を持って向き合ってきた。

田中をはじめ、多くの選手が青学大野球部を「家族」だと語る。苦楽を共にする中で、単なるチームメイトという垣根を超えた絆も青学大野球部の大きな特徴だろう。そんな”家族”の素敵なエピソードを語ってくれた。オープン戦で一塁を守っていた際、ショートバウンドの送球を捕ることができなかった。監督からの厳しい言葉を受け少し落ち込んでいたが、その後の練習で藤原夏暉(法4=大阪桐蔭)、初谷健心(総4=関東第一)、小田康一郎(史4=中京)、松本ら内野手が、自主練習の時間を使って一緒にショートバウンドを捕る練習をしてくれたそうだ。
最終学年となった1年間は、これまでとは違った難しさも感じた。以前は4年生の先輩たちがチームを引っ張ってくれていたが、自分たちが主体となり、方向性を見つけ、ひとつになることの難しさを実感したという。
後輩たちには、「それぞれの学年の色、個性を大切にしてほしい」とメッセージを送る。「先輩から学ぶことは大事だけど、同じである必要はない。自分たちのやり方で、チームを作ってほしい。」来年の青学野球部には「チームの目標として新キャプテンの渡部海(コ3=智辯和歌山)が言ってたように四冠。僕たちが達成できなかった四冠をもう一度達成してほしい。」と期待を込めた。また、期待している後輩には森澤と山口翔梧(営2=龍谷大平安)の名を挙げた。内野手の多い4年生の引退を受け、森澤に「日本一とかのために来年は森澤も引っ張っていかなきゃいけない。能力はあると思うので、自分の持ってる力をしっかり出せるように頑張ってほしい。」とエールを送った。

田中は活躍の場を社会人野球へと移す。卒業後も青学大での貴重な経験を武器にさらなる活躍に期待したい。仲間とともに戦い抜いた4年間。その姿は、確かに後輩にも引き継がれていくだろう。

(記事=野見山碧、写真=比留間詩桜・山城瑛亮・田原夏野)
◆番外編◆
記事には組み込めなかったエピソードを紹介!
ー4年生はどのような学年か
わちゃわちゃ、気分屋とか自己中みたいな人が多くて変な時にまとまる個性的な学年です。
ー自分の性格を一言で表すと
めちゃくちゃマイペースです。わちゃわちゃする時もあれば、自分のしたいことをする時もあります。
ーマイペースなエピソードありますか
初谷と小田と3人で学校に行く時は自分と小田が割とマイペースで、初谷にドアのところで「なんで来ないんだよ」とか言われて、結局授業に間に合わなかったり(笑)。
4年生一人一人の印象も教えてくれました。
中西聖輝(コ4=智辯和歌山)は最後1年間同じ部屋で、しっかりする時と遊ぶ時とのメリハリがある。すごい細かい人のクセとかしっかり見てて学ぶところもたくさんあった。渡辺光羽(営4=金沢学院大付)は自分の中に芯があって決めたことは最後までやり切る。ヴァデルナフェルガス(国経4=日本航空)はひねくれてるっすね(笑)。おもしろい。反骨心がある。小田は自分のことをよくわかってる。何をすればいいか、とか。それだけじゃなくて人のこともわかっててアドバイスも的確にくれる。初谷はおもしろい。どんなことも全力でやるんで尊敬ですね。藤原はオンオフがはっきりしている。グラウンドとそれ以外だと全然違います。野球のときは自分のやるべきことをきちんとできるのがすごい。松本もマイペース気味。人にあまり見せずに頑張る努力家だと思う。中田達也(社4=星稜)は結構ツンデレ。僕のこと大好きですね(笑)。でも野球ではやるときはちゃんとやる人。



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