東都大学野球 秋季１部リーグ 対日大 第２回戦 10月29日 於・明治神宮野球場
◆結果◆
日 大 ０００ ０００ ０００｜０
青学大 ２００ ０００ ００×｜２
◆出場選手◆
１ 指 中野波来 大阪桐蔭→打 西川史礁 龍谷大平安
２ 遊 泉口友汰 大阪桐蔭
３ 二 山田拓也 東海大相模
４ 三 佐々木泰 県岐阜商業
５ 左 山中稜真 木更津総合
６ 右 井上大成 日大三
７ 一 田野孔誠 聖光学院
８ 捕 佐藤英雄 日大三
９ 中 永山裕真 報徳学園
P 北村智紀 龍谷大平安
秋季リーグも遂に最終戦を迎えた。３連敗に始まり、そこから怒涛の巻き返しで優勝争いにまで加わった青学大。何としてでも勝利したい最終戦だったが、初回に取った２点を守り切り見事白星で締めた。
先発は３年生左腕の北村。秋季リーグでは完封勝利がなかったが、前日完投勝利を達成した森の勢いに続いて相手打線をかわした。
先発した北村。変化球を使い分け日大打線をかわした
1回の裏の青学大の攻撃。相手の立ち上がりが安定しない間に先制攻撃を仕掛ける。まず先頭の指名打者・中野がセンター前ヒットを放ち、続く泉口もファーストのエラーで出塁。無死１，３塁のチャンスを作り打席には好調を維持する３番山田。初級から積極的に叩いた結果ライトへのタイムリーヒットとなり先制に成功する。攻撃はここで終わらず、5番山中もライトへのタイムリーヒットを放ち追加点に成功する。
クリンナップに座りタイムリーを放った5番山中
援護をもらった北村は更にギアを上げ、スライダー、カーブ、フォークを投げ分け巧みに打者をかわした。特に追い込んでからのフォークボールが冴え渡り、４回から４イニング連続で２奪三振を取った。
青学大は初回に取った２点を最後に、思うように追加点が奪えず試合は終盤へ。
チームを支えたキャプテン泉口
９回、１死から安打で出塁を許す。続く四番にもライト前へ運ばれ、１塁ランナーは三塁を陥れようと２塁を蹴るもライトは強肩・井上。完璧な送球でランナーを３塁上でタッチアウトに仕留め、ピンチの芽を摘んだ。
井上の好送球を受けタッチするサード佐々木
ここで２死１塁となり一安心と思われたが日大の５番打者を歩かせてしまう。一気に得点圏までランナーは進み、一打逆転のピンチ。青学大の安藤監督はたまらずベンチを出て投手交代を告げようとした。
しかし、キャッチャーの佐藤（英）が出てきた監督に向かって大きく手を突き出し、待ったをかける。選手交代を考えていた監督をベンチに追い返し、初完封初完投がかかっていた北村と最後まで行くことを選んだ。安藤監督も「（選手が決めた）この決断を絶対正解にしよう」と納得して見守った。
続投を選んだ青学大バッテリー。９回２死で迎えた打者を見事スイングアウトの三振で試合を締めた。北村は９回４安打無失点で初完封初完投。北村ー佐藤（英）バッテリーの連携と守備陣の奮闘で最終戦を勝利で飾った。
三振を奪いガッツポーズをする北村
最終戦を勝利で飾り笑顔の青学ナイン
最終戦に勝利し、青学大は秋季リーグ10試合6勝4敗のリーグ２位に躍進。1年前は2部リーグ、1部昇格後の春季リーグは5位だったことを踏まえると右肩上がりで成長している。
今季は優勝争いにもつれるも、國學大が最終戦で勝利したため優勝決定戦には至らなかったが、青学大野球部の取り組んできたことがまさに結果に繋がったシーズンとなった。これで泉口ら4年生のシーズンは終わりだが、来期も神宮で戦う後輩たちに素晴らしい経験を与えてくれた。優勝まであと一歩だった今シーズン。来年こそは念願のリーグ優勝を達成し、日本一を獲得したい。
（写真＝石岡亮、遠藤匠真、川崎史緒・記事＝渋谷聡志）
見事完投を果たした北村と支えた佐藤（英）
◆選手・監督コメント◆
安藤寧則監督
ー今日の勝利についてどう思われますか
キャプテンの泉口中心にしっかり作り上げてきたチームで最後勝つことが出来てよかったです
ー北村君がナイスピッチングでした
はい、良かったです。特にいうことはないです
ーピンチを招いた９回、継投と思われるタイミングで安藤監督がベンチを出てすぐに引き返す場面がありましたが、どういう状況だったのでしょうか
ピッチャー交代ということだったんですが、キャッチャーの佐藤（英）が「待って！」と言われたので。自分も監督としての判断として、出てる選手の判断を尊重してこの選択を絶対正解にしようと見守っていました
ー佐藤君は２年生ですが、非常にしっかりとしていますね
そうですね。ウチらしいというか、あそこでの佐藤の意見は大切にしてやりたいというのはあったので、勝つための選択として聞き入れたので正解にしてくれてよかったです
ー選手が監督の希望と逆のことを要望するのはよくあることなのでしょうか
基本はないです
ー実際に佐藤選手に止められてどう感じましたか
「おおっ、じゃあ任せた」と思いました。ベンチにはその選択を絶対正解にしようと言い聞かせました
泉口友汰選手
ー10試合を終えて、まだ優勝の可能性を残しています。振り返っていかがでしょうか
３連敗から始まって、（それでも）チームの状態は全然悪くなかったので、その中で何が足りないかをみんなが考えて戦っていった結果が最後まで優勝争いができるって所にこれたのかなと思います。
ー３連敗はしたけどチームはそんなに暗くなかった？
そうですね、全部一点差であと一歩っていうところだったので、そこまでチーム状況は悪くなかったです
ー３連敗のあと、足元を見直してと話していましたが、そこからどのような変化があったのでしょうか
負けは続いていたんですけど、誰一人として下を向いている奴はいなくて、皆明るくやっていたので大丈夫かなと思いました。
ーご自身は春苦しみましたが、秋の成績を振り返っていかがでしょうか
悪くはなかったと思います（笑）
ーやることを見直すと話していましたが、野球に繋がったことはありましたか
普段の寮生活などでスリッパを揃えたり廊下の荷物をきれいにするなど細かいことをやることで野球でも終盤の粘りにもつながったので、競った試合が多かったですがそういう試合を勝ち切れたのは見直した結果だと思います
北村智紀選手
ーナイスピッチングでした。今日のピッチングを自分でどう評価しますか
テンポよく投げられたのが良かったなと思うのと、やっぱりバックが良いプレーとか出してくれていて、とても投げやすくそこが完投に繋がったのかなと思います
ー右バッターのアウトコースに落ちる球の球種は？
フォークボールです。良いところで落ちてくれたのかなと思います。決め球でずっと使っていました
今日投げていたすべての球種を教えて下さい
スライダー、カーブ、フォークの三種類です
ー９回はどんな思いで投球しましたか
やっぱり自分も投げたいという気持ちがあり、キャッチャーの佐藤（英）の方からも監督を止めて「自分と（最後まで）行きたい」と言ってくれたので、ここは絶対抑えようという気持ちで投げました
ー初完投初完封がかかっていた場面ですが、自分としても最後まで投げ切りたい場面でしたか
そこまでいいテンポで投げられていたので、９回まで来たら投げ切りたいという思いはありました
ー実際に初完投初完封を達成してみていかがでしょうか
バックがしっかり自分のサポートをしてくれたので、全員で勝ち取ったところもあり、嬉しかったです
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