「チームにとっての柱に」苦難を乗り越えチームを支えた斉藤諒馬

男子バスケットボール

泥臭いプレーを持ち味に青学大男子バスケットボール部を牽引し続けた斉藤諒馬主将。斉藤主将の放つ安定したシュートや、自身より大きい選手に対してでも強く立ち向かう身体を張ったディフェンスはとても魅力的だ。3年時からスタメンとして試合に出場し、当時からほとんどの試合で出場を果たすなど、実力プレイヤーでありチームを支えた。しかし、キャプテンとして迎えたラストシーズンは壁にぶつかることも多かった。

試合では軸となりチームをまとめあげた

キャプテンとしてケガからのスタート
2020年2月にU22日本代表スプリングキャンプへの参加が発表された斉藤主将。代表に決まった当時は驚きつつも、高校以来の代表合宿への参加へ「入ったからには頑張ろう」と意気込んだ。しかし部のトレーニング期間でケガをしてしまい、万全の状態で望むことが出来なかった。自身でも「やりきれていない自分がいたのがすごく嫌だった」と振り返り、「いいパフォーマンスは出来ていた」ものの、「選手として自分の財産になるもの」と捉えていた代表合宿に完全な状態で力を注げなかったことには苛立ちさえ覚えたという。

新型コロナウイルスの流行
現在でも未だ猛威をふるっている新型コロナウイルスは練習や試合はもちろん、選手たちの気持ちにも大きな影響を及ぼした。斉藤主将が参加したU22日本代表スプリングキャンプも全ての日程は行えず、その他にもスプリングトーナメントの中止など各試合の中止や延期が発表され、もちろん練習も今までのようには出来なかった。先行きが見えない状況下で「キャプテンとしてこのチームをまとめるという時にやっぱりコミュニケーションが取れなかったというのが苦しかった」と当時の気持ちをこぼした。

熱いマッチアップを繰り広げる

激動の一年の中で
チームとしては廣瀬昌也ヘッドコーチから吉岡修平ヘッドコーチへと、体制も大きく変わった。斉藤主将も「去年(2019-20シーズン)とはもう全くガラッと変わったチームになっていた」と振り返る。その中で選手が主体となるバスケットを展開し、チームとしても一人一人がより考えて行動するようになったという。

3Pを打つ斉藤主将

また、自ら買って出たキャプテンという役を抱えプレッシャーを感じることもあったが、4年生プレイヤーが2人という厳しい状況の中、オータムカップや全日本大学バスケットボール選手権大会(以下、インカレ)では攻守共に軸となりながらも献身的なプレーでチームをまとめた。シーズンの初めには「エースとはならなくても、最終的にはチームの柱になりたい」と、そしてインカレ後には「キャプテンとしてはやっぱり3年生以下ももちろんですけど4年生の藤倉だったりとか近松もそうですけどすごく支えてくれて、自分が何かやったというよりかはみんなに支えられたなっていう風に思えたシーズンだったと思っています」「下級生に感謝」と謙虚な斉藤主将。そんなチーム全体を見る姿勢がプレーでも表れ、生かされていたと言えるのではないだろうか。

斉藤主将は「今のバスケットをもっと完成度を全部上げて、もっと良いチームにしてほしい」と後輩への期待を語った

未曾有な状況下でも、プレーだけではなく精神面でもチームを支えた斉藤主将。間違いなく青学大男子バスケットボール部の柱となったであろう。今後は実業団でバスケットボールを続ける斉藤主将。これから新たな道で挑戦を続ける姿に目は離せない。

(記事=布村優果)

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