【硬式野球】史上初の大分開催!劇的な開幕戦勝利!

硬式野球
ガッツポーズを見せる山中

東都大学野球 春季1部リーグ 対日大 第1回戦 4月2日 於・別大興産スタジアム

◆結果◆
青学大 020 000 000 3|5
日 大 010 000 010 0|2

出場選手
1 二 山田拓也 東海大相模
2 中 中島大輔 龍谷大平安
3 三 佐々木泰 県岐阜商業
4 一 片山昂星 東海大菅生
5 左 山中稜真 木更津総合
6 右 中野波来 大阪桐蔭→田野孔誠 聖光学院→右 大手晴 横浜
7 指 小田康一郎 中京
8 捕 佐藤英雄 日大三
9 遊 藤原夏暉 大阪桐蔭
P 北村智紀  龍谷大平安→秋山巧太郎 広陵


2022年東都大学野球春季リーグは史上初の試みとして大分県での開催となった。大分県の別大興産スタジアムで行われた試合では多くの観客が訪れ、盛り上がりを見せた。

盛り上がりを見せた別大興産スタジアム

コロナ禍以降外野席での応援のみであった応援団やバトントワリング部も内野席での応援が解禁となり、演奏の協力をしてくださった大分藤蔭高校の吹奏楽部のみなさんとスタジアムを盛り上げた。

内野席での応援が解禁された応援団

スタンドを盛り上げた応援団とバトントワリング部

青学大野球部は昨年度のスタメンを多く残しながらも、多くの新戦力を迎え入れリーグ優勝、そして日本一を目指す布陣を揃えた。開幕戦は日本大学と対戦した。新戦力の中では藤原夏暉(法1)と小田康一郎(文1)がスタメンに名を連ねた。藤原は名門大阪桐蔭高出身で、打撃は珍しいスイッチヒッターでホームランを打つパンチ力を持つ。

スイッチヒッターの藤原

小田は中京高校出身で、エースで4番として活躍。最速148kmを誇る投手だったが、高校通算34本塁打の実績を生かし大学では野手に専念する。

フルスイングが持ち味の小田

そして開幕投手はエースの北村智紀(総4)。昨年度の秋季リーグ最終戦では日本大学相手に完封勝利を挙げており、相性の良さが注目された。
北村は初回連打を浴びるも山中稜真(社4)のファインプレーにも助けられ無心点に抑える上々の立ち上がりを見せた。

先発投手を務めた北村

ファインプレーを見せた山中

一方攻撃は2回表、2アウトから中野波来(法3)がヒットで出塁すると初スタメンの小田も大学初ヒットで続き、青学大の扇の要の佐藤英雄(文3)のタイムリーで1点先制。続く藤原は大学初ヒットがタイムリーとなる安打で1点追加。幸先のいいスタートを切った。

ヒットを放った中野

ヒットを放つ小田

タイムリーを放つ佐藤

タイムリーを放つ藤原

しかし続く2回裏、北村は連打を浴びると四球で満塁とし次のバッターにも四球を与え日大に1点を献上する。しかし次のバッターの打席で佐藤の好判断もあり挟殺プレーを成立させ同点は阻止した。

挟殺プレーをした佐藤

ランナーにタッチに行く山田

その後も青学大打線はヒットを放つも尻上がりに調子を上げてきた日大・岸川を崩すことができず得点を挙げることができない。対する北村も回が進むごとに変化球のキレが増し、日大打線を完璧に抑えた。しかし8回裏、安打で出塁したランナーを送りバントで進められたところで秋山功太郎(営3)に投手交代。その後三盗を決められ、犠牲フライで同点とされる。しかし秋山はその後の打線を断ち切り、逆転は許さない。

2番手で登板した秋山

その後両チームは得点を入れることができず、試合は延長タイブレークへと入っていく。昨年度まではコロナ禍の影響もあり同点の場合でも9回打ち切りとなっていたが、今季から延長戦が復活した。タイブレークは無死1、2塁という状況で回が始まる。青学大はタイブレークでは不利とされる先攻でありなんとしても得点することが重要だった。
10回表、この回の先頭打者は初回にファインプレーを見せた山中。タイブレークの戦い方のセオリーとされているのは送りバントでランナーを進めて、ヒットを期待する手法。しかし山中はバントの素振りを見せたものの、ヒッティングの構えのままだ。実はこの打席前に裏話がある。打席に向かう山中に対して安藤監督はなんと「どうする?」と声をかけた。山中も思わず「打っていいですか?」と答えた。安藤監督は「山中を信じた」と要望通りのヒッティングのサイン。山中はこれまで空振りが続いていたストレートをバッテリーは選んでくると推測。そして山中が振り抜いた打球はスタンドへ。劇的な延長戦での3ランホームラン。3点差としたことで後攻の日大にも大きなプレッシャーを与えることができたのは間違い無いだろう。

本塁打を放つ山中

喜びを爆発させる佐々木(左)と片山

ガッツポーズを見せる山中

ベンチに向かい入れられる山中

10回裏、秋山は無死1、2塁から始まる展開をものともせず無失点に抑える好投。チームとして嬉しい春季リーグ初戦勝利であった。

好リリーフを見せた秋山

ナインから祝福を受ける秋山

この試合のMVPを挙げるとしたら、小田・藤原の1年コンビを挙げたい。もちろん好投を見せた北村と秋山や劇的な逆転ホームランの山中もMVPに値することは間違いない。しかし前日の1日にようやく大学生になったにも関わらずこの2人が物怖じせず、打席では得点に絡む安打を放ち、守備でも藤原は昨年卒業した大阪桐蔭高の先輩泉口友汰(22年済卒)を彷彿とさせる安定感のある守備を見せた。青学大の特徴として挙げられる学年の隔たりがないということがもたらした結果でもあるだろう。

軽快な守備を見せる藤原

初めての試みとなった大分県での開催。大分の野球ファンにも青学大野球部の魅力を存分に伝えることができただろう。完璧なスタートダッシュを決めた野球部、山田主将が目標に掲げた日本一達成のため春季リーグを突っ走ってくれることを期待したい。

大分のファンに礼をするメンバー

(記事=遠藤匠真・写真=遠藤匠真)

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